第35回「おそばのウンチク(2)」【週刊ウンチク】

第35回(2001.10.24)「おそばのウンチク(2)」
提供:おいしい店ドットコム 松本信之さん


おいしい店 松本信之さん「食べてはなくなってしまうもの、
あっという間に旬が過ぎ去ってしまうもの
もろくて、移ろいやすくて、切ないものだからこそ記憶に残る。
ほんの一瞬、かいま見せる、おいしさの瞬間をとらえる事にこそ
真実の美があり、喜びがあります。」(おいしい店 のぶチャンこと、松本信之さんのことば)

●「新そば」
 さて10月も半ばを過ぎると、何処の蕎麦屋でも香り高き美味しい「新そば」に切り替っています。
これだけ流通と交通の発達した現代では日本とは逆の季節のオーストラリアのタスマニアでつくるソバもあります。しかし、秋に出来る新ソバの香と味には到底及びもつきません。

 タスマニアには、「ここは、銭屋五兵衛の領地である」との石碑が明治時代に発見されています。
現在この石碑は行方不明になってはいますが、金石の港からタスマニアまで北前船を操り、ご禁制をものもせず、北極星とおのれの腕と度胸だけをたよりに、我々のつい100年ほど前の祖先は、わたしより早くかの地を訪れていた訳です。
 ちなみに、のぶチャンの新婚旅行は、ニュージィーランドとオーストラリアでした。(^0^*オッホホ 関係ないか~ 

 ソバは万葉集にも読まれ、奈良・平安時代には、黒い皮をむいて、ソバ米(ごめ)や雑炊として、鎌倉時代には、ソバガキやソバ餅として、天正年間(1573~)頃よりやっと、「ソバ切り」として現在と同じように食べられました。

 8月にもなると夏の暑さも加わり、我々食べる方は、勝手なものですから、「マズイナ~」「パサパサだな~」「新ソバまだかナ~」と思い、実は、作る方は作る方で、「イャダナ~」「作りたくないナ~」「新ソバが出るまで店閉めようかナ~」「恥ずかしいナ~」と思いながら、なんとか食べれるようにと、つなぎの割合や水の分量を工夫することで、少しでもお客様に満足していただこうと努力している真っ当な店も日本中に沢山ある事を知っておいてください。

 客が一言、「親父、新ソバいつから?」と聞けば、(あ痛!わかったか!)と、心では思いながらも切ないため息とともに、精一杯の作り笑いで「スイマセン!もう少しおまちを!」と本当に申し訳なさそうに、答えるわけです。
 それが分かっていて、嫌味ではなく、ワザと言う人もいます。
「がんばれヨ」との、意味合いを込めて!!!

 かつて、ソバは「ハレの日(お祝の日などの特別な日)」のごちそうでした。
ソバ粉に水を入れ、茹で上がるまで、1時間以上、これだけ手間のかかる事を日常いつも出来ませんでした。我々は、いま簡単にお金を出してソバを食べますが、それをつくる人には、それぞれの心のドラマと葛藤があります。
 「ごちそう」・「おもてなし」とは、山海の珍味を揃えることではなく、どれだけ心がこもっているかどうか、という事だと「新ソバ」の季節になると、思い起こされます。
 
・・・さて、金沢のおすすめのソバ屋・まじめな仕事をするソバ屋は?
例えば、夏の間、オロシソバの辛味大根が品切れのないように、特別に農家に作ってもらうとか、自分で作るとか、そばの状態を東北・北海道まで見に行くとかの努力、研鑚惜しまない真っ当な店は何件かあるのですが、皆様が行きやすい店をご紹介すると、

「藤井」(片町) 是非、一度御試しください。
 詳しい場所を教えるといっぱいになるので教えませ~ん。待つのイヤだから。

  駐車場なし、ただし、前に100円パーキングあり
  夜のみ営業、夜の住人に静かなるブーム
  当主は若いが向上心あり、花嫁募集中・良い子がいれば、ご紹介下さい。

 
オマケ・・・「意外な相性」

もし、スーパーででも、新ソバ粉が手に入りましたら、ソバクレープを作ってみてください。
そこに、キャビアをコテッとのせて巻いて食べてみると、これが意外においしい。
もっとも、キャビアは、御飯にかけて食べると一番うまいのですが・・・・・ (完)
 

2週にわたってお送りした、食の達人 のぶチャンのおそばウンチク、いかがでしたか?
ほかの食材についても知りたい!という方は「美味しん坊通信」をご覧ください!


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