「能登独特の調味料、いしり」【週刊ウンチク】


お店ばたけ 週刊ウンチク
第303回(2007.1.25)
「能登独特の調味料、いしり」
提供:カネイシ 新谷伸一さん

◆魚醤とは、魚から作る調味料。能登のいしり(いしる、よしる)は日本3大魚醤の一つ・・・

◆能登独特の調味料、いしり

魚醤いしりの製造販売、カネイシのある能登町小木港の様子皆さんこんにちは。 能登町で水産加工品の製造、販売を行っている、有限会社カネイシの新谷です。

当店では小木港で荷揚げされる「船凍イカ」の仲買を行う傍ら、先祖代々、能登町の小木港で水産物の加工を行っています。イカの塩辛、鯖の糠漬け(能登ではこんかさばって言います)、
そして今回取り上げる「いしり」など、様々な水産加工品を自社加工しております。
いしり」は、能登に古くから伝わる魚醤(魚の内臓などで作った調味料の部類)の一種で、同じカテゴリとしては秋田のしょっつる、香川のいかなご醤油などがあり、これら3種類を合わせて「日本3大魚醤」などと呼ばれております。

大量消費を背景とした食品の効率的な生産システムの進化とは裏腹に、この「いしり」は、その対極にある「スローフード」を地で行く食材なのであります。
何故か?

この「いしり」の製造に関しては、ゆっくりと流れる四季の変化と能登の風土が絶対的に必要だからです。

冬の寒い時期に、イカの内臓と塩を、均等に満遍なく合わせるようにタンクに漬け込みます。しっかりと攪拌を繰り返した後に発酵段階に入るのですが、ここから大切なのが「能登の四季」なのです。

春を迎え、梅雨に入ると気温と湿度が上昇し始めます。この季節が発酵食品である「いしり」にとって最も大切な季節であるといえます。 しっかり塩と合わさったイカの内臓(ゴロ)が劇的に発酵、分解を始めるのです。
その時期になると充填していた「いしり」のタンクの中身が膨らみ始め、中身の高さが平均して約10cm程度上昇します。そして夏が過ぎ、秋になった頃には気温の低下とともに「いしり」のタンクの中身も元の高さに戻り、底には分解によって生成された液体が姿を現します。

これこそが「いしり」の原液であります。

この過程を当社では2回、つまり2年間の「能登の四季」を経た後に「いしり」は仕上がるのであります。

この長い期間をかけて熟成された恩恵は成分となって現れております。
もともとイカの内臓には旨み成分である「アミノ酸」や疲労に効果的な「タウリン」などが豊富に含まれていますが、長期熟成する事によって、これら成分も圧縮されて旨みが疑縮したような状態となるのであります。

料理への用途としては、地元能登の伝統食「いしり鍋」をはじめ、海産物系の料理(中華料理などにも合います)やイカを使った洋食(イカスミスパゲッティなど…)に隠し味的な形で少量加えていただければ風味を実感していただけると思います。

製法は昔からのやり方で大変な肉体労働ですが、昔ながらの味を守るために頑張っております。
調味素材として、新しい味覚のひとつとして「いしり」を加えられては如何ですか?

皆さんの食卓に新たな味覚の1ページが刻まれることでしょう。


◆リンク集
・能登の海産物、漁師秘伝の味を通販・・・カネイシのホームページ
・能登独特の調味料・・・いしり 商品紹介
・日本3大魚醤のひとつ、いしりの説明・・・「いしりって何?
・カネイシWEB担当、新谷(Sinn)のブログ・・・能登で水産加工品を作る男


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