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2006年10月27日

<商い益々繁盛店>(有)ジョアン (金沢市)

石川県産業創出支援機構(ISICO)では、石川県内で頑張っている繁盛店を取材し、商い益々繁盛店としてご紹介いたします。


石川県の繁盛店をご紹介!<商い益々繁盛店>
<商い益々繁盛店>(有)ジョアン オリジナル角パンと持ち前の感性でファンを掴む


(有)ジョアン

昭和63年、金沢市三ツ屋町に本店を構えて以来、類まれな感性と看板商品「角(つの)パン」でファン客を増やし、今年6月、2店舗目となる野々市店を野々市町役場前にオープンさせたのが、フレッシュベイク ジョアンを営む藤沢謙聖社長である。独学でパンづくりの技術を身につけた藤沢氏に成功の秘訣を伺った。

●人生を決めた角パン
藤沢謙聖社長(右)と藤沢康弘店長羽咋市にあるパン屋でアルバイトとして職人の手伝いをしていた若き日の藤沢氏にとって人生を左右する出来事が起こる。2年あまり経ったある日、その職人が突然辞めてしまったため、自らがその後をやらざるを得ない状況に直面する。藤沢氏27歳の時である。「食べることは好きだったし、料理も作っていたが、パンはそんなに好きじゃなかった」と苦笑する。職人の下で2年余り仕事をしたとはいえ、補助的な手伝いをしていただけでパンづくりの知識はゼロに等しかった。それでも専門書を読みあさり、独学でパンづくりを身につけていったという。唯一、その職人から残り生地で作る角パンの作り方を教えてもらっていた。「このパンがなかったら多分パン屋を自分でやっていなかったと思う」と語るほど藤沢氏にとって角パンはインパクトがあった。

●角パンとは
一番ナンバーワンのつのパン角パンの生地は他のパンと何ら変わらない。ただ、通常のパンは成形した後しばらく発酵させ、それから焼くのに対して、角パンは生地の段階で予備発酵させておき、成形するとすぐ窯に入れて焼くという違いがある。それによって独特の硬さ、モチモチ感、歯ごたえが生み出されるのだ。「難しいのは、牛の角をかたどったこの成形ですよ。これがなかなか簡単にはできないですよ」と企業秘密を匂わせる。売上に占める角パンの比率は12%と最も存在感を示す看板商品である。それだけに、品切れになっても10分程で焼きたてを随時提供できる体制を整えている人気ぶりだ。


●同じ商いをするなら金沢で
角パンを看板商品に、独立して商売を始める決意を固めた藤沢氏は、羽咋市内は地価は安いものの、機械設備や建物にかかるコストはどこでやっても同じ、それなら田舎よりも人口の多い金沢市に出て商売をした方がやり甲斐があると考えるようになった。早速、金沢で有名なパン屋をくまなく回って食べ比べてみた。「実際に買ったパンを食べてみて、これなら自分が金沢で勝負しても最低限度は食べていけるだろうと意を強くした」と当時を振り返る。金沢に出店することは決めたものの、良い場所は高くなかなか店を出す具体的な場所が決まらないままでいた時、問屋の展示会が流通会館であり、その時に金沢市三ツ屋町にテナント募集の看板が出ているビルがあることを耳にする。早速見に行き、多少の不満要素はあったものの即決。18坪のテナントで5坪を店舗スペースに、残りは厨房として夫婦二人三脚の商いがスタートする。意気揚々と開店したものの、分かりにくい場所だったこともあって、当初はなかなか客が来なくて苦労したようだ。店のマークになっている自慢の角パンも「この変なの何?と言われる有様で、これは食べてもらうしかないと思い、お客さんに1本ずつサービスしたんですよ」と当時を振り返る。そんな努力の積み重ねで徐々に角パンのファンが増えていき、1年あまり経つと商売も軌道に乗りはじめ、角パン目当てのお客様が来店するようになった。

●手作りにこだわる
当時のパン屋では、クリームパンに使うカスタードクリームは既製品を使っているところが多かった。そこで、他店との差別化を図る手段として、まず自家製のクリームを炊くことから始めた。やむを得ず既製品を使う場合でもそのままではなく、ひと手間かけることで、味に自己主張を持たせることを常に心掛けた。そうした目に見えない部分の日々の努力によって、時間をかけて顧客の舌にアピールし、ジョアンのファンが増えていったことは言うまでもない。近年、喧伝される自然志向、無農薬栽培の野菜を使うことも何度か試みるも、安定して確保できないことや、実際問題として全て無農薬の小麦粉、砂糖、塩、油脂、牛乳を提供できるかとなると非常に難しく、価格が高い割には美味しいパンができないという現実に直面したことから、可能な限り添加物の少ない安心・安全な食材を選び、全て手づくりにこだわっている。

●手積みの石窯でパンを焼く
美味しいパンが並ぶ野々市店のトレードマークでもある石窯は、はるばるスペインから職人を呼び、この場所で煉瓦を積んで造り上げた、ここにしかない石窯である。「石窯は手作りだけに、出来上がってみないとどんなパンが焼き上がるか分からないというリスクもありましたが、幸いにして非常に良い石窯に仕上がりました。コスト的には機械窯の2~3倍も高くついたものの、価格以上の付加価値があるだけに、どうしても石窯にしたかった」というこだわり。野々市店は敷地が700坪あることから、当初喫茶店やレストランという思いが頭を過ぎらないわけではなかったようだが、「考えれば考えるほど、基本はパン屋、私はパンしかできないのだからこれからもパン屋でいこうと決めた」という。敷地が広く駐車スペースがゆったりと取られた店舗は、自慢の石窯がアクセントになり、一見ペンションかと見まごうばかりである。店の外には洒落たテラスが設けられ、そこで無料のコーヒーを飲みながら焼きたてパンを食べられるのも一つの魅力になっているようで、カップルや親子、友人同士が心地よい秋の日差しを浴びながら談笑している姿が見受けられる。

●愛弟子は良きライバル
藤沢氏がこれまでに育てた職人は10人あまり。既に小松、金沢、七尾、新潟で同店から独立して頑張っている愛弟子がいる。「独立するまでは手取り足取り教え込んでいましたが、独立したその日からは良きライバルですよ。少なくとも彼らにはまだまだ負けられない」と自信を覗かせる。

●地道な商いで、目指すは地域一番店
ジョアン店内
「経営は常に前向きに、商いである以上はしっかり利益を出していくこと。利益率が悪いと新しい機械も買えないことになってしまいます。常に現状に満足することなく、日々新製品を創り出すための感性を研ぎ澄まし、お客様の声を商品開発にも反映していけるような仕組みづくりも考えていきたい。さらにはホームページを充実することで、常に新しい情報を顧客に発信していくことにも努めていきたい」と藤沢氏の夢はまだまだ留まるところを知らない。次なるステップに向けて「今は投資の時期」と捉え、職人の育成を最重要課題に掲げる。

■インタビューを終えて・・・
角パンとの出会いでパン職人の道へ入り、持ち前の感性と経営センスで階段を一歩一歩着実に登り、ジョアンファンを増やしてきた藤沢氏。ご子息も加わり、これからのジョアンのパンづくりが益々楽しみである。

ジョアン店舗
商 号 (有)ジョアン
所在地    金沢市三ツ屋町ロ2-3
設 立    昭和63年
資本金 300万円
年 商 本店1億5千万円 野々市店は初年度3億円を見込む
従業員数 50名(パート含む)
野々市店 野々市町字三納30街区1(野々市町役場前)

投稿者 お店ばたけ事務局 : 2006年10月27日 16:56

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