伝統工芸の販路拡大:ネット販売で反転攻勢「和座本舗」(九谷焼販売)

このたび発行された、(財)石川県産業創出支援機構の情報誌『ISICO』28号掲載記事より、伝統工芸・九谷焼のネット販売で注目を集める、和座本舗の西田上さんのインタビュー記事をご紹介します。

九谷焼販売「和座本舗」代表の西田上さん。(伝統工芸の販路拡大)
ネット販売で反転攻勢
作家の発掘など、九谷焼をプロデュース
和座本舗(九谷物産(株)能美市寺井町/九谷焼販売)


(左写真)
コレクション性の高い商品づくりも今後の戦略のひとつ。
西田代表が手にしているのは季節限定生産で人気があるチビ招き猫・桜吹雪バージョン。


伝統工芸品の販売不振が叫ばれて久しい。そんな中、ネット販売に活路を見いだし、順調に売り上げを伸ばしているのが九谷焼の販売を手がけるネットショップ和座本舗である。
同店の西田上(じょう)代表に、ネットを活用した伝統工芸品の販路開拓について聞いた。


興味を持つ人に直接アピールしたい
和座本舗ホームページ「和座本舗」では自社サイトのほか、大手ショッピングモールの楽天市場、Yahoo!ショッピングにも出店し、現在3店舗を運営している。ネット通販による年商は5,500万円で、会社全体の8割を占める。
今年3月には、特定非営利活動法人全国イーコマース協議会が主催する「1000人の店長が選んだベストECショップ大賞2006」で大賞に輝いた。

 消費者はもちろん、同業者からも認められる人気ショップのオープンは平成12年3月のことだ。
ショップの母体は昭和44年から九谷焼を販売してきた九谷物産である。法人向けギフト商品のカタログ販売を主力としてきた同社は、バブル以降、売り上げが低迷。「売れないところでもがくより、売れる市場に出て勝負したい」。西田代表はそう考えてネット販売に乗りだした。

確かにそれまで営業対象としてきたデパートや百貨店には大勢の来客がある。
しかし、食器、それも九谷焼が目当てとなれば、それはほんの一握りに過ぎない。それならば食器や九谷焼を探している人と直接コミュニケーションできるネットを活用しようというわけだ。


自らの言葉で商品の魅力を語る

 当時から伝統工芸品はネット販売に適さないと言われていたが、西田代表は「九谷焼の魅力は絵柄やデザイン。実物を手に取らなくても買ってくれる」と考えていた。
 そこでネットショップには、忠実な色の再現、商品の立体感などを念頭に自ら撮影した写真を、商品1点につき3~4点掲載した。合わせて、作家の情報やこだわり、商品の背景にある物語性を自身の言葉で紹介した。どちらも、スペースの限られた紙のカタログでは難しかったことだ。
 さらに、一度利用してくれた顧客と太く、長く付きあうため、メールマガジンを頻繁に発行するなど、継続的に商品情報を提供。顧客が増えてくると、購買力に応じてセグメントし、それぞれのニーズに応じた情報を発信し、購買意欲をより刺激した。
 こうした取り組みが実を結び、一度買ってくれるとほとんどの人がリピーターになってくれた。メルマガの登録者数は現在、55,000人を数える。


窯元に市場ニーズを提供 若手作家にもチャンスを

売れる商品を作るため、西田代表は和食器プロデューサーとしての役割も発揮している。
例えば、老舗の窯元に市場のニーズを汲んだデザインを提案して新作を作ってもらったり、サイト内では、技術のある若手作家にスポットを当てている。また、数ある商品の中から季節に応じて茶碗や皿、湯飲みなど、複数のアイテムをコーディネートし、セット商品として提案することもある。

ネットショップの運営が軌道に乗った今、これからのビジョンとして掲げるのは、実店舗のオープンだ。
九谷物産では2年前、能美市内にあった店舗を閉めたが、顧客の多い東京や大阪にアンテナショップを出すことで、ネットショップとの相乗効果を狙う。

また、ネットで成功した手法で、既存のカタログも再生できないか検討中だ。
九谷焼をいかに販売するか。西田代表は「和座本舗」のブランド確立に今日も思いを巡らせている。


和座本舗(九谷物産(株))
■所在地: 能美市寺井町レ88
■TEL:  0761-57-2121
■代表者: 西田 上
■設立: 昭和44年11月
■資本金: 1,430万円
■従業員数: 5名
■事業内容: 九谷焼販売
■URL:
 和座本舗 http://www.wa-za.net/
 和食器のセレクトショップ和座(楽天店) http://www.rakuten.ne.jp/gold/kutani/
 和座倶楽部(Yahoo!店) http://store.yahoo.co.jp/waza/


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