「石川発!お店探訪記」 ラ・ヴィーブ (加賀市)片山津をこよなく愛し魅力発信に専心

(財)石川県産業創出支援機構「石川発!お店探訪記」金沢・加賀・能登 頑張るお店 では、石川県内の実店舗・ショップを訪問し、取扱商品の特徴・売れ筋、店づくりや店舗展開・経営方針、顧客サービスや今後の課題などを取材して、頑張っているお店の魅力を紹介していきます。

金沢・加賀・能登 頑張るお店 ラ・ヴィーブ
片山津をこよなく愛し魅力発信に専心 ラ・ヴィーブ

北陸自動車道片山津インターを下り、山代温泉に向かう途中・湯の谷橋先の 交差点角に建物全体が一つのコミュニティーと化した"かぼちゃ村"と称する飲食店ビルがある。
遡ること18年前(平成2年)、このビルの一角でフランス料理店ラ・ヴィーブを開店した渡辺悟氏が、顧客に満足してもらえる店づくりを目標に邁進した結果、現在ではテナントビルを丸ごと自ら経営し、レストラン・居酒屋・カフェ・ケーキショップで埋め尽くすこととなった。今回はその事業成功の要因を探る。

●いろんな人との出会いで今日が・・
ラ・ヴィーブ 店内山中温泉出身の渡辺氏は、大阪に出て料理の修業を積んだ後、地元に戻りフランス料理店で修業した後23歳で独立し、現在のビルで26席ほどの店舗スペースを借りてラ・ヴィーブ(フランス語でバンザイの意)をオープンした。
美味しい料理が評判になり、順調に業績が伸びる一方で、来店客から『いつ行っても満席だから何とかしてほしい』とのクレームが出るようになり、5年あまり経た最初のリニューアルで20席ほど増やす。やがて、レストランウェディングのリクエストが舞い込むようになるが、店舗スペースが狭いことと、土・日・祝日は、レストランとしても来店客が多いことから、極力控えるように努めたものの、「一生に一度のビッグイベントを自分の店でやってもらえるのなら、頑なに断るのもいかがなものかと思うようにもなった」と振り返る。
そう思うようになった時に、隣りのテナントが空いたため、ウェディングにも十分対応できる現在の広さまで店を広げることを決断する。その際、パン職人が応募してきたことから、自家製のパンを焼いて店で提供し始めたところ、『パンを販売して欲しい』とのリクエストが相次ぐようになった。これまたタイミング良く横のテナントが空いたことから、そこを借りてパン屋「ア・ポワン」を開店し、それまで頑張ってくれた職人に表舞台を作ることができた。と同時に、店の奥にカフェを設け、レストランと繋ぐことでウェイティングルームとした。
それからしばらくして二階のテナントが空いたことから、「以前から私と仕事がしたいと言ってくれていた和食の職人を雇い、自分たちが行きたくなる和食の店をやってみよう」と、二階に居酒屋「いちごいちえ」をオープンする。さらに、一階の角に入っていたコンビニエンスストアが閉店することになったため、そこを借りてカフェをより充実させた。
レストランの営業時間は、ランチとディナーの混む時間帯に来てほしいと店側の都合をお客に押しつけていることから、カフェを朝から夜中までオープンすることで、「せっかく来て下さった方に、目当ての店が一杯だったり、営業時間外で入れなくても、カフェで時間を過ごしてもらうことができれば・・」との渡辺氏のお客様の立場になった思いを形にしたもの。
こうして振り返ってみると、新しい分野に踏み出すきっかけができた時とテナントが空くタイミングが見事に合致し、人との出会い、運に恵まれて今日の成功があることを痛感させられる。

●病いを機に会社組織の基盤を強化
ケーキ屋 ア・ポワン4年前、突然の病いに襲われ入院を余儀なくされる。3か月にわたる入院とリハビリを重ね今日に至っている。この間、渡辺氏の頭の中は、「これだけの事業規模になり、70人のスタッフを抱え、いろんな人との繋がりの中で、自分にもし何かあったら店が運営できないとか、会社が成り立たないというのは危ない」との思いでいっぱいだった。
退院するやいなや、ベテラン社員の中から役員を選任し、それまで奥さんと二人だけでやっていた経理関係を含め、各店舗が独立採算で運営できる体制を確立する。
「スタッフと業者さんとお客様の三角形のバランスが崩れないように大きくしていかないと、会社や地域の発展はないと思う。三方みんなが得するような運営を考えていくことが大切で、それを支えるのは人材です。お客様は恋人、共に働くスタッフは家族、業者さんは親戚だと思っています。
働いている者同士が気遣いできなくて、お客様にいい気遣いができるはずもなく、お客様は、ワクワク、ドキドキ、何かここでエネルギーやパワーをもらって元気になって帰れるぐらいの雰囲気が店にないとお見えになりません。
スタッフにお願いしているのは、嘘のない誠実な付き合いをしてくださいということ。これは業者さんに対しても、お客様に対しても、地域に対しても。それが一番難しいです。その点、私は明るく元気なスタッフたちに恵まれて助けられている。」と感謝することしきり。

●何をおいても片山津ありき
村カフェ アレコレ「開店以来、自分たちがあったらいいなぁと思う店づくりに邁進してきました。それも片山津の入口で明るい明かりを常に灯していけるような企業でありたいとの願いを込めて頑張ってきており、これまで商売をさせてもらってきた片山津に少しでも恩返しができる店にすることが目標です。そのためにも私は現場のスタッフたちが働きやすい環境を整えたり、準備をする黒子に徹していきたい」と持論を披瀝。
「あちこちから出店のオファーはありますが、外に出てまで店をやりたいという思いはなく、何よりも片山津で頑張ることが我々にとっての大きな目的であり、若い人たちがおしゃれをして行きたくなる店を作ること。そのためには地元で働いてくれる若者を育てることも重要な仕事で、そこからやる必要がある。商売をやったおかげでいろんな方々と出会うきっかけが増え、それが自分の人生において、スタッフの人生において、お客様の人生において、楽しいこと探しにつながっていけば最高に嬉しいです」と顔を綻ばす。
「地域があって僕らがある。僕らが頑張れば地域も変わる。その意味で、地域とのコミュニケーションが第一です」とも力説する。

●これから目指すもの
居酒屋 いちごいちえ小さなフランス料理店の店主から事業家になった今、自らの夢をどの程度実現できたかを尋ねたところ、「私はいつもスタッフに夢は持たずに目標を持ちなさいと言っています。その意味で、先程からお話ししている私の目標にはまだまだ程遠く、点数はつけられません。外から見ただけでなく、中身の充実、お客様の満足以上にスタッフたちの満足度を高めていかなければなりません。高校生から主婦のパートさんまで一人ひとりの満足度を高めていくことは難しいことですが、お互いを自然に思いやれる関係ができていくことで、やり甲斐のある職場ができていくと思っています」と熱く語る。
「将来的には、かぼちゃ村の店はスタッフに任せ、私が料理を作り家内のサービスでおもてなしする、そんな夫婦でお客様をもてなす、料理人の原点とも言える小さな店をまたやりたい」と料理人の顔に。そんな渡辺氏の夢は、「子供達が成長した時に片山津に生まれて良かったと思える街にすること」。夢を目標にすべく邁進する日々はまだまだ続く。

■インタビューを終えて・・・
オフの時は、一人でいる時間を作りたいと、目と鼻の先の越前海岸でのスキューバダイビングやハーレーにまたがっての国内旅行などプライベートの時間を大切にしている渡辺氏。
入院を機に自らのカラーを極力消し、スタッフみんなで作り上げていく会社へと大きく脱皮させ、片山津で元気な商いを展開する企業トップとしての謙虚な姿が印象に残った。

(平成19年11月取材)
かぼちゃ村 外観商 号 (有)トラント・(有)パラダイスカンパニー
所在地    加賀市片山津温泉丁12-1
設 立    平成2年12月1日
年 商 3億円(2社の合計)
従業員数 70名(パート含む)
電話番号 (0761)74-8544
URL http://www.lavive.jp/


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