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2005年08月03日
第14回「越山甘清堂」【今月のお店】
第14回「越山甘清堂」【今月のお店】
株式会社越山商店 専務 徳山康彦さん

(2002年4月掲載の情報です)
■菓子屋冥利
不況風が吹く昨今、そんな話の中ではともすれば話も途切れがちになります。何か今ひとつインタビューにも熱が入りません。そんな中、「これまでお仕事をなさっていて何か心に残ったことはありませんか」と、思わずすがるように聞いてしまいました。これは裏を返すと自分自身に問いかけていたのかもしれません。
専務の徳山さんは、それほど喜怒哀楽を表に出す方ではありません。しかし、そんな徳山さんが、『ある時お客さんから、「やっぱり越山の氷室でないとだめや」「子供も美味しいと言って食べる」との言葉を頂いた』と、まるで宝物の箱を開けるように話を始めました。その徳山さんはさっきまでの彼とは全く違っていました。語気は強く、顔は少し紅潮しているように見えました。そして、しばらくの間その言葉を噛み締めると、「菓子屋冥利につきます」とにっこり微笑み言葉をたたまれました。そしてまたいつもの優しい顔に戻っていかれました。
これが私が越山ファンになった理由のひとつです。
■110年の暖簾
今日、越山甘清堂の看板商品は酒饅頭「焼きまん」です。この饅頭は酒種、小麦粉そして少量の塩から作られるそうなのですが、この酒種に仕掛けが、そして誰にも真似ることができない伝統が隠されていました。酒種は製造に使いまた加えして、結局昔のものそのものを今も大切に使い作り込んでいるそうです。そしてこれらの職人芸はすべて先程の氷室にもしっかり活かされているのです。
■金沢に氷室饅頭あり
金沢では7月1日を「氷室の日」とし、この日に氷室饅頭を食べると無病息災で過ごせると言い伝えられ、初夏恒例の伝統的な習慣になっています。もともとは藩政時代、加賀藩江戸邸より氷を将軍家に献上する習しがあり、毎年この日に行われたとの由来に基づいています。
7月1日未明、職人さんの仕事はいよいよ佳境に入っていきます。氷室饅頭が完成段階に入ってくるからです。昨晩から夜を徹しての作業が続いています。氷室は賞味期限が短く、出来上がり6時間後位に最高の風味がでるそうです。そのためどうしても作業は徹夜にならざるを得ないのです。それに加えて職人さんは一徹です。「味・製法は絶対守る」、よって前もって作り置きするなどということは考えたこともないとのことでした。
正月になると、「あと半年すると氷室やなあ」。春になると「あと3月すると氷室やね」。そして6月になると「いよいよ氷室やぞ」となり、この日を迎えるそうです。みなさんの心の中には「氷室カレンダー」が掛かり「氷室時計」が時を刻んでいるのでしょう。その中で伝統の技を鍛え、伝統の味を磨き上げてきました。
今年の氷室は、饅頭との思いのこもった特別な出会いができそうで、なんだかわくわくしてきました。この夏、我が家は一家全員ポッテリ太りそうです。
伝統あるお店には、何かしらひとかどならぬものがあります。「ただ者ではないぞ」という感じが伝わってくるのです。これが金沢の奥行きの深い文化に集約され、練り上げられ、芳香をはなっているのです。あっぱれ越山、と言いたくなるのは私だけでしょうか。
【レポーター:杉原 清雄】
<会社概要>
店 名 越山甘清堂
会社名 株式会社越山商店
代 表 越山 好子
所在地 〒920-0855
金沢市武蔵町13-17
定休日 火曜日
営業時間 店舗による 電話受付:午前9時~午後5時
TEL 076-221-0336
FAX 076-221-0431
E-Mail kasi5480@oregano.ocn.ne.jp
URL http://www.nepo.gr.jp/koshiyama/
投稿者 お店ばたけ事務局 : 2005年08月03日 09:29