<商い益々繁盛店>KOKON(金沢市)

石川県産業創出支援機構(ISICO)では、石川県内で頑張っている繁盛店を取材し、商い益々繁盛店としてご紹介いたします。

石川県の繁盛店をご紹介!
<商い益々繁盛店>KOKON(金沢市)


ココン こだわりのオリジナルブランド靴が顧客の心を掴む

平成に入った頃から、個性的なショップが点在するようになった金沢・新竪町通り商店街。その中程に、こだわりのオーダーメイド靴を専門に扱うショップ「KOKON」がある。長く愛用できるオリジナルブランド靴を看板商品に、開店から10年あまりで、オーダーメイド靴の世界では知る人ぞ知るショップとしての地位を確立した小紺浩良社長に、商いのこだわりを披瀝願った。

●本物の靴を商うことに目覚める
学生時代からリーガルに代表されるトラディショナルなファッションに興味があった小紺氏は、たまたま友人から竪町でリーガルの靴を扱っている店がスタッフを募集しているとの情報を得て、勤め始めたのがこの世界に入ったきっかけである。「その時点では、具体的に将来の計画を持っていたわけではなく、接客業に携わる人間として、お客様から信頼され、それに応えられる仕事をしたいと漠然と思っていた」と振り返る。就職した店が、リーガルを始めとしたこだわりの靴を扱い、顧客も一家言ある人が多かったことから、長いスパンで靴を大切に愛用する顧客との交流が増えていった。世の中が使い捨ての靴にシフトしていく時代にあって、自らはその考え方に馴染めず、本物を長く大切に履いてもらう、そんな商いをしたいと思うようになる。

●納得できる商品で自信の持てる商いを
小紺浩良代表13年あまりの靴店勤務を経験し、「やはり自分は本物を愛する顧客に本物の靴を提供する店を持ちたい」と独立を決意する。独立に向けて信用金庫から資金融資を受ける。「その頃の新竪町は人通りも少なく、商売をして大丈夫なのかとの声もあったものの、当時の支店長さんが『新竪町はこれから伸びていく街だから応援したい』と言って下さり、資金のめどが立った」と述懐する。当初の品揃えは、アメリカのアレンエドモンズ(39,000円~)とその取扱商社がオリジナル展開していた靴(20,000円~)、アンビィオリックス社のエンバシー(29,000円~)の3ブランドを中心に、まだまだ少ない品揃えではあったが、商品に自信の持てる商いがスタートしたのである。「エンバシーは6足からオーダーできたため、注文が1足しかなくても、あと5足は自分で売る覚悟で店頭に並べました。どういう靴が本当に良い靴なのか、自分自身が現場に置いて、買ってもらい、履いてもらって、どうだったのか、それをお客様と共に日々勉強してきました」と熱っぽく語る。

●オリジナルブランド「KOKON」誕生
KOKONハンドメイド靴開店して3年余り経った頃、一流ブランドの靴メーカーでもリストラが断行され、希望退職した若手社員が工場とのつながりを活用し、オリジナルブランドの靴を作らないかと持ちかけてきた。小紺氏にすれば、願ってもない話であったが、その一方で、本当に納得できる靴ができるだろうか、信用し切って大丈夫だろうか等々、さまざまな不安が過ぎり、どうしたものかと自問自答する葛藤の日々が続いたという。時間をかけて熟慮を重ねた結果、このチャンスに賭けてみようと心が決まり、自社ブランドの在庫を持って商売する道を選択する。出来上がってきた靴をお得意様に実際に履き、様々な観点から問題点や改良すべき点をアドバイスしてもらい、その意見を正確に工場にフィードバックし、適時必要な改良を加えるという地道な努力を積み重ねた結果、ようやく納得できるKOKONブランドの靴を完成させることができた。「お客様が履いてみて満足していただけるかどうか、それが心配なのです。お客様を満足させられる商品を用意できないことほど、商売人として情けないことはないわけで、満足していただけるかどうかが僕の勝負なのです。」と重みのある言葉が返ってきた。

●原料の革から買い付け、徹底したこだわりを貫く
「私は自分で革を買い付けして工場や職人に発注しているので、工場や職人サイドに負担がないのです。革には良いところと悪いところがあります。KOKONの場合は、悪い部分の革は見本用の靴に使用したり、廉価で販売する物のみに使用するなど、革の品質管理を徹底しています。」と自信を伺わせる。材料となる革を買い付けることはかなりの負担となるが、それをすることで、お客様からすれば、ここへ来ればちゃんとしたものがあるという信頼にもつながっている。と同時に、そうでないと小紺氏も自信を持って顧客に商品を勧められないのだ。「工場にしても職人にしても私が学ぶことの方が多いのですが、私はこのお客様がこういう靴を求めているから、そのためになんとかこうできないかと伝えていく役割を担っているわけで、私と職人がツーカーの仲になればなるほど、お客さんにとって一番理想的な靴づくりができるのです」と楽しそうに語る。

●顧客の心を掴む接客に腐心
店内「お客様の痒いところに手が届くというよりも、さらに先回りして『あっ』と思わせる接客。あそこへ行ったらもう他へは行けないなぁと思っていただける接客が目標です。そんなスタッフを育てて、KOKONの輪を広げていくことができれば、あそこへ行けば間違いないし、何年も履けるから長い目でみたら決して高くないよと言っていただける存在になりたい。そんな大人の居場所のようなショップを目指し、靴や皮製品の世界における真の製造小売のプロでありたいですね」と顔を綻ばす。「お得意様の息子さんが大学に入る年齢になり、お客様であるお父さんが息子さんに3万円の靴を買ってプレゼントする姿を見ていて、これまでお世話になってきたお客様に少しでも恩返しができればと思い、学割制度を設けて19,800円の特別価格で提供しています。その息子さんが実際に履いてみて満足すれば、次は自分で購入するお客様になっていただけるわけで、そんな親子2代のファンが増えてくれればと願っています」と、商いの王道である損して得取るを実践している。

●夢の実現に向けひたすら精進
小物が並ぶ店内「製造・小売は職人の仕事が半分入っているだけに、これでいいということはなく、試行錯誤を繰り返し、納得のいくものを作るには10年はかかります。それでも、これだという靴ができれば、それで10年は商いができるわけで、まだまだ先は長いです。製造・小売をやっているおかげで、お客様から直接クレームをいただけることで、今日まで成長してくることができたと思っています。」と顧客と職人に対する感謝を忘れない。将来的には、KOKONブランドをフランチャイズまたは直営店の形で、店舗展開する夢を描いており、「自分のポリシーをお客様に正確に伝える接客と商品の魅力をアピールできる店づくりが実現できれば・・」との但し書き付きではあるが、東京・大阪・名古屋などに出店する日を思い描きながら、今日も靴と対話する小紺社長である。

■インタビューを終えて
文字通りゼロからスタートしたオーダー靴専門店を、持ち前のチャレンジ精神とチャンスを掴み取る運を味方に付け、並々ならぬ努力を積み重ねてきた結果が今日のKOKONであり、オリジナルブランドを成功させることの至難さを垣間見た思いだ。


KOKON靴商 号 KOKON
所在地    金沢市新竪町3-36
創 業    1995年
年 商 3,000万円
社員数 2人(うちパート1人)
HP http://www.kokon.sakura.ne.jp


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