第235回「大伴家持と鰻(うなぎ)」【週刊ウンチク】

第235回(2005.9.29)「大伴家持と鰻(うなぎ)」

提供:明光自動車サービス 三納嘉一 さん

鰻の蒲焼き

今回は、文学に造詣が深い、

自動車販売、リース、車検の

明光自動車サービス 三納嘉一さんより

大伴家持と鰻(ウナギ)に関する話題をお届けします。

左の写真は、お店ばたけ出店店舗、

食の安全・安心にこだわった

吉田水産の「うなぎの蒲焼き」です。



 

大伴家持と鰻(うなぎ)

資料によると、我が国に現存する最も古い歌集は、奈良時代後期に編纂された万葉集であろう。

それまでは口誦であったが、漢字の伝来によって書き留められるようになった。

その撰に最も関わったのは大伴家持だといわれている。

大伴家持は29才ごろに越中の国守となって赴任したが、そのころの越中は、今の富山県に能登半島を加えたほどの大きさであった。

そこで、水垣 久 編の「大伴家持全集」から引用してみよう。

http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/zensyu.html



・たまくしげ二上山に鳴く鳥の

     声の恋しき時は来にけり

  (巻十七-三九八七)

・之乎路からただ越え来れば羽咋の海

     朝凪したり船梶もがも

  (巻十七-四〇二五)

・珠洲の海に朝びらきして漕ぎ来れば

     長浜の浦に月照りにけり

  (巻十七-四〇二九)



この他家持の歌に鰻の歌がある。面白いから下記しよう。

・石磨尓 吾物申 夏痩尓 吉跡云物曽

  武奈伎取喫

・イハマロニ ワレモノマヲス ナツヤセニ

  ヨシトイフモノゾ ムナギトリメセ

・石麻呂に吾れもの申す 夏痩せに

  よしといふものぞ むなぎとり召せ

いつも痩せている石麻呂君よ。

夏痩せに良いという鰻でも食べたらどうかね。 ---という大意であろう。

つまりここで云う「むなぎ」は鰻のことで、例えば謡曲を習った方はすぐお判りでしょうが、梅を「ムメ」と発音する類である。

この歌の変体仮名の軸が床の間にかけてあったのは九州柳川の若松屋だった。

ここへは今年も「うなぎ」を食べに出かけたが、古い廊下を突き当たってすぐの部屋である。

鰻も他の食品と同じく、輸入に大部分頼っているため、食品検査を厳重にやって貰いたい。

去年も今年も、台湾産、中国産の鰻から禁止されている筈の「エンロフロキサン」が検出されているという。 これを聞いたなら、さぞ家持も嘆いたことだろう。