<商い益々繁盛店>柴舟小出(金沢市)

石川県産業創出支援機構(ISICO)では、石川県内で頑張っている繁盛店を取材し、商い益々繁盛店としてご紹介いたします。

石川県の繁盛店をご紹介!<商い益々繁盛店>
 「柴舟小出」~金沢のお菓子はいいですね。

<商い益々繁盛店>「柴舟小出」~金沢のお菓子はいいですね。

金沢のお菓子はいいですね。このキャッチフレーズとともにファン層を着実に増やしている和菓子メーカーが金沢市・横川に本社を置く柴舟小出である。この言葉に託された同社の経営戦略を小出進社長に伺った。


あゆみ
 大正6年、小出社長の祖父がせんべい屋を営んだのが商いの原点である。
つまり今年88年目を迎える。昭和23年、祖父が他界し、先代がその後を継ぐ。先代は、旧来の柴舟に創意工夫を重ね、金沢を代表する銘菓の一つに作り上げる。小出社長が工場へ入った当初の頃は、なんと洋菓子と和菓子を野町の店で半々に並べていた時期もあり、クリスマスにはクリスマスケーキを2000個あまり販売したという。

 そんなある日、先代とこれからの店のありようを話し合う中で、「やはり和菓子屋を目指そう」との結論に達し、今日の柴舟小出のスタイルが確立した。


先代から受け継がれるモラロジーの教え
(株)芝舟小出 小出進社長 会社は、個人のものではなく公のものとの考え方に立って経営することが大切であり、これを自分のものと思うと我欲が出て儲けることが先に立ってしまう。適正な利潤の確保は事業を支えていくには必要なものであるが、その前に、世の中に役に立つ会社になるにはどうすればいいか、これが同社の会社経営の大前提にある。

 「大勢にはよきものと悪しきものあり、大勢に逆らうものは滅び、順応するものも滅ぶ、順応しつつ真理を守るものは残る。」との教えがあり、真理つまり生成発展の法則を認めつつ、智恵を出し、創造して行くことが大切と教えられている。

「金沢のお菓子はいいですね」というキャッチフレーズは先代が作ったものだが、わが社を含め金沢にあるお菓子屋さんが、より美味しいお菓子を作ることで金沢の評価が高まり、金沢が名実共に菓子処金沢として評価される、そのことに努力していこうという意味が含まれており、最初に柴舟小出ありきではない。


菓子作りのこだわり・・・地産・地消のさきがけ
 よい原料を選び、その材料の持っている特性を引き出すこと。徹底的にいい原料を求めて常にアンテナを巡らせている。そうした日々の取り組みの中から、地の物でいいものがあれば積極的に使うようにしている。

 最近でこそ地産・地消という言葉をよく耳にするようになったが、実は同社ではそのはるか以前から、加賀丸芋を上用饅頭の原料として使っている。その頃は地産・地消という言葉すらなかった時代。丸芋の場合は、ドライフリージングをかけて粉にしたものは上用饅頭に用い、生のものは上生菓子の練りきりや山野草のかるかんに使っている。
 その次に取り組んだのが能登の大納言である。丹波の大納言や北海道の大納言と比較すると味は少し薄いものの、その持ち味を活かした菓子づくりを模索し、今では100袋あまりの量をコンスタントに仕入れているという。
最近では、マスコミ等で盛んに取り上げられた金時草粉末の食品への応用を県と共同研究し、金時草の粉末を混ぜた餅を開発しており、意欲的に取り組んでいる。もちろんこうした地の材料を使って菓子に仕上げるには、涙ぐましい努力の繰り返しと失敗の連続の中から商品が生まれている。

 今、金時草粉末の新しい用途として、洋菓子のケーキに応用できないか試行錯誤を重ねているところで、近日中に和風シフォンケーキとして店頭に並ぶかも知れない。


新商品開発は日々の命題!?
 「お客様に喜んでいただけるように、お店に来て楽しんでいただけるよう、そんな思いから次々と新商品を創り出すことが、ある意味、わが社の宿命のように感じている。より美味しいものを、更にもっといいお菓子を、との思いがついつい強くなる」と言う。

 看板商品である柴舟は戦後ずっと変わることはないが、その周辺商品については、常に変化させていきたいという。常に新商品を創り出すのも至難の業と思えるが、「お菓子のベースは変わらないわけで、あとは材料をどう組み合わせるか、それだけのこと」と淡々と語る。
 例えば、季節的なものでは、日本古来の節句に因んだ伝統的なものをお菓子に置き換えるとどうなるか、春の七草をお菓子でどう表現するか、またそうした日本の昔からの風習を子供たちにどう伝えていけるかとの思いから節句菓子を創り販売している、まだまだ認知されていないがいつかきっと話題となると考える。
日々に作る生菓子がいつしか評判になり、そして進物用として箱詰めされてギフト商品となった。ついついたくさん売りたいために、どうしてもギフト中心の品揃えになりやすい、売り手は日々の生菓子に意を尽くすことを忘れがちになる。ギフト商品であっても原点は忘れてはならないと思う。

 最近は、特にお客側もありきたりのお仕着せの詰め合わせではなく、自分の贈りたい物を詰め合わせて自分流のギフトにしたいという欲求が強く、そうした要望にも早くから対応している。


接客・社員教育にも力を注ぐ
 「感動を与えようとしてもなかなか出来るものではない。先ずはお客様に喜んでいただくことが販売員の最も重要な仕事」と小出社長は強調する。

 いつもやっていることが、それでいいということはない、目指すはホテルのコンセルジュのような応対、そのレベルになるまでには、様々なことを知っていなければならず、お客のあらゆる要望に応えられるまでにレベルを向上させるべく日々邁進している。
 同社の正社員は約100名、パートは約30名、その中で直接販売に携わる店頭のスタッフに対しては定期的に社員研修を開催している。今は次の時代を担う若手社員を中心に力を入れているとのこと。


全日空の機内茶菓に採用される
芝舟小出の菓子が、全日空の機内茶菓に採用された。 柴舟小出の菓子がANAで採用昭和50年代に柴舟が全日空の機内茶菓に三か月ほど使われたことがあった。
ただ、今回の機内茶菓への採用にあたっては、そうした経緯を全く知らない全日空の客室担当者から「機内で提供するお菓子を探しているのですが、協力してもらえますか」と電話があったという。

 後日同社を訪れた「地方色を出せるものをやりたい」という担当者の要望を受け、社内にプロジェクトチームを立ち上げ、何を詰め合わせればいいか、金沢らしさ、楽しさをどう表現すればよいかをポイントに検討し、写真のようなパッケージに仕上げた。

 10月末から2週間と来年2月に2週間、国内線の全スーパーシートで提供され、約2万箱が出荷される予定である。同社のPRはもちろんのこと、金沢の菓子文化の奥深さを全国の人に発信する大きなチャンスでもあり、「こんな形で貢献できることは大変嬉しいことで、さらに頑張りたい」と力を込める。


お客様会員くらぶ「此の木倶楽部」
毎月一回、8月・12月を除く最終日曜日に横川本店と駅西店に訪れた会員顧客に対して、抹茶とその日限定の季節の創作菓子でおもてなしをしている。
また、ポイントが500ポイント貯まると500円分のお菓子と交換でき、1000ポイント以上でお菓子教室や各種イベントへの参加特典がもらえ、2000ポイント以上貯めると誕生日にオリジナルのお菓子がプレゼントされる。
此の木倶楽部の現在の会員数は約10,000名あまり、小出ファンのネットワークを活用することで、いろんな可能性が考えられ、さらに広げて様々な活動を展開したいと目論んでいる。


野町本店を新築し、来年1月オープン予定!
 前面が木目のコンクリート打ちっ放しで、中庭があり、暖簾をくぐって中に入って行くと、奥まったところに店舗がある、従来と違った店の造り、これが新しい野町本店である。店の中には畳の部屋を配し、中庭を眺めながらお茶を飲むことも出来る。
 奥には小さなギャラリーコーナーもできる。店舗の幅が狭いことから、従来のような対面接客ではなく、お客が自由にケースの周りを回遊する形の店になる。売ろうとする店ではなく、訪ねてきてもらう店がコンセプト。
 将来的には2階部分を活用することも視野に入れている。「入りにくい店は絶対駄目」と言い続けた先代のタブーに敢えて挑戦する小出社長の新たな試みが形として現れる。


金沢ブランド構築の一翼を担う・・・
柴舟小出本店の店内 柴舟ブランドを永遠に継承していく姿勢に変わりはない。
「金沢のブランド力を高めていくためには、我々の業界で言えば、金沢の個々の菓子のレベルを高めていかないと金沢全体の菓子のレベルが上がらない。次の時代がどんな時代になるのかは分からないが、専門化・特化させた強い部分を持ちながら、お客様にどう評価していただけるのか、その意味で今あらゆる面で整理しながら次の時代に向けての基盤づくりに努めているところ・・」と熱く語る。

 北陸新幹線開通も大きなチャンスになる。同社は、100周年に向けて、企業体質の強化、人づくりに力を入れ、世の中の流れの中での金沢の位置づけ、金沢における柴舟小出の位置づけがどうなっていくか、そうした先を見据えながら日々邁進する柴舟小出が金沢にある。


商 号 (株)柴舟小出
創 業    大正6年
設 立: 昭和25年 有限会社設立
      昭和60年 株式会社設立
資本金   4,500万円
従業員数   98名(パート含まず)


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