「輪島の水羊羹」【週刊ウンチク】

輪島市 中浦屋の水羊羹

お店ばたけ 週刊ウンチク
第280回(2006.8.17)
「輪島の水羊羹」
提供:柚餅子総本家中浦屋 沖崎まり さん

◆輪島の水羊羹について、輪島銘菓「丸ゆべし」 柚餅子総本家中浦屋がお話しします。

◆輪島の水羊羹

能登輪島の冬の代表菓子、水羊羹。(夏も販売しています)皆さまはじめまして。能登 輪島市で和菓子の製造・販売を行っている、柚餅子総本家中浦屋の沖崎です。
今回は輪島の風物詩についてお話させていただきます。

水羊羹と言えば全国的に夏のお菓子として知られていますが、輪島では冬を代表するお菓子です。
では、どうして輪島では冬のお菓子なのでしょうか。素朴な疑問にお答えします。

水羊羹の原料となるのは小豆です。小豆の収穫は晩秋(10月中旬から11月)に行なわれますが、新小豆は皮が柔らかく風味も豊かです。昔の人はこれを知っていて水羊羹を作って食べる事を楽しみにしていたのでしょう。
また、質素な生活が強いられた時代、冬に不足しがちな栄養源を小豆で補うとともに家族が満腹感を得られるよう、水羊羹にして、少量の小豆を効率よく使ったとも言われています。

ここからは菓子屋のウンチクです。
輪島の水羊羹はツルツル・サッパリという食感です。
これは、砂糖を少なくして糖度(食品全体量に対するの砂糖の割合)を低く抑えているためです。
砂糖には甘味だけではなく、食品を保存する性質がありますから、砂糖が多ければ多いほど長持ちするということなのです。
輪島の水羊羹は砂糖が少ないことから、気温が低い冬でもあまり日持ちがしません。これを気温の高い夏に作るとなると、朝作った水羊羹が夕方頃には臭うほど劣化が進みます。
このことから解るように、冷蔵庫などの冷蔵保存技術が無かった時代には、水羊羹は冬しか作れなかったのです。商売ではなく、家庭で育まれてきたことから、工業的技術の導入も遅れたのかもしれません。

木製の羊羹舟何処の地域でも水羊羹は冬のお菓子だったと考えられますが、保存技術や包装技術の発達とともに、サッパリとした夏の水菓子として食べられるようになりました。
そんな流れとは異にして、石川には古い文化や季節感を大切にする地域性がありますから、輪島でも水羊羹は、冬を代表するお菓子として人々に育まれ、守られてきたのでしょう。
(左画像・・・「羊羹舟」 古くは木でできた羊羹舟に水羊羹を流し固めていました)

柚餅子総本家中浦屋では、夏でも冬の製法そのままに冷蔵した水羊羹を販売しています。また、輪島市と門前町の合併を記念して、蕎麦餡の水羊羹も製造販売いたしております。
いずれも、柚餅子総本家中浦屋店舗(輪島市)にて販売しております。どうぞ、ご賞味くださいませ。

◆リンク集
・輪島名物「丸柚餅子」、柚子ドリンク「柚子香」など・・・柚餅子総本家中浦屋Webshop
・柚餅子総本家中浦屋の最新情報、茶房「輪風庵」の情報など・・・中浦屋BLOG柚子の花