<商い益々繁盛店>羽二重豆腐(株)(金沢市)

石川県産業創出支援機構(ISICO)では、石川県内で頑張っている繁盛店を取材し、商い益々繁盛店としてご紹介いたします。


石川県の繁盛店をご紹介!<商い益々繁盛店>
「羽二重豆腐」~美味しさをより多くの人に届けたい

商い益々繁盛店「羽二重豆腐」~美味しさをより多くの人に届けたい

 大正12年、冷蔵庫業、凍豆腐の製造で創業した羽二重豆腐(株)は、現在では乾燥品のこうや豆腐だけでなく、豆乳・豆腐や油揚げを素材とした、がんも・いなり・サンド・ハンバーグ・コロッケなどのさまざまな冷凍食品を手がける食品メーカーに変貌しつつある。
 大豆の持つ良さを生かした同社の製品にかける思いを藤原英二社長に伺った。


あゆみ
羽二重豆腐(株)藤原英二社長 大正12年に越桐弥太郎氏が冷凍業及び一夜凍豆腐の製造を始めたのが同社の創業である。昭和31年、羽二重豆腐に社名変更、翌年、創業者の死去を受けて長男・越桐芳一氏が社長に就任し、こうや豆腐だけでなく冷凍食品の分野へも事業を拡大する。
 金沢で生まれ育った人間には馴染み深い「味だし付き羽二重こうや豆腐」は当時の看板商品である。

 平成8年、芳一氏の死去を受けて葉子夫人が社長に就任し、職場環境の改善ならびに生産の省力化・効率化を図り、食品衛生管理の徹底を図るためHACCP推進委員会を発足させる。
 13年に葉子氏が会長に、娘婿の藤原英二氏が社長に就任。藤原氏は社長就任直後から豆乳を活用した新開発商品で新たな事業展開に挑み、その努力が実を結び成果が徐々に目に見える形となってきている。


現状を把握することから・・・
 NTTデータでソフトウエア開発を担当していた藤原氏が、義父の会社とはいえ、全く畑違いの食品会社のトップに就任して5年目を迎える。「正直言って、戸惑いはあったものの、日々の生活に身近で、身体に良い食品製造の仕事に携わることへのやり甲斐の方が大きかった。まずは現状を把握することからはじめ、私に求められていること、私がこれまでの経験で得たものをどう生かせるか、それがスタートだった」と就任当時を振り返る。

 市販のこうや豆腐中心の商いだった時代から、徐々に大豆を素材とした関連製品であるがんも、油揚げと生産品目の幅を広げ、今では冷凍食品としての惣菜系食品が5割、冷凍油揚げ3割、冷凍がんも2割、乾燥品の凍豆腐1割という生産比率に様変わりし、商品アイテム数は約300種類にのぼる。


食品の安全・安心への取り組み
機械化された製造工程 同社では、平成12年に食品の衛生管理の徹底を図るためHACCP推進委員会を社内に設置。HACCPの基本的な考え方に則り、安全で安心な食品を提供できるよう各工程での管理はもちろんのこと、原材料受け入れ時の品質管理、さらに遡って原料のトレーサビリティー(生産履歴)もチェックしている。

 原料の大豆は一部国内産も使用しているが、大部分はカナダから遺伝子組み換えでない証明書付きのものを輸入している。1ヶ月に約40tの大豆を使用し、凍豆腐は1日に2万個、冷凍食品は1日に4万食(60g換算)、冷凍がんもは1日に15万個(25g換算)を生産している。

 将来的には、品質管理、生産工程管理、製造設備などのさらなるレベルアップを図り、食品工場としてHACCPの認定を受けることを目標に掲げている。合わせて品質管理のISO22000の取得も今後の課題の一つと捉えている。


北から南まで全国に販売
同社の冷凍食品見本 同社は、北海道(札幌)、東京、大阪に営業拠点を設け、北海道から九州まで、全国に幅広く冷凍食品を販売している。
 主な納入先としては、病院や介護施設などでの医療食、学校給食、産業給食といわれる企業の食堂や弁当製造業者、地元では有力メーカーの寿司弁当に使われているがんもは大部分が同社の製品である。
その他、旅館やホテルの朝食バイキングの和食材料やデパートの味付惣菜など、和食を見直す時代の流れに沿って、その用途は年々広がりを見せている。


豆乳がんもがヒット!
がんも生産ライン 時代の流れが固い商品より柔らかい商品に向かっている中で、従来の豆腐から作るがんもは歯ごたえがあるのに対して、豆乳から作ったがんもはソフトな食べ心地で、味もおいしいことから最近売上を伸ばしている。

 そもそもこの豆乳がんものアイデアは、同社の研究開発室の川島室長が長年温めていたもので、いろいろと試行錯誤したものの上手くいかず、開発が頓挫していた。藤原社長の代になって、再びチャレンジして現状の豆乳製造ラインでも生産できるように工夫すると共に、一部新しく豆乳冷却プラントを導入して豆乳を利用した新商品開発に取り組み、長年の懸案であった豆乳がんもの製品化にこぎつけることができた。

 「世の中で飲む豆乳が伸びており、健康イメージの高いものだけに、今後もいろんな商品に豆乳を使っていきたい。すり身の中に豆乳を入れることで魚臭さが緩和され美味しく食べられる商品に仕上がることから、そうした展開も徐々に広げていきたい」と意欲的だ。


営業面での方向性
こうや豆腐生産ライン 既に同社が手がけている医療食関連分野は、シルバー世代が増えていく時代にあって、大豆を中心とした和食は、健康な人はもちろんのこと、病院や介護施設において今後さらに需要が伸びていくことが考えられる。
 そうした層に向けての販路開拓、新商品開発がこれからの重要な課題であることは間違いない。と同時に、そうした世代の人たちは昔食べた懐かしい味、食品には特別の思い入れがあることから、豆腐、納豆、がんもなどの大豆製品は受け入れてもらいやすい食品である。

 これからもさまざまな新商品が開発されていくことだろう。業務用卸の分野だけでなく、市販のスーパーや小売店への売り込みについて伺うと、「スーパーの店頭に並ぶ冷凍食品は価格競争が激しく、生産量も桁違いに大きいことから、地方の小規模なメーカーの商品を店頭に並べてもらう段階にまで持っていくことは至難の業であり、市販よりも業務用卸にシフトせざるを得ない」と地方の中小メーカーのジレンマを垣間見る。
 「とはいえ、凍豆腐を店頭に置いていただいているお店やスーパーに対しては、これまでのつながりを活かし、小規模なメーカーなりの特徴とこだわりを活かして、少しでも多くの商品を扱っていただけるよう努力していきたい」と力を込める。

 昨年、同社はホームページを公開した。新規の顧客に会社並びに製品の数々を知ってもらうためのツールとして、さらにはリクルートの面でも会社をPRするツールとして、「ホームページで自社のポテンシャルを表現していきたい」と意気込む。


金沢発、金沢ブランドの活用
 これまで長年にわたって金沢で生産した食品の数々を全国に販売してきた同社だが、特に金沢にこだわった営業はやってこなかったようだ。パッケージにもそうしたアピールは全くしていないのが現状。
 その点について伺うと、「ナショナルブランドで安く大量に作る商品との差別化を明確にする上でも、地域の個性をアピールしていく上でも、これからは金沢を前面に出した取り組みが不可欠だと考えています。何よりも水質の良い白山水系の伏流水をくみ上げて製造過程で使用していることから、そうした商品のこだわりも積極的に売っていくことがこれからの重要なキーワードになると感じています。」と今後の課題として認識を新たにする。


トップとして
 「自分が考えたことをやってみることが出来るというおもしろみがある反面、思っていてもなかなかそこに到達できない難しさ、自らの力不足を感じる時は、経営者の大変さを実感しています。とはいえ、我々が製造した食品を美味しいと満足して食べていただけることが何よりの喜びであり、諦めず逃げずに挑戦し、高い目標に向かって邁進していくことで、峠を越えたところで目の前がパッと広がる瞬間があると思っています」と自らに言い聞かせるように語る藤原社長は、自分が行うべきことと、部下に任せる部分を明確にし、可能な限り任せる方向へシフトしていく考えだ。


創業100周年に向けて
 「まだ100周年までには20年近くありますが、基本的には大豆食品の持つ良さにこだわり、それ以上広げることはありません。事業規模の拡大よりも当社のお客様に喜んでいただける商品を提供し続け、商品の価値を分かっていただくことで、結果として当社の利益も増え、社員の働く環境も様変わりさせることができるかと思っています。HACCPやISOの認証を取得し、名実共に安全・安心な食品メーカーとしての地位を確立させるとともに、世界に認められるブランドとなる礎を築きたい。」とトップとしての舵取りにかける情熱がひしひしと伝わってくる。

商 号: 羽二重豆腐(株)
本 社: 金沢市西金沢2-162
創 業: 大正12年
設 立: 昭和28年
資本金: 4,000万円
従業員: 101名
年 商: 約28億円(16年)


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