「食品リサイクル 餡糟によるなめこ菌床副材加工」【週刊ウンチク】

菓子製造で廃棄される「餡糟」をナメコ栽培に活用

お店ばたけ 週刊ウンチク

第265回(2006.4.27)

「食品リサイクル 餡糟によるなめこ菌床副材加工」

提供:高川栄泉堂 高川健造さん

◆食品リサイクル率90パーセント…高川栄泉堂の餡糟(あんかす)でなめこ栽培


◆餡糟によるなめこ・菌床副材の加工実験を公開します。




「あんころ社長の裏」ファクトリー~餡糟によるなめこ・菌床副材の加工実験を公開します。

 加賀あんころ本舗高川栄泉堂は、平成11年より菓子製造業者から排出される「餡糟」の利用した製品を作るために開発を進めてまいりました。 製品開発のテーマとして、なめこ菌床に加工する時の使いやすさと品質の安定化に重点を置いて研究開発し、産業廃棄物ではなく、使いやすさと安定した品質を主眼におき、「新しい商品」としての完成度を上げてまいりました。

  石川県林業試験場の協力を頂き、試作した餡糟のなめこ栽培においての有効性を立証するために、広葉樹(ナラ)及び針葉樹(スギ)のチップに配合しなめこの栽培実験を行いました。

1.菌床副材加工工程

(1)餡糟を麻袋に20kg入れる。→(2)油圧ジャッキーで20分間絞る

(3)小豆の餡糟を40kg蒸気釜で加熱・攪拌し一次乾燥をする。→(4)温風で二次乾燥→(5)完成

餡糟を蒸気釜で加熱・1次乾燥完成した乾燥餡糟
    

 ●写真左: 蒸気釜で加熱・1次乾燥/右:完成した餡かす



2.栽培実験結果

各おがくずに、高川栄泉堂にて調製・製造した「なめこ副材」が生育に有効的であることが「石川県林業試験場」で行なった栽培実験から立証されました。鮮度重視して素早く加工を行い、小豆といんげん豆系との配合が正しかったことを証明することができました。

また、餡かすが「なめこの生育促進」に寄与し、栽培期間の短縮が図られ、高い収穫率につながることが確認できました。

(1)杉  (11日目) 

杉おがくずに餡糟をあわせた菌床でナメコを栽培杉おがくずのみの菌床でナメコを栽培


左:杉おがくず/餡かす/ 右:杉おがくず 100パーセント

(2)なら  (11日目)

ならおがくずに餡糟をあわせた菌床でナメコを栽培ならおがくずのみでナメコを栽培


左:ならおがくず/餡かす/ 右:ならおがくず100パーセント

(3)なめこ用おがくず(11日目)

なめこ用おがくずに餡糟をあわせたものでナメコを栽培なめこ用おがくずでナメコを栽培


左:なめこ用おがくず/餡かす/ 右:なめこ用おがくず 100パーセント



3.餡糟利用による「なめこ生産企業」のメリット

  乾燥餡糟を使用することにより、なめこ栽培に向いていなかった針葉樹(スギ)チップの利用が可能になる。それにより、栽培に要する経費も削減でき、安定した経営基盤が構築することができます。 また、中山間部の資源(スギの間伐材)を利用することにより、山の荒廃を抑えられる有効な手段になると考えています。

企業間の連携により、商業ベースに乗せる一連のプランが完成することが出来ます。

(品質が安定した乾燥餡糟の製造→保管・物流→菌床の加工・なめこ栽培→廃菌床の回収→肥料加工→耕作物の肥料として利用)

<菓子製造企業のメリット>

・産業廃棄物処理費の削減

・食品リサイクル率90パーセント達成・収穫量の増加

・製品としての乾燥餡糟の販売(10kg・126円)

<なめこ栽培企業のメリット>

・針葉樹チップ利用による固定費の削減

・収穫量の増加

・使用後の菌床の販売(肥料及び昆虫床)