「はしかの免疫はありやなしや!?」【週刊ウンチク】

アート薬局 管理薬剤師 中村智子さん
お店ばたけ 週刊ウンチク
第320回(2007.5.31)
「はしかの免疫はありやなしや!?」
提供:アート薬局 中村智子さん


◆2007年、大学生のはしか(麻疹)が大流行の兆し。その理由は?対処法は?そして、免疫とアレルギーの関係とは?

1.はしかの免疫はありやなしや!?


新学年早々、東京の大学を中心に大学生をはじめ、若い人たちのはしか(麻疹)が大流行のきざしを見せています。
もともとは小さい子供さんがかかる病気のイメージだけど、
今年は高校生や大学生など若い世代に広がっているのは、ドウシテ???

40歳以上のおじさん、おばさんたちは小さいころにはしかにかかっている人がほとんど。
また、自分はかかっていないと思っていても、
知らない間に軽くかかったり、また、その後もはしかの人と
接触する機会があって、抗体が強化されるため、
大人になってはしかにかかる方はとても少ないです。

また、30代の人たちも、赤ちゃんのときに予防接種を受け、
その後、やはり何度かはしかの流行の折に接触する機会があった
ために、
抗体が強化されているので、ある程度の抵抗力を持っているようです。

それに比べ、いまの10代から20代の若者は、
赤ちゃんのときに1回予防接種を受けたきり・・・。
おまけのここ20年余りはしかの大きな流行がなかったため、
その後、抗体が強化されることがなく、
抗体が弱いか、なくなっているパターンも少なくないため、
今回の大学などでの大流行となっているようです。

また、うちの長男の頃もそうでしたが、
MMRという三種混合のワクチンに副作用の問題が出た時期もあり、
それで余計にワクチンを受けなかった人もいた
ようで、
余計に受けない人を増やしてしまった・・・(>_<)

そんなこんなが、今回の大流行の原因となっているようです。

おまけに、はしかは感染力が強いので、
同じ電車に乗り合わせたせただけでも、抗体を持っていなければ移るので、
ゴールデンウィークを機会に東京のみならず、地方にも徐々に拡大・・・。
(ちなみに潜伏期間は10日間程度。)

では、今からベストな対処法は・・・


とにかく、抗体を持っていなさそうな方は、抗体検査をするなり、
早めにワクチンを受けたほうがいい
と思います。(^_-)-☆


2 免疫とアレルギーの親戚関係・・・?!

免疫の仕組み 《はしか(麻疹)ウィルスの場合》

(1)はしかウィルスが入ってくる(はしかにかかる、またはワクチンを打つ)
(2)マクロファージがウィルスを食べてやっつける→外敵の侵入をヘルパーT細胞に連絡する
(3)ヘルパーT細胞がB細胞に抗体生産命令、他のT細胞にウィルス撃退命令をだす
(4)B細胞が抗体を大量に作り、放出する
(5)抗体がウィルスにとりつく(鍵と鍵穴の関係)
(6)キラーT細胞が抗体の取り付いたウィルス、ウィルスに侵されたT細胞を片付ける
(7)記憶T細胞がウィルスを記憶
     ↓
(8)二度目以降のウィルスの侵入
→すぐに発見して抗体を素早くとりつかせることで発病前に撃退…免疫ができた

===What We Can Do!“免疫”のページより === 

(免疫の仕組みってとても難しく、何回勉強してもこんがらがりそうになるのですが、
上記のページはその免疫をとてもわかりやすく説明されていたので、
引用させていただきました。)


アート薬局のお客様はアレルギー・アトピーでお困りの方がとっても多いのですが、
(というか、大半はそのお客様!?)
実は、この「アレルギー」と、それに対し健康な体を保つために欠かせない「免疫」とは
体内での“しくみ”はまるで同じ
・・・ということは、ご存知でしたか?


《体には体の外から侵入してくる異物に対して、その物質を排除するはたらきがあり、
外部から侵入してきた物質(抗原)に、対抗する物質(抗体)を作って体を守ろうとするのだが、
抗体が一定量になったとき、同じ抗原が進入してくると、その抗原が抗体と結びつき、 それまでと違った反応を示すようになる。》

・・・アレルギーの方は、スギ花粉やハウスダスト、食物アレルギーなどで体験済みですよね。

反応が体にとって都合よく働けばそれは「免疫」です。
例えば上記のはしかやおたふく風邪に2度かからないのは、免疫のおかげです。
でも、対象となるものが違えば、今度は人体にとって困った症状を招き、
さまざまな病気の原因ともなる・・・。

また、その反応を起こす対象をちょっと間違えてしまい、
本来なら攻撃しないはずの自分自身の組織を攻撃してしまうのが、いわゆる
“自己免疫疾患”(リウマチ、クローン病、甲状腺の疾患、膠原病など)です。


花粉や、ハウスダスト、卵などに対して作られるIgE抗体は、
その抗原とのとの接触を何度か繰り返すうちに体内に蓄積されていきます。
この蓄積が一定の水準に達したとき、発病する条件が整った状態になる。
(いわゆる、アレルギーコップにアレルゲンとなる要因がいっぱいになった状態ですね。)

また、IgE抗体はすべての人に同じように作られるわけではなくて、
作られやすい体質が生まれつきある程度遺伝する。
この体質をアレルギー体質といい、IgE 抗体は花粉症の他にもアトピー性皮膚炎、
アレルギー性鼻炎、気管支喘息などになりやすくなっちゃうんですね。(^_^;)

アレルギーコップの話は、過去のメルマガをご覧ください。


余談ですが、このIgE抗体、もともとは寄生虫に対する抗体だったとも言われ、
闘うべき相手がいなくなってしまったので、働きが少し変化したのではないかと言われています。
それで、寄生虫博士の藤田 紘一郎先生は、
“花粉症を治したかったら、体内にサナダムシを飼おう!”と提唱(?)されて、
実際にご自分では体内で飼育されたりしているそうです。(^_^;)


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