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2005年07月27日
第82回「安全でない安全の話」【週刊ウンチク】
第82回(2002.9.19)「安全でない安全の話」
提供:出口織ネーム 出口勉さん

今週は、二重織から四重・八重織まで、多重織を用いた先染織物の開発をしている出口織ネーム社長 出口勉さんのお話です。
安全・安心・健康志向が高まる中、今回もタイムリーな情報をご提供いたします。
■出口織ネーム・織仁の抗菌加工・消臭加工糸を使った商品。
安心・安全・健康志向は、衣の分野にも…

抗菌加工の織物を使った木製の下駄
フィット感抜群で足にやさしい

小紋織りのベストは消臭加工糸。
清潔でおしゃれなミドル向けの品々。
安全でない安全の話
近代の漁業や農業では、化学肥料や農薬を大量に投入し、収穫量を上げようとする競争が続いてきました。その結果、土壌や水源、空気に深刻な汚染をもたらしています。それに長びく不況が起因となって物作りを海外に依存するようになり、安全の監視が不確かになっています。国内の企業も経済効率重視のあまり、安全重視のたがが外れてしまい、どこかおかしな世相になってきました。
今、身近な問題としてBSEや農薬による安全を脅かすニュースがクローズアップされていますが、安全の問題は何も「食」だけではありません。「住」の安全、「衣」の安全にも否応無く、関心を持たされそうです。
住の安全には建材から発生するホルムアルデヒドやトルエン・キシレン・ベンゼン・木材保護剤・防蟻剤・可塑剤などに起因するシックハウス症候群が指摘されています。
シックハウス症候群とは、居住者が建物が原因でのめまい、吐き気、頭痛、平衡感覚の失調や呼吸器疾患など体の不調を感じる事をさします。原因は、防腐剤、塗料溶剤、接着剤、木材保存剤、防蟻剤など建材やカーテン・クリーナー・芳香剤の中に含まれている科学物質が内分泌を撹乱するのです。弊社では抗酸化加工や光触媒加工を施した商品開発をしてお客様にお届けしています。
あまり話題になりませんでしたが、世界貿易センタービルの倒壊で強力な発癌物質であるアスベスト粉塵の大量発生がありました。アスベストは天然の鉱物繊維でスレート材、防音材、断熱材、保温材、吸湿材などの建材やブレーキライニングやブレーキパッド産業用はもちろん、家庭用ヘアードライヤーなど広く普及してきました。先進20カ国では既に使用禁止になっていますが、わが国では吹き付け建材としてのみ使用禁止になっているだけで、ロシア、中国についで第3位の消費国で、法の規制も無く、いまだに何かに使われているようです。何に使われているか大いに関心を持たなくてはなりません。
アスベストを含む建物の取り壊しのピークは、2010年から30年頃とみられています。空気中に粉塵が飛散し、飛散したアスベストを吸入すると肺が繊維化するアスベスト肺・肺がんや悪性中皮症(腹膜などのガン)になる可能性が極めて高いと報告されているのです。知らないでいると大いに被害を受けそうです。
電磁波についても、まだまだその被害概容が明らかになっていませんが、パソコン・携帯電話・PHS・電子レンジは身近にありますし、中継用の基地局・高圧線から発生している電磁波も減ることなく増え続けています。対向車でキセノンヘッドライトに出会うことがありますが、これは放電による光であり溶接光と同類の性質なので目には決してよくはありません。道路の舗装に使われているアスファルトも同じで、スパイクタイヤの使用規制がありましたが、このように産業に影響する?事に対する規制の甘さはある意味では心配な事です。
ダイオキシンは、有機物と塩素化合物が燃焼する際に生成する物質です。この物質は、 産業廃棄物処理場やゴミ焼却場での発生について関心がもたれる場合が多いわけですが、体内に 蓄積する経路のほとんどは、食べ物を通じてと言われています。変な話ですが、火葬場の施設改善がされてきたなんて、我々には知る由もないことですが、それを聞いて、ああそうなんだと思わざるを得ません。
皆さんは漠然と化学繊維より天然繊維が安全だと思っていらっしゃるでしょうが、実は今、コットンが危ない?のです。大量生産するために農薬や化学肥料が多用される上、収穫時には枯葉剤、染色(発ガン性が懸念されるアゾ系染料や界面活性剤が結構使われている)や脱色やその他の加工時にも化学薬品が使われます。まさに「薬品漬け」に等しい綿製品が多いのです。
繊維の主力生産品目であるポリエステルを染める分散染料もアゾ系染料が大半を占めます。今では少なくなりましたが染色助剤のキャリア剤なんて、肌荒れでひと騒動した事もありました。安全管理のしっかりした物作りが果たして規制の甘い国々で出来るのでしょうか。こんな科学の進歩した国でも危ういのですから。農薬や化学薬品は、環境を害するばかりでなく、生産者の人々や、製品を身に着ける私達の健康も脅かしているのです。
エコテックス規格100は、繊維製品に残留する*有害物質に対して規制値を超えないなどの基準を満たした製品に対し、エコテックス国際共同体(本部:スイス・チューリッヒ)により「人体に危険を及ぼすレベルの有害物質は含まれていない」という保証が与えられる制度です。製品が認証の条件を満たすためには、生地の他に縫い糸や芯地、ボタンなどあらゆる付属品を対象に、アゾ系染料、発ガン性、又はアレルギー誘発性染料、農薬、塩素系フェノール、等100項目以上の試験項目をクリアーすることなど厳しい基準が設定されています。
日本でも2000年4月から「エコテックス」の認証制度が始まりましたが、国による法律上の規制がないために、認証を受けていない衣料品は広く流通しており、消費者がその製品にアゾ系染料が使われたかどうかを知る術はありません。(弊社では既にこのような染料による糸の仕入れは避けています。)
このような事ってこの他にもまだまだあるんですぞ!くわばらくわばらなんです。
投稿者 お店ばたけ事務局 : 2005年07月27日 09:51

