<商い益々繁盛店>メルヘン日進堂(珠洲市)

石川県産業創出支援機構(ISICO)では、石川県内で頑張っている繁盛店を取材し、商い益々繁盛店としてご紹介いたします。

石川県の繁盛店をご紹介!
<商い益々繁盛店>メルヘン日進堂(珠洲市)


メルヘン日進堂 お菓子に夢と真心をこめて珠洲から全国へ

能登から全国へ、『おとぎの国メルヘン』の店名にて楽天市場に出店し、全国に自慢のバームクーヘンを発信。わずか2年の間に、楽天市場の銘柄別売上ランキング1位を何度も獲得している実力ショップが、珠洲市に本店を構えるメルヘン日進堂である。地方の菓子店がネットを活用することで、全国展開を現実のものとした日野知明社長にお話を伺った。

●3代目として洋菓子分野を開拓
日野知明社長創業から間もなく100年を迎えようとする老舗である。初代が大正2年に和菓子店を創業し、二代目となる先代が後を継いだものの、知明氏が高校1年の時に急逝する。高校を卒業すると、『これからは洋菓子の時代が来る』と直感し、東京の有名洋菓子店に修業に旅立つ。そこでたまたまバームクーヘンの製造に携わったことが、今日の原点である。最低5年は修業を続けるつもりでいたが、祖父を手伝っていた職人が辞めることになり、修業を始めて2年あまり経った昭和42年、故郷の珠洲に戻ることとなる。祖父は従来からの和菓子を担当し、日野社長は身につけてきたバームクーヘンを中心に洋菓子の製造を担当する二人三脚の商いがスタートする。「その当時はバームクーヘンといってもほとんど知名度がなく、なかなか売れませんでしたから、祖父の和菓子作りを手伝いながらいろんなケーキを並行して作り、商品のバリエーションを独学で少しずつ増やしていきました。本格的にバームクーヘンが売れるようになるまでには10年近くかかりましたかねぇ」と苦笑する。「40年代は、松本清張の『ゼロの焦点』で火が点いた能登観光ブームで、観光バスが到着すると昔ながらのいも菓子が飛ぶように売れた時代で、洋菓子よりもいも菓子づくりに精を出していましたよ」と述懐する。独学で洋菓子の勉強を続け、10年あまりの歳月をかけて、見事、洋菓子の技能検定1級に合格している。

●インターネットが新たな市場を開拓
祖父と二人だけで2年あまり頑張り、その後は徐々に職人を増やし最盛期には15人あまりを抱えるまでになった。ところが、バブルが崩壊し、売上が思うように伸びなくなったため、それまで構えていた支店を閉鎖し、本店1店舗主義、やむなく社員も10人に。支店を閉めたことで売上が落ちる分をインターネットで補うことを考え、日野社長自らが担当し2年前に楽天市場に出店。今では月最高430万円を売り上げるまでに成長している。「出店した当初、バームクーヘンの部門に出店している店がほとんどなかったことも幸いし、早い者勝ちで知名度を上げることができ、そのおかげで週間MVPも獲得できたと思っています」と謙虚に語る。今ではかなりの同業者が参入してきており、出店したタイミングも同店に味方したと言える。現在のネットを通じての顧客は、2万5千人を数えるまでになっている。「将来的には、これを5~6万人に拡大し、安定した得意先にしていきたいと考えています。店頭での売上は人口減少に歯止めがかからないこのご時世では、あまり期待できませんから」とは言うものの、「楽天市場で売れていることが話題になり、テレビや雑誌等にも取り上げられることが多くなり、相乗効果で来店されるお客様や、新しいビジネスにつながりました。帰省時期は、土日になると金沢からわざわざ買いに来られるお客様もおいでます」と人気のほどをうかがわせる。

●無添加にこだわる
バウムクーヘン「味に関してはどんな有名店にも負けない自信があります。防腐剤や人工的なものは一切加えず、素材そのものの味を大切にした無添加が売りです。バームクーヘンの場合は何回も焼いて形成するため、無添加でも2週間は日持ちします。」現在、10種類あまりある各種のバームクーヘンは、ネットショップを専門店化する意味合いから、健康志向のごまや抹茶、チーズ、チョコレート、虹色バームクーヘンなど次々と商品開発したもの。「店頭では、せいぜい1,000円から2,000円のバームクーヘンが売れ筋ですが、ネットでは5,000円や10,000円のウェディングケーキのように重ねたものが売れるのには驚きました」と、作った本人も舌を巻く。そうした高額商品は、パーティーや結婚式の二次会などで使われ、中にはその様子を写真で撮って送って来るお客様もいるという。「バームクーヘンの本場・神戸のお客様から『神戸のバームクーヘンより美味しい』と言われた時は本当に嬉しかった」と顔を綻ばす。

●ユニークなオリジナル商品が人気
珠洲焼の里同じバームクーヘンでも地域の特色を出したいと、アイデアマンの社長は日々地元に根ざした新商品開発に取り組んできている。その一環として、珠洲焼の壺の形をしたバームクーヘンや、地元の須須(すず)神社に伝わる源義経ゆかりの笛にちなんだ菓子『義経の笛 蝉折(せみおれ)』など、ユニークな商品が店頭に所狭しと並べられている。この『義経の笛 蝉折』は、その地域性と独創性が高く評価され、2005年度優良ふるさと食品コンクール国産農林産品利用部門において(財)食品産業センター会長賞を、2006年度には石川県の優良観光土産品コンクールにおいて知事賞を受賞している。 

●地産地消・安心・安全をモットーに
美味しそうなお菓子が並ぶショーケース「珠洲では大納言あずきが生産されているにもかかわらず、全て県外へ出て行っているのが現状で、この素晴らしい地元の食材を是非使ってみたい」と意欲的だ。とはいえ、バームクーヘンの中にあずきの粒を入れることは難しいため、例えば四角く焼いたバームクーヘンに入れてみたらどうかといった具合に、いろいろ試行錯誤を重ねているところである。何よりもその心の底では、自分を育ててくれた珠洲の土地への愛着、そして祖父と父の思い入れがいっぱい詰まった菓子の商いに携われる喜びを噛みしめている。地の食材を使い、地元に根ざした物語性のある商品開発を、自らの智恵と技で創り出し、一人でも多く顧客に提供することに何よりも喜びを感じる。そして、家族・従業員が一丸となって、顧客が満足する菓子づくりに邁進している姿が印象的だ。「ネットショップがようやく軌道に乗ってきて、県内外の有名百貨店等からも声がかかるようになり、忙しい日々を送っています。とはいえ、自分の能力を超えるような背伸びはせずに、着実に一歩一歩階段を昇っていきたい」とバイタリティー溢れる日野社長である。

■インタビューを終えて
インターネット販売のメリットを最大限に活用し、順調に業績を伸ばしている典型例と言える。一回限りではなく、リピート率の高さが、同社のバームクーヘンの美味しさを証明している。行き着くところ実店舗でもバーチャル店舗でも、美味しくなければ売れないのである。
メルヘン日進堂 外観商 号 (株)メルヘン日進堂
所在地    珠洲市上戸町北方い-49-1
創 業    大正2年
資本金 1,000万円
社員数 11名(うちパート3名)
Webショップ おとぎの国メルヘン


お店ばたけホームページ

お店ばたけホームページへ
ISICOバーチャルモール「お店ばたけ」は、(公財)石川県産業創出支援機構が運営するインキュベーションモールです。

アーカイブ

ブログを購読する(RSS)

  • RSS2.0を購読する
  • RSS2.0を購読する