第186回「大野紫と醤油五大産地の特徴」【週刊ウンチク】

第186回(2004.9.30)「大野紫と醤油五大産地の特徴」
提供:金沢・ヤマト醤油 山本晴一さん

金沢大野の醤油 大野紫
加賀百万石の醤油処、金沢・大野の伝統的な製法で作り上げた醤油がもうじき発売されます。

それに因んで、金沢・ヤマト醤油 専務の山本晴一さんが、大野醤油の特徴やその歴史背景をご紹介します。
 


金沢・ヤマト醤油 店長です。


涼しくなったこの時期には新米が流通するし、秋の旬のものが順に食卓を彩るようになり、楽しみな日々ですよね。

さて、本日は特別限定醸造のお醤油をご案内させてください。

商品名は『大野紫(おおのむらさき)』
 300ml ¥1260

江戸時代の伝統製法を復活した、金沢伝統の『うまくち醤油』です。

商品原材料
・うまくち醤油(本醸造)
・原材料名:丸大豆、小麦、食塩、米糀
・保存方法:高温多湿の場所を避け、常温で保存して下さい。

この商品は10月2日以降のお届けとなります。


実は、『醤油屋』という商売が世の中にはじめて生まれたのは、江戸時代に入ってからです。

江戸時代以前は、茹でて塩や味噌で味付けをするというのが一般的な調理方法で、だしをとったり、醤油で香りと味を整えるというような調理方法は無かったそうです。

お蕎麦やうどん、てんぷら、鰻の蒲焼、昆布だしのお吸い物や、茶碗蒸し等の和食(エッセイストの玉村豊男さんによると、和食の定義は、だし+醤油+砂糖・みりんのコンビネーションリキッドでの味付けなんだそうです!)
が一般的に食べられるようになったのも、実は江戸時代も後期に入ってからでした。


この時代に、人口の多い都市は、一にお江戸。
二に大坂。三に京都で、四番目が加賀百万石の金沢!


何が言いたいかって?
その、単なる郷土自慢なんですが・・・・
もうちょっと最後まで聞いてやってください・・。

つまり、人口の多いところ=一大消費地ですから、その近くに産業としての『醤油屋』が集中して生まれた=一大生産地を形成したのです。


●お江戸に対しての、醤油は千葉県の銚子や野田で!

●大坂や京都での醤油の需要に対しては、小豆島や播州・龍野(たつの)で!

●そして、加賀の需要に対しては、金沢の大野町で『醤油屋』というか醤油醸造が盛んに行われて現在に至るわけです。

江戸時代においては、金沢は、日本の醤油醸造が行われた五大産地のうちのひとつでした。

こうした五大産地は、気候・風土も水も食文化や嗜好の違いで、それぞれが特徴ある商品としての醤油を醸造しておりました。


●銚子や野田は、きりっとした辛口で、かつ香り高いタイプの醤油が造られていました。鰹節との相性が強く求められたのだと考えられます。

●西の大坂や京都では、おだしには昆布が欠かせません。
したがって、これに合う醤油は、少し色がうすく、はんなりした出汁味を活かすタイプが求められました。

●これに対して、加賀百万石の金沢では、雪が降る風土のせいか、武家文化の影響か、しっかりした味付け(甘辛い味)が好まれたようです。


加賀料理の代表に挙げられる「鴨の治部煮」や「鯛のから蒸し」等の味付けを見れば明らかです。
醤油のタイプは、西の色のうすい醤油にさらに甘味が加わったタイプで、地元では『うまくち醤油』と言われるタイプです。

まあ、今は全てが薄味で(メリハリが無い!おっと失礼!)すが、当時は、『甘い』っていうのが、とっても贅沢で、美味しい味・うまい味だったということも関係していたと思われます。


加賀料理というと、ハレの料理で、一般ピープルが日常食べるケの料理とは一線を画すと言われております。

しかし、町民層でも、4里四方に海も山も、当然お米はたくさんあるという環境では、自然と食文化も磨かれていきました。
旬の美味しいものを毎日、地元の調味料で味付けして食べるという暮らしのなかで、厳しく商品選択がくり返されて現在に至るわけです。


こちらのお刺身(夏の赤烏賊や渡り蟹・秋の鯛やカレイ・甘海老やガスエビ・冬のタラの子付けのお刺身・大根おろしで食べる寒ブリ・ズワイガニや香箱蟹)には、特にこうしたやや甘口の『うまくち醤油』が好まれています。

今回、皆様にご紹介する『大野紫(おおのむらさき)』は、こうした歴史的背景をもとに、町史等の文献にあたり、江戸期の製法(米糀を醤油に加える)を復活した商品です。
たくさんの米糀を加えるなんて、贅沢な感じがしますが、それが『うまくち醤油』のよさなんです。

漁師がこの醤油瓶を一本船に載せて漁に出て、お魚が釣れると、これでお刺身を食べたり、煮物もしたり(みりんを入れなくても良い)と良いこと尽くめなんだそうです。


 味覚の秋、あなたも「うまくち」の大野紫で楽しみませんか?

 ・・・・ご注文はこちらのぺージからどうぞ・・・


※万一、売り切れになった場合は(=嬉しい悲鳴)は、
残念ですが、仕込みの数量が限られているので、追加生産は簡単にはできない商品です。来年の今の時期までお待ちいただかなくてはなりません。なにとぞご了承を賜りますようお願い申し上げます。


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