お店ばたけ 週刊ウンチク
第327回(2007.7.19)
「かくして土用丑の日、うなぎ受難の日となりにけり」
提供:マダム櫻子の夢ワイン 西田櫻子さん
◆ワインアドバイザー、"七尾湾のマダム櫻子"が、土用の丑について、その意味や由来、うなぎの蒲焼きにあうワインをご紹介します。
◆かくして土用丑の日、うなぎ受難の日となりにけり。
え~毎度お馴染み(なんちゃって)ボルドー亭桜奴、無駄話を一つ。
暑くなりました。今年の土用丑の日は7月30日。
この日には、日本国中のうなぎ屋さん、魚屋さんが終日うなぎを焼き、
実にたくさんのご家庭で、夕食のテーブルにうなぎがのるわけですが、
夏の土用丑の日にうなぎを食べる習慣は、一体いつ頃から
どなたの仕掛けで始まったのでしょう。
調べてみました。
そもそも土用とは夏のみならず、春・夏・秋・冬の年四回あり、立春前の18日間、
立夏前の18日間、立秋前の18日間、立冬前の18日間を指し、今夏で申さば、
立夏が8月8日で18日前の7月20日に土用の入りで7月30日が土用丑の日となります。
しからばその18日間の土用とは何故に騒がれ、暦に書かれておるのかと申しますと、
土用の土!つち!この土には自然界で実に強大な力を持ち、
しかも二つの異なる作用があるのです。
一つには植物を育て成長させるプラスの作用、
もう一つには植物を枯らせ腐敗させるマイナスの作用。
土用18日間には、そのマイナスの力がとても強くなるので、その間に土いじり、
畑仕事は控えたほうがよろしい!ということから畑仕事のみならず生活、行動にまでこの間無理はすまじ、つまり禍が多く起こりやすい時期であるから行動は慎まれたらよろしい!との教訓へと発展。
で、江戸後期、かのエレキテルで有名な平賀源内先生
(この方、滅茶苦茶マルチな才能の持ち主)が、うなぎ屋さんから宣伝を頼まれて
ひねり出したのがこれ。
先生曰く、
土用でも一番【土】の作用が大きい土用の丑の日に
【う】のつくものを食べると【土】の作用を抑えることが出来るぞよ。
と、宣伝にこれ努めたのであります。これが大当たり!!
かくして土用丑の日に「うなぎを食すべし」の習慣がはじまり、
今だにず~~~っと続いているわけであります。
なにせ【う】のつくものなら何でもOKなんだから、
北関東では、【う】なぎのかわりに【う】どんを食べる所もあるそうです。
もしもそば屋さんが、宣伝を頼んだら【そ】のつくものを食べるがよろし!
になったのでしょうか?
が、いずれにしましても、滋養に富みいかにも夏バテに効きそうな
【う】なぎの蒲焼!あの香ばしい香りといい、焼きたてのとろけるような旨みといい、
土用の丑の日にこれ以上のスターはありえませんね。
さすが平賀源内先生あっぱれ!
さらにもう一つ、1年に4回もある土用、何故に夏だけ騒ぎ立てるのか?
ともうしますと、他の季節に比べ圧倒的に体力を消耗する
【夏】の土用を特に注意すべしと、したのでありましょうね。
エアコンも、冷蔵庫も、ましてやバカンスの感覚もない時代のことです。
蒸し暑い夏を乗り切るってぇ~のは、並や大抵ではなかったのでしょうね。
ともあれ、今年の土用丑の日は、7月30日
うなぎ・受難の日、
マダム櫻子の選ぶワインは、「ジゴンダス1995」・・・至福の雫!
うなぎの蒲焼には、うなぎの脂を流す適量のタンニンが絶妙。
しかも熟成により、丸みを帯びて角の取れたタンニンとならば、魚はケンカしない。
よって生臭みがあがってこない。
また、甘味のあるタレには、ジゴンダスのグルナッシュの甘味と、少し高めのアルコール度数から感じるまったりとした旨味との連合軍が、とっても相性がよろしいのです。
しかもこのジゴンダス、1995年のワインでシャトーで熟成の蔵出し、レアもの。
旨さが違います。
→ジゴンダス1995の詳細はこちら
7月30日の土用丑の日にあわせて、マダム櫻子の夢ワイン、ご注文をお待ちしております。
おあとがよろしいようで。♪テケテンテンテンテンテケテン♪
◆リンク集
土用の丑、鰻にはジゴンダス1995。
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