第9回「森照明製作所」【今月のお店】

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第9回「森照明製作所」【今月のお店】

森照明製作所 代表 森 清さん

森照明製作所 森 清さん

(2001年11月掲載の情報です)

木と和紙の風合いを照明にいかして・・・細部まで手を抜かない職人気質。

照明器具制作に取り組んで40数年、今では全国に数店しか存在しないオーダーメイドの照明器具を専門に作っている 「森照明製作所」です。



照明デザイナーである、ご主人の森清さんに、照明器具制作の難しさや職人さんの生活の裏話などをおうかがいしました。

■照明器具との関わり

 「森照明製作所」はもともと照明器具を作っていたわけではありません。先代は「森木工所」として洋家具を製造していました。森さんも家具職人として先代さんに弟子入りします。

 しかし昭和30年代初頭、それまでは電球しかなかった時代に蛍光灯が出回り始め、その傘を作ってほしいとの話が舞い込んで来たことがそもそもの始まりです。先代さんも初めは懐疑的でしたが、旅館を始め多くの施設で蛍光灯が取り入れられるようになり受注も増加していき、世代交代を期に照明器具製造へと事業転換したものです。

 

■照明器具制作の難しさ

 照明器具が家具を始め多くの木製品と基本的に違うことは、高温にさらされることです。木は高温にさらされると反ってしまいます。そのため照明器具に使える素材は柾目の部分しかありません。しかも木の年輪は何十年単位での日当たりの変化で目は粗くも細かにもなるものであり、木の顔の整った素材を選ぶ必要もあります。こだわりではなくそういった素材を厳選することで初めて必要な品質を保つことが可能になるのです。森さんのところでは秋田杉(能代杉)、檜、神代杉などを使い素材の色を大切にしています。

 

■手数を掛けた細工

 造作においても長年使って歪が出ないため、円や湾曲したパーツを作るには厚さ1ミリの板を曲げそれを必要な厚さまで張り合わせることで問題を解決しています。また、電気の照明はコードが必要であり、これを見せない工夫も凝らされています。なんと6ミリ角の足を持つ行灯風の電気スタンドには、1本づつ2本の足に木組みでコードを埋め込む技が使われています。さらに家紋や文字に柾目をいかした透かし彫りをすることで独特の風合いを出すことにも取り組んでいます。今では機械できれいに仕上げることができるようになったとのことですが、そんな機械が無い時代から挑戦していたことに驚かされます。



フロア照明灯「鳥」   茶室の照明を再現



左:平成11年石川県デザイン展銀賞受賞作品「鳥」。細部に隠れた技が使われている。

右:山中温泉「無限庵」の照明器具を再現。オリジナルは金属製で舶来品。(明治末期)

思い出の中の照明も、オーダーメードで制作・販売が可能です

■森さんのオフタイム  

森さんの仕事は昼食時間を除き朝から晩まで立ったままの作業とのこと。そんな森さんのオフタイムは自然に親しむことです。長年「日本野鳥の会」の会員であり、バードウォッチングは仙台や九州まで遠征するとのことです。そんな中から石川県デザイン展で受賞した作品「鳥」はできたものといいます。

桜の花をこよなく愛し、俳句をたしなみ、自ら筆を取り書や絵も描いてしまう器用さは森さんならではの充実した生活ではないでしょうか。そんなところからできた交友関係に「多くのアイディアをいただいている。」と森さんは言います。

 

■インターネットの取り組み

 ホームページを持ってから、東京など県外の建築設計者から「是非森さんの照明器具を使いたい。」との引き合いが来るようになったといいます。まだまだ金額的には大きな部分を占めているわけではないとのことですが、住宅や宿泊施設においても和室に対する需要が減少している現在、このようなかたちの販売促進が重要な部分になるものと考えています。

 

<レポーターからひとこと>

「納期に追われ、仕事を<楽しむ>ことなどできません。」と言われる森さんでしたが、無趣味で不器用な私にとっては公私共に充実した人生を歩んでいらっしゃる森さんに一歩でも近づくよう頑張らねばと思う次第です。(レポーター 野村博樹)

 

<会社紹介>

店  名:森照明製作所

代  表:森 清

     一級家具技能士・照明デザイナー

所 在 地:〒921-8025 金沢市増泉2丁目7番1号

定 休 日:土曜日、日曜日、祭日

営業時間:8:00~19:00

E-mail :mori-k@shift.ne.jp

U R L:http://www.mori-syoumei.ne.jp/