第47回「珠玉の逸品『かきもち』」【週刊ウンチク】

林さんちの珠玉のカキモチはネット通販しています。お店ばたけ 週刊ウンチク
第47回(2002.1.17)「珠玉の逸品『かきもち』」
提供:林農産 林浩陽さん



■ 『かきもち』って何?

切ったお餅をひもで編む林さんちのかきもちはまさしく「珠玉の逸品」です。とにかく滅多にお目にかかれないと言っておきましょう。地域によっては、寒餅(かんもち)、ひにもち、とも言われます。1月4日が小寒、寒入りと言いまして、一年で一番寒い季節に入ります。昔から、この寒の時の水は、特別で、防腐作用がある事が知られています。この水を使い、寒中についたお餅を切って干したものが、「林さんちのかきもち」です。

 林さんちのかきもちは、昔ながらの製法で作っており、ついたお餅を長いとぼ餅にして、薄く切ります。この時の厚みは、4.2ミリこれより厚くても、薄くてもダメです。厚いと焼くと芯が残り、薄いと割れます。ノギスで、測りながら慎重に切ります。今度は、これを一枚一枚!ヒモで編んで、作業場に吊って1ヶ月以上乾燥させます。乾燥したら、今度は、一枚一枚色取りを考えて、袋詰め、箱詰めをして完成です。書くと数行で済みますが、これには、苦難の歴史があるのです、、、、、(T_T)

背丈の長さに編まれたお餅を吊る

お餅吊ってまーす!

乾燥させたカキモチ。林さんちが誇る珠玉の逸品!

薄く切られたお餅のカーテン。林さんちで、こんなんに干して、カキモチになるがです。


■かきもちは、地震で落ちる

林さんちが、かきもちを始めたのは、もちつきを始めて3年ほど経った位でしょうか。単に、1、2月が暇だったから始めたと言う、お気楽なものでした。

 しかし、やって見ると、すごく難しい。まず、長いとぼ餅が作れない、本格的な長いとぼ箱は高額で買えない。そこで考えたのが、近所の大工さんに、箱を作ってもらいそれに、ポリフィルムを中に入れて餅が、くっつかないようにしました。これに、なんとか入れて作った餅を薄く切って、ヒモに編みました。 

 かきもちを編むと言えば、ワラを想像しますが、ワラで干せるのはせいぜい8枚くらいです。ヒモも各種試しましたが、見た目が同じでも、ずいぶん使い勝手が違い、探すのに一苦労。そして、ヒモには25枚編みますが、これは、私の身長(165センチ)に合わせてあります。これ以上長いと吊りにくいのです。自称180センチですが、もう少し背が高いと、多く編めるのですが残念です。

 最初の2年ほどは、仏間が、ひんやりしていて良いのではと、干してみたのですが、大事件が発生。まず、お餅の重さで、床が抜ける、ふすまが開かない、カモイが曲がってしまいました。そして、なんと仏壇の金箔が、湿気で剥がれてしまったのです。

美川仏壇。詳しくはリンク先「石川新情報書府」をご覧下さい

林さんちは、古くからの浄土真宗ですから、貧乏な割には、立派な仏壇があったのですが、それも台無しでした。結局、美川仏壇で、何百万?もかけて修理しました。余談ですが、仏壇って、一人で担げる構造で、分解式になっていることをこの時始めて知りました。火事場の馬鹿力で、担ぐ時には、仏壇の後ろの壁が薄く出来ているので、破って出すそうです。

(上:美川仏壇。詳しくはリンク先をご覧ください)

そんなレアな知恵も付きましたが、肝心の「かきもち」は、カビが発生して大変でした。そこで、ライスセンターの天井に吊ろうと言う事になったのですが、今度は、割れるトラブルが発生。特に、数年前の能登沖地震の時は、3分の1が割れて落ちてしまいました、、、、(T_T) 冬なのに、地震前の異常気象で、気温が20℃位まで上がって、そしてグラグラと来たら、ひとたまりもありませんでした。
 割れない様にするために、周りをシートで囲んだり、光が入らないように、窓にカーテンをしたり、しかし、完全に密閉するとカビるので、適度に空気が流れないといけません。さらに、餅の作り方も、つく時間を色々やってみたりしました。
割れないようになったのは、「応力の分散」が分かってからでした。「かきもち」を薄く切るのですが、その時、実は目に見えない、「ひずみ」つまり「応力」がお餅に生じます。この「ひずみ」が生じたまま干すと割れるのです。ですから、切ったあと数日間「養生」してから、編んで干すと割れなくなりました。やれやれ、、、、、、(^○^)

 
■まさしく遺伝子が記憶している味

「林さんちのかきもち」は、いわゆる「膨らまし粉」のたぐい、例えば、砂糖、山芋、豆粉等を一切使用せず、作っております。おかげで、昔懐かしい歯ごたえのあるかきもちが出来あがります。ところが、お客様の頭の中の「かきもち」は、まさしくお袋の味なんです。遺伝子が、受け継いでいるのではない かと、思うほど、それはそれは、かたくな思いで食べられるようです。たまに、ツボを外す事もありますが、中には「もう二度と、お目にかかれないと、諦めていた、『おばーちゃんに、焼いてもらったあの味』が、蘇えりました。」というお言葉もいただく事があります。
 人の味覚と言うのは、まさしく遺伝子が記憶している味だなぁと、最近強く感じます。だから、お袋の味が、コンビニの味なんてならないように、私も頑張らないといけませんね。


林さんちでは、1年を通してカキモチを販売しています。
お求めは林農産ホームページで!

林さんちが教える「美味しいかき餅の焼き方講座」


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