<商い益々繁盛店>あきや(小松市)

石川県産業創出支援機構(ISICO)では、石川県内で頑張っている繁盛店を取材し、商い益々繁盛店としてご紹介いたします。

石川県の繁盛店をご紹介!
<商い益々繁盛店>あきや(小松市)

加賀漬物 あきや

日本人の食卓に欠かせないものとして恐らく大部分の人が答える食品が漬物ではないだろうか。とりわけ、薄塩味の浅漬けは定番商品と言っても過言ではない。明治23年の創業以来、根強い人気の漬物をつくり続けているのが小松市に本社を構える「あきや」である。117年の長きにわたって地元に愛される商いの秘訣を五代目・明 慶太郎社長に伺った。

●あゆみ
明慶太郎社長
明治23年、初代・明 與三松氏が「あきや」の屋号で青果商と漬物加工販売の店を小松市茶屋町で創業する。野菜を扱う上で冷蔵庫のない当時は、漬物は切り離せない商品で、季節の旬の野菜を漬けて販売していた。二代目・文吉氏が大正4年から産地仲買と食品問屋業を新たな事業として開拓し、それを三代目・文一氏が継承。四代目・外三雄氏が昭和35年に漬物製造卸専業の道を選択する。それから長い年月を経て、道路網や流通の再編、商店街の衰退など商売を取り巻く環境が大きく変化したものの、製造卸は立地場所に左右されずに商いを続けてくることができた。平成2年に小松市梯町に直営店を併設した現工場を建設。平成11年に五代目・慶太郎氏が社長に就任し、現在に至る。

●あきやの漬物の特徴
大きな桶と重石と蔵があれば漬物屋はできるわけだが、問題は漬け方である。とりわけ、あきやのある小松市の奈良漬は他地域のものとは異なり、地元安宅産の瓜を塩漬けし、それを一度天日で干し、それから酒粕に漬け込むという小松独特の作り方が特徴だ。漬物はその地域の気候風土や味覚の嗜好が色濃く、石川県は薄味が好まれることから、いわゆる塩漬けが主力商品である。その理由は、魚にしても野菜にしても素材の鮮度が良いことから、素材そのものの味をできるだけ殺さないように、塩を振る程度で仕上げた漬物が好まれるのだ。それだけ鮮度の良い野菜が入手できるからいい漬物ができると言っても過言ではない。「可能な限り地元の野菜を使うようにしていますが、季節によって端境期があることや、必要量が確保できないこともあるため、県外産の野菜も使用しています」と、全国各地から旬の野菜を取り寄せている。

●正直な商いがモットー
あきや 漬物「最近は、有機栽培や無農薬栽培を謳い文句にした商品が多く出回っていますが、現実問題としてなかなかそこまで断言できません。と同時に、時期によって野菜を仕入れる産地も移動することから、○○産の野菜と表記した場合、一時的ではあってもお客様に対して嘘を言うことになるため、うちの商品はそうした謳い方は一切していません」と正直な商いを強調する。食の安全・安心が喧しく言われる時代にあって当然のことではあるが、こうした姿勢も長く地元に愛されている要因の一つに違いない。地元産の野菜の確保が難しい中、唯一、奈良漬に関しては、100%小松・安宅産の瓜のみを使用している。

●売れ筋ナンバーワンは「かつお大根」
あきや 漬物鮮度の良い状態で仕入れた野菜を鮮度の良いままに漬け込み、鮮度の良い状態で出荷する。これがあきやの信条。例えば、浅漬けは冷蔵庫内で漬け込みを行っている。それは、温度管理次第で仕上がった漬物の色合いが変わってしまう重要なポイントだからだ。と同時に、野菜によって最適な漬け込み日数も異なってくる。口に入るものだけに、野菜そのものの安全性や鮮度、漬物の品質管理を徹底している。同社のオリジナル漬物の中では、かつお大根が売上全体の3割を占める人気商品。県内の主要スーパーの店頭はもちろんのこと、北陸3県のスーパー店頭に並ぶ大根の漬物の中でもナンバーワンの売れ行きとか。大根は大きいままでは漬かりにくい野菜で、それを形のまま柔らかくなるまで漬ける漬け方と絶妙なかつおだしの味付けに企業秘密が隠されている。この飽きのこないあっさりとした味付けが、かつお大根の人気の秘密でもある。

●自然相手の難しさ
野菜は、台風や冷夏、豪雪などの自然災害で価格が大きく左右される。とはいえ、それを即漬物の売価に反映できないだけに、自然災害が頻発するとかなりのダメージを受けることもある。「浅漬けの場合は、一年を通してみると、野菜価格の変動があるため、利益の出る月と赤字になる月とバラツキがあるんですよ」と苦笑する。20種類余りある商品アイテムの約8割が浅漬けだけに、そのあたりが商いのポイントにもなってくる。 

●漬物へのこだわり
あきや 店内の様子「漬物は、素材として大根・茄子・白菜・かぶら・胡瓜ぐらいに限定され、あまり変わったことをしてもお客様に受け入れてもらえません。また、ある程度の伝統食品的な色合いもあって、昔から伝わってきている漬物の域を極端に飛び出すことは考えていません」と明言する。物販の世界においてウエイトの大きいネット販売については、鮮度や賞味期限の問題があるため、本格的な取り組みはまだ行っていない。「当社のホームページは、今のところ商品を紹介するカタログ程度にとどめています。どのくらいの需要があるかは未知数ですが、将来的にはその分野の取り組みを考える時期がくるかもしれませんが・・・」と、あくまでも商品の鮮度第一、卸重視の姿勢がうかがえる。 

●日本伝統の食文化を後世に
「これまで先祖が四代にわたって苦労して受け継いできた商いだけに、私の代でさらに魅力ある商いに邁進していきたい。と同時に、仕入れ業者さん、生産農家さん、商品を販売していただいているスーパーマーケットさん、お客様といった地域の皆様の応援があってこそ商いは成り立つものであり、そうした皆様のおかげで100年以上も商売を続けさせていただいてきていることを肝に銘じると共に、漬物は桶と重石で漬ける日本独特の食文化でもあるだけに、この伝統文化を大切に守りながら次代に繋いでいくことが私に課せられた使命だと思っています」との言葉に、老舗の暖簾の重みを感じずにはいられない。 

■インタビューを終えて
かつて某菓子メーカーのCMコピーに「やめられない、とまらない・・」というフレーズがあったが、あきやのかつお大根は、まさにこの文句が見事にあてはまる看板商品。是非一度ご賞味あれ。

あきや外観商 号 (株)あきや
本社所在地 小松市梯町イ61-1
創 業    明治23年
資本金    1000万円
年 商    3億8千万円
従業員    25名(パート含む)
HP http://www.akiya.co.jp/


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