<商い益々繁盛店>わじまおみやげ館(輪島市)

石川県産業創出支援機構(ISICO)では、石川県内で頑張っている繁盛店を取材し、商い益々繁盛店としてご紹介いたします。

石川県の繁盛店をご紹介!
<商い益々繁盛店>わじまおみやげ館(輪島市)

わじまおみやげ館

平成13年3月、のと鉄道輪島~穴水間が廃止され、旧輪島駅舎がバスターミナル機能を備えた輪島市の玄関口「道の駅・輪島 ふらっと訪夢」として生まれ変わった。その明るく広々としたふらっと訪夢前ロータリーの入口に、一際個性を主張する店「わじまおみやげ館」がある。時代の変化に対応した商いの秘訣を店主の岡田尚史氏ご夫妻に伺った。

●あゆみ
昭和10年、岡田氏の自宅前に輪島駅が開設されることになったのを機に、祖母が地元の人相手に菓子を販売したのが商いの始まりである。40年代の能登観光ブームに乗って、関東・関西方面からの観光客が輪島を訪れるようになり、その頃から観光土産となるペナントや小物類も販売するようになる。やがて、輪島塗が全国に知られるようになると、輪島塗の土産物も販売し始めるといった変遷を経て、今日のわじまおみやげ館がある。

●能登線廃止に危機感
岡田尚史代表と奥様の扶美子さん輪島への観光客は、平成に入った頃からJR利用から観光バスやマイカー主流の旅行形態に様変わりしてきていた。そのうえ、かつての朝市は地元客に野菜と鮮魚を販売していたが、最近では観光客目当てに菓子も売れば、輪島塗の箸も売るなど、本来の朝市にないものがいつの間にか主力商品になってきていた。さらに、各温泉旅館が大型化するのに伴って、館内施設を充実させ、宿泊客を館内に囲い込む方向に走ったことで、街中を散策する観光客を相手に商いをしてきた店は大きな打撃を受ける。そこへもってきて能登線の廃止が決まり、駅前の商店は存亡の危機と思われた。「能登線が廃止されることが決まった時、これはえらいことになると影響を心配した」と述懐する。しかし、現実はそうでもなかった。輪島駅がバスターミナル『ふらっと訪夢』として再生され、道の駅に指定されたことで施設も充実し、駅前の道路も拡幅され、明るくオープンな空間に生まれ変わった。それによって、廃線間際の時代よりも現在の方が賑わいを創出している。ある意味、嬉しい誤算と言えるかも知れない。

●輪島にこだわらず観光客の目線で品揃え
花器わじまおみやげ館に来店されるお客様は、東京や大阪などの大都市からの観光客が大部分である。「その人たちが求めるものを知るには、都会の店を知らないといけない」と、東京で人気の店や商店街へ実際に夫婦で出かけて行き、自らの目で確かめてくるという力の入れようだ。どうしても行けない時はインターネットで情報収集する勉強熱心さには頭が下がる。輪島だけに輪島塗を前面に出しがちだが、現実には売る側が思っているほど、輪島塗を意識し、それを土産に買う人は少なく、全体の2割弱程度だという。しかも高校生以下になると、その土地へのこだわりを最初から持っていないことから、まったく輪島とは関係のない、手作りのアクセサリー類やコーヒーカップなどが思いのほか売れる。輪島土産を買うつもりもなく、ふらっと立ち寄ったお客様が、日常使うコーヒーカップを買っていく。なかにはカレー皿のセットや納豆鉢を買っていくお客様もいるというから驚きだ。そうした輪島に関係のない商品を散りばめてあることが、品揃えの特徴にもなっている。「日常生活で使うものは、自宅周辺の店で購入すると思っていましたが、日頃欲しかったものがここにあったという感じで買っていかれるお客様が意外と多く、それが観光客の心理なのかもしれませんね」と売れ筋の納豆鉢を手に奥さんの扶美子さんが微笑む。

●手作りアクセサリーと季節の鉢植えが客を呼ぶ
手作りアクセサリー以前から夫婦の趣味で、丹誠込めた季節の山野草の小鉢を、店の外周に何気なく並べていた。「それがいつしか、花好きのお客様を引き寄せ、ふらっと来店させるフェロモン効果を発揮するようになった」と顔を綻ばす。また、店の奥で手作りのアクセサリーを作っていると、入ってきたお客様が横に座って、その作業をじっと眺めていることもしばしば。そのうち何も買う気の無かったお客様が、そのアクセサリーを手にとって購入していく。趣味で始めたことが今では売上に貢献するまでになってきている。商いにおいてオリジナル商品=他にない商品、これ以上の強みはない。何も買うつもりがない人でもついつい手を出してしまうのが千円以下の商品であり、その価格帯を中心に展開しているあたりも心憎い。

●時代のニーズを素早くキャッチ
アワビ貝殻のネックレス自店のホームページは、扶美子さん自らが解説書片手に作成し、随時更新を行っている。「これからはインターネットの時代です。ただ、情報の更新に時間が掛かりすぎて、古い情報のまま掲載していては逆効果になるので、この点は気を付けないといけない」と勘所を押さえている。ホームページでは、手作りのアクセサリーも紹介しているが、手作り故に大量に作れないため、まだネット販売は行っていないものの、近い将来、オリジナルアクセサリーの通販がビジネスの柱になる可能性すら感じる。扶美子さん手作りの小物やブローチ、アクセサリー類は、プロ顔負けの出来映えで、これが観光客にも人気商品になっている。輪島産のアワビの貝殻を削ったアクセサリーもなかなか好評とか。

●商いのポイントは客の目線になっての品揃え
先に岡田氏が語ったように、店内を見渡しても輪島の特徴を前面に出した品揃えではない。ましてや土産物を買う気もなく入ってきたお客様が、ついつい触手を動かしてしまうのが、手作りのオリジナルアクセサリーや、日常生活で使うコーヒーカップ類などで、輪島とは関係ない品揃えにポイントがあったのだ。「マイカーや観光バスで輪島の市街地に入ってきて、通過しながらチラッとうちの店を横目に見て、ここにおみやげ屋があるなぁとインプットしてもらい、市内や朝市などを一通り見て、翌日帰る前に、ここで最後だからと立ち寄ってもらえる地の利もあります。夫婦で目の届く範囲の店を、家庭的な雰囲気の接客で、これからもしっかりと切り盛りしていきたい」と淡々と語る中に商いへの自信さえ垣間見える。

■インタビューを終えて
観光客を相手にする商売は、その土地の名物と物産を販売するものと思い込んでいたが、それが間違った先入観であることを思い知らされた。輪島土産に納豆鉢が売れるとは・・・。観光客の目線で品揃えを考える岡田さんご夫妻の商才に脱帽。

わじまおみやげ館 外観商 号 わじまおみやげ館
所在地    輪島市河井町19-1
創 業    昭和10年


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