<商い益々繁盛店>民宿 深三(輪島市)

石川県産業創出支援機構(ISICO)では、石川県内で頑張っている繁盛店を取材し、商い益々繁盛店としてご紹介いたします。

石川県の繁盛店をご紹介!
<商い益々繁盛店>民宿 深三(輪島市)

深三

能登空港開港を契機に、関東方面からの観光客の入り込みが増加傾向にある中、能登を代表する観光地・輪島にあって、観光客に人気の民宿として知る人ぞ知る宿、それが深三である。脱サラをして民宿を始めた先代の後を継ぎ、2代目主人として夫婦二人三脚で宿を切り盛りする深見大氏に、接客におけるもてなしの心を披瀝願った。

●先代の病を機に民宿を受け継ぐ
輪島市出身の先代が、東京でのサラリーマン生活を終えて輪島の実家に戻ったところ、蔵の中に代々受け継がれてきた輪島塗の器がたくさんあったことから、この輪島塗をより多くの人に使ってもらいたいと思い民宿を始めたという。深見家の江戸時代からの屋号である『深三』の名前で開業したのが平成4年のこと。息子である大氏は、先代から民宿の面白さを機会あるごとに聞かされてはいたものの、その時点では全く関心がなく、大阪でサラリーマン生活を送っていた。そんな大氏に程なく転機が訪れる。「親父が病に倒れたことで環境も気持ちも一変しました。親父がせっかくここまでにした民宿を残したいと思うようになった。その気持ちをかみさんに打ち明けると、『サラリーマンの奥さんは経験したから、民宿の女将もやってみたい』と、意外なほどあっけなく賛成してくれ、サラリーマンから民宿の主に転身することを決意した」と笑顔で語る。

●輪島の魅力に自らが惚れ込む
客室先代が亡くなるまで実質1年半あまり輪島で一緒に生活したとはいえ、輪島弁も知らず、輪島の食材も知らず、料理もしたことがなかったが、そこは輪島の土地柄に助けられる。「朝市へ行けば、おばちゃんが魚のことや料理の仕方を教えてくれるし、近所の人が冠婚葬祭のことを教えてくれる。とにかくいろんな人が親切に教えてくれ、全てのことが新鮮で楽しく、毎日が本当に面白い。そんな面白さをお客様に伝えられたらベストだと思う。そのためには規模は小さく、お客様と僕ら夫婦が楽しく会話できる宿づくりをモットーにしています」ときっぱり。

●顧客の口コミこそが財産
深見ご夫妻輪島に戻って7年目を迎えるが、広告宣伝は一切せず、旅行会社の斡旋も受けず、あくまでも日々の宿泊客の口コミと地元の人たちの紹介によるお客様のみで成り立ってきている。このことが、バブル崩壊後もお客が絶えない深三の強みにもなっている。「今まで幸せなことにお客様が来なくて苦労したことはないが、働く量はサラリーマン時代とは比べものにならず、早朝から夜中までずっと動きっぱなしで、休みもなく、気が付いたらあっと言う間に7年が過ぎた感じです」と振り返る。テレビドラマや旅番組で能登・輪島が紹介されることも商いにとってプラスになっている。最近では、旅行雑誌だけでなく、大手の新聞・雑誌社のホームページの取材も増えてきているようだ。輪島塗の器で食事できることを楽しみに訪れる観光客も多く、その器を取材に来る出版社もある。古い漆器ならではの奥深い魅力が大きな付加価値になっている。「漆器屋さんがお客様を案内して来られ、100年以上経った漆器で実際に食事してもらうことで、輪島塗の魅力がPRできると好評です」と顔をほころばす。今年は団塊の世代が大量退職する年である。この世代は夫婦で旅行するゆとりとお金を持った新たな顧客層になるが、「敢えてそこに向けてPRすることよりも、今まで来て下さっているお客様に、精一杯のおもてなしをすることで、その方たちが口コミで『深三はいいよ』と宣伝して下さることが一番です。その方が自分たちも安心してお迎えできるわけで、毎日毎日が、喜んでいただけただろうか、満足していただけただろうかと、不安の連続です」と冷静に捉えている。ネット社会の昨今は、mixi(ミクシィー)サイトの口コミの影響力も大きいようで、このサイトを見て予約してくる若いお客様が増えてきているとのこと。

●能登空港の開港で関東圏の顧客が増加
深三の宿泊客は、年間を通して関東圏からが6割強と圧倒的に多く、能登空港の開港効果と言える。客層は50~60歳代の熟年夫婦が多く、そうした年配客から教えられることが多いという。「まだまだこれと言えるようなこだわりもないですが、自分の親と同世代のお客様に日々教えていただきながら今日までやってこれらた感が強く、僕たち夫婦は、未だに観光客の気分で、天気が良いと自転車で町中を散歩し、こんな道もあるんだと新たな発見をしながら輪島暮らしを楽しんでいます」と語るように、旺盛な好奇心が商売にもプラスになっている。

●心の通い合う接客がモットー
浴場「親父の時からのスタイルを崩さず、自らお客様をお迎えすることで、例えばお客様の体格に合わせて料理の量や、焼き物のサイズを変えるといった配慮をし、お客様一人ひとりとのコミュニケーションを密に取れるよう夫婦で努めています。とりわけ顔の見えない電話応対は次につながると考え、お断りせざるを得ない場合は特に気を遣っています。そんな気持ちが通じたのか、中には電話応対が良かったからおたくに決めたと言われるお客様もいて、そんな時は本当に嬉しいですね」と顔を綻ばす。「輪島に来てくれた人に、輪島を好きになってもらいたいし、好きになってくれた人が輪島のことを話すと、それを聞いた人も輪島を好きになってくれます。そんな相乗効果で輪島の魅力を発信していくことができれば・・」と熱っぽく語る。

●輪島の地の食材・調味料・器・料理・酒がもてなし
看板料理に使う野菜や魚はもちろんのこと、宿に飾る花も朝市で買っている。「何と言っても手作りの料理はお客様に伝わるものがあります。輪島の新鮮な食材をなるべく素材を活かし、心を込めて料理しています。調味料も醤油も地のものにこだわり、お酒はもちろん輪島の地酒です。お客様がその料理や、お酒を気に入られ、醤油やお酒や漆器をお土産に買って帰られます。そのおかげで輪島の取引先のお店が、新しいお客様を紹介してくれ、口コミの輪が広がってきています。目に見えない細かな努力の積み重ねが、長い時間をかけて花開くのが商いなのかなぁと、最近思えるようになってきました」としみじみと語る深見氏の姿に人気の秘密を垣間見た思いだ。

■インタビューを終えて
日々実直に接客に取り組むご夫妻の姿は、宿泊客にとって微笑ましく心地よく感じられるに違いない。輪島で我が家に帰ったようなもてなしを受け、満足した人たちが口コミで深三をPRする。その相乗効果・波及効果は輪島ひいては石川県への誘客に大きく貢献するに違いない。

深三外観商 号 民宿 深三
所在地    輪島市河井町4-4
創 業    平成4年


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