「気を引くコピーは絵が見える」【情報誌あきんど73号掲載版】

『気を引くコピーは絵が見える』
コピーライター 赤須 治郎氏(赤須企画事務所 代表)

コピーライター 赤須企画事務所代表 赤須治郎さん。店舗やWebショップにとって、商品アピール・販促にとても重要なキャッチコピー。良いキャッチコピーとは、読んだだけで場面を思い浮かべられるものです。雑誌広告を参考にしたり、商品分析をしながら、人の心を捉える効果的なキャッチコピーをつくってみましょう。


雑誌の見出しはキャッチコピーのお手本

 キャッチコピーのお手本になるのが週刊誌や月刊誌の見出しです。新聞に掲載され
ている雑誌の広告が、良い教材になります。
 お客様は読みたい記事が載っている雑誌を買いますから、広告には記事の見出しが
たくさん並んでいます。この見出しのつけ方が巧みなので、キャッチコピーとして大いに参考になります。

 ところで、見出しは記事の要約ではありません。
私たちは国語の勉強で、この作品の内容を短文にまとめましょう、などと習ったものですから、内容の要約を見出しにすると考えがちです。
しかし、見出しで中身が分かったら誰も雑誌を買いません。
見出しとは読みたいと思わせる「売り文句」です。


キャッチコピーの要素

 雑誌の見出しを見比べると、目を引くものには共通した特徴があります。

1.名詞+動詞の組み合わせ

 例)「見せる棚と隠す棚」(メイプル4月号)

 キャッチコピーでは形容詞をあまり使いません。抽象的すぎて、絵を思い浮かべられないからです。動詞を使うと動きが生まれます。例に引用した見出しは、対比の手法で意味をより鮮明にしています。

2.たたみかけ

 例) 「花名所で桜の膳を」(家庭画報4月号)

 1番の例は対比で印象を強めていますが、こちらは同系の要素の繰り返しで、記憶に残るように仕向けています。使っている単語は日常用語ですが、単語の積み重ねが、絵を思い浮かべる手助けになっています。

3.異質な言葉の組み合わせ

 例)「その人、ワーキング・ミューズ」(ドマーニ4月号)

ワーキング・ミューズとは働く女神とでも訳せば良いのでしょうか。カタカナ言葉がファッション誌らしくて効果的です。ワーキングとミューズという異質なものを組み合わせた造語の面白さ、斬新さで印象づけています。


コピーを書く前にTPO分析を

 キャッチコピーを書くためには「売りたい理由」と「欲しい理由」の両方を理解する必要があります。

TPO分析がそのための良い方法です。Tは時間(time)、Pは場所(place)、Oは商品力(object=物)。VAN(60年代のメンズファッションをリードしたVANジャケット)の創始者、石津謙介氏が考案したTPOの活用形です。

 対象となる商品やサービスが使われる時間と場所、特徴をできるだけたくさん書き出します。「タマゴ」を例題にします。

  T(時間) ①朝  ②昼  ③夜
  P(場所) ④家庭 ⑤弁当 ⑥遠足
  O(商品力)⑦鮮度 ⑧栄養 ⑨価格

 これらの要素を組み合わせてみて、絵が見えたり、ピンとくるものがあれば、使えるキャッチコピーです。

 ・朝食に生タマゴ、新鮮です。(①④⑦)
 ・ランチ+タマゴ、元気が出ます。(②⑤⑧)
 ・今晩はタマゴ料理、母さんの味!(③④)
 ・タマゴ焼きは遠足のお約束!(⑥)

 TPOの各要素をたくさんの書き出すことが、コピーづくりのコツです。タマゴ屋さんなら、もっとたくさん書き出すことができるでしょう。


「らしい」コピーを書きましょう。

 キャッチコピーは心に届く言葉でなければなりません。それは、例えば、専門家が語る"本当の話"です。
コピーライター「もどき」の気取ったコピーは、底が浅く、印象に残りません。専門家だからこそ知っていること、それを言葉にすれば、経験に裏付けられ、臨場感のある、魚屋さんらしいコピー、薬剤師らしいコピーなど、「らしい」コピーになります。
他の人には決して書けない、「らしい」コピーづくりを心がけましょう。


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