●ミニセミナー『デジカメ商品撮影 入門編』
講師 デジタルプリントショップニュートン 堀 光治 氏
8月27日(金)午後1時~午後5時
石川県地場産業振興センター本館3階
予算の関係などでプロに依頼できなくても、簡易な撮影キットを用いれば、自社でもWebサイトに掲載する充分な商品撮影が可能で、いかに商品をきれいに撮るかということに重点をおいた実践的なセミナー。
お店ばたけ出店者、ニュートン堀代表により(辰口町で写真店を経営するプロカメラマン)、デジカメの基礎知識から、実際にデジカメを手にしての撮影実習、さらに基本的な画像処理について初心者にもわかりやすい言葉で解説いただきました。
売るための商品撮影
インターネットショッピングにおいては、
ページに掲載されている文字と写真だけが、商品チェックの材料
商品の写真
リアル、かつ正確に商品の状態を伝える
購入意欲を高める
商品/企業のイメージアップ
商品が売れるかどうかは、写真の出来にかかっている
<よい写真 わるい写真>
鮮やかな色 ←→ 色が濁っている
シャープ ←→ ピンぼけ
正確な形 ←→ 形が歪んでいる
商品が持つコンセプトやイメージを伝える ←→ 余計なものが写っている(テカリ、反射)
軽い(表示が早い) ←→ 重い(表示が遅い)
<光源設定(ホワイトバランス)>
●内蔵ストロボは使わない
強い光が正面から当たる
→ ペタッとした印象
手前と奥で光の強さが極端に変わる
→ 実際とかけ離れたイメージ
●蛍光灯で撮影
ホワイトバランス設定を「蛍光灯」に設定
照明光が大きいと柔らかい雰囲気になるし
逆に小さいと硬い雰囲気になる
<焦点距離>
ズームを使い、被写体の大きさを調整する
望遠側 大きく撮る
広角側 小さく撮る
斜めにすると手前のものを大きく、奥のものを小さく見せる。
ワンポイント!
アングルを変えてみていいカットをみつける
<絞りとシャッター速度>
露出
CCDセンサー(フィルム)に必要な光を与えること
露出の調整は、「絞り」と「シャッター速度」、「感度」で。
水道の蛇口から、コップに水を注ぐようなイメージ
絞り 蛇口の開き加減
シャッター速度 蛇口をあける時間
感度 コップの大きさ
(数字が小さいほどコップは大きい)
◎撮影実践
●まずはオートで撮ってみよう
悪いところはないか?
強い影、テカリ
内蔵ストロボ発光停止
蛍光灯で撮影、光源(ホワイトバランス)設定
メンディングテープで部分的な反射を防ぐ
手ブレ防止
三脚使用
セルフタイマーモードに設定
形の歪み
ズームを使ってパースペクティブ調整
ぼけ
絞りを調整して、ピント範囲を調節
●光を読んでみよう
影をみる
光質「影の強さは、光の強さ」
光質の調整
反射
白い紙をつかい反射板にする
拡散(ディフューズ)
トレーシングペーパーで光源を覆う
○金属とガラス撮影のコツ
金属 ・・・テカリは、照明光が写る
テントライティング(白い布で覆うといい)
ガラス ・・・透明部分はバックが写る
バックに光を当て、明るくする
○屋外で撮るとき
発泡スチロールを被写体に反射させる
白・・・柔らかく
銀・・・硬く
人物を撮るとき・・・金色のものを反射させるとより自然に
<画像加工>
●基本処理
・レベル(コントラスト)補正 必要な色だけ鮮やかに
・色調補正 明るく、シャープネスに、メリハリをつける
・背景合成 背景色を変えてスタジオのように
・webに最適化 画質と容量を調整
~ニュートンパパ・堀さんへの質問 いろいろ~
○背景の色は何色がいいか
基本的には無配色(グレーか白)がいい。
○織物の撮り方
織物の質感をあらわすために硬い光がいいのでスキャナーで読み込むといい
○時計など硬い物の撮り方
時計やはさみといった硬質のものもスキャナーで読み込んでもいい
ステンレスでも質感が出やすい。さらにビロードの布をかぶせると高級感がでる
○自動車の撮り方
写り込みが気になる場合は、白い布で商品を覆う。
専用のスタジオを使用して「テントライティング」する。
ストロボを使用せずに、蛍光灯で撮影すると柔らかい雰囲気に。
最近は、意図的に風景を写り込ませることが盛んに行われており、
専用のスタジオなしで済ませることも増えてきました。
○ベッドなどインテリアの撮り方
光源設定を「太陽光」に設定して、白熱球の光源にすると暖かみのある色調に。
商品が大きくて、布で覆う事ができない場合は、ストロボ撮影が必要。
この場合でも、商品の正面から撮影せずに、45度角度をつけて撮影する事で、
ストロボ光の正反射を防げ、よいイメージを得られる事があります。
■撮影心得■
「商品は見た目が勝負です」
商品画像はそのwebショップの信頼性を高めるのに重要です。
自分自身がお客さんのつもりになること。「面倒だから」は禁物です。
撮影に手間を惜しまないで下さい。
デジカメはフィルム写真と違い、何枚でも撮れるので、
失敗を恐れず、納得がいくまでトライして下さい。
■感想■
今回のセミナーでは皆さんの扱う商材によってはスキャナーで読み込んだ方が
より質感がでたり、ちょっとした工夫次第で柔らかい光を出したりできることが
できたりと、撮影の仕方が異なることがわかりました。
プロのように上手く撮れなくても、練習次第で「売れる商品」を撮影できる日は近いのではないでしょうか。
デジカメプリント、ポストカードのご用命はクオリティの高いニュートンでどうぞ!!
講座で使用した機材:
◇コクヨ・デジカメ撮影用キット
ニュートンさんご推薦 日経トレンディにも掲載
◇フォトキューブ
商品全体を覆います(テントライティングする)ので反射光を遮ります。
おいしい店松本さんオススメ
◇デジカメスタジオ
簡易で安価な紙製スタジオです。