「石川発!お店探訪記」 杉森菓子舗 (七尾市) お客さまに勧めたい菓子作りに情熱と真心を傾注

(財)石川県産業創出支援機構「石川発!お店探訪記」金沢・加賀・能登 頑張るお店 では、石川県内の実店舗・ショップを訪問し、取扱商品の特徴・売れ筋、店づくりや店舗展開・経営方針、顧客サービスや今後の課題などを取材して、頑張っているお店の魅力を紹介していきます。

金沢・加賀・能登 頑張るお店 杉森菓子舗
お客さまに勧めたい菓子作りに情熱と真心を傾注 杉森菓子舗

七尾市田鶴浜支所(旧田鶴浜町役場)前に、地元の人たちから日々のお茶請けやお遣い物の菓子の店として重宝されている杉森菓子舗の落ち着いた店舗がある。白を基調とした明るい店内に心地よいジャズが流れ、5年前から店長として杉森菓子舗の暖簾を守る三代目・杉森修平さんが笑顔で迎えてくれる。
平成19年3月の能登半島地震直後は売上が減少したものの、対前年比で年間売上が伸びた商いのポイントを披瀝願った。

●お客様も自分も楽しい菓子づくり
店主 杉森修平さん杉森菓子舗の味を守るため、毎朝4時からの餡炊きで一日が始まる。原材料を吟味するのはもちろんのこと、杉森氏曰く「お客様がウチの店に来て楽しんでもらうことができる店づくり、菓子づくりを基本に、私自身もこれは楽しそうだからやってみようと思う、そんな菓子づくりを日々心掛けています」と。
そんな杉森氏の日々の研鑽が、平成18年の全国誌「DIME」への看板商品『情熱大福モンブラン』の掲載につながっている。

●ホームページを活用した営業展開
地元だけでなく県内外に店を知ってもらう情報発信の一助にと考え、3年前から自店のホームページを開設。自らデジカメで撮影した商品写真を掲載し、コメントやレイアウトの内容を試行錯誤しながら更新している。最初はなかなか思うような写真が撮れず苦労したようだが、「何事も慣れというか数をこなせばそれなりの写真が撮れるようになった」と謙遜するが、商品写真の出来映えはなかなかのもの。
注文を受けると瞬間冷凍して梱包し、クール便で発送する。お客様は受け取ったものを解凍して賞味する。まだまだインターネット通販のウエイトは全体の1割程度と少ないが、これから伸ばしていきたい部門として期待している。全国誌に掲載されたことを機に注文してきた県外客がリピーターとなったり、百貨店等からの引き合いも来ているという。

●新商品開発のポイント
のと情熱大福モンブラン常時20種類前後の定番商品と、それプラス季節限定商品がショーケースを彩っている。
そうした新商品を考えるにあたり、例えば看板商品になっている『情熱大福モンブラン』の場合は、「まず説明不要で、お客様がそのネーミングを見ただけで、あっ美味しそうだと思えるものが作れないかとずっと思っていました。新しいものを作る時に、ああでもないこうでもないと何回も試行錯誤したものは、意外と売れないことが多く、最初にネーミングが浮かび、こんな感じがいいなぁと閃き、すんなりできあがった商品の方がよく売れたりするんですよ」と苦笑する。
『情熱大福モンブラン』の開発は、料理の世界で、美味しい食材に美味しい食材をマッチングさせることで、さらに美味しい料理ができあがることをヒントに、自身が和菓子に限らず洋菓子、とりわけモンブランが好きであちこちの店を食べ歩くほどの好物だったことから、好きなモンブランと大福を合わせることを思いつく。本来なら地元の能登栗を使いたいところだが、そうなると小売価格が倍以上に跳ね上がるため断念し、フランス産の栗を使って商品化した。
新しい菓子のポイントとして能登栗や能登大納言を使うことができないか、目下思案中である。値段が非常に高いことをいかにしてクリアするか、それが課題であると同時に、単にその食材が入っているだけではなく、入っているから美味しいのだという付加価値を創出できるかどうか、それが成否の鍵を握っている。

●食の安全、清潔感、安心は店舗存続の生命線
昨今、日本を代表する老舗名菓の偽装事件が相次いでいるが、「ウチのような小さい店は食中毒を出したり、偽装なんかしたら一遍に店はなくなってしまうわけで、衛生面にはお金もかけ、危機感を持って真摯に取り組んでいます」と胸を張る。
清潔感という点で、店内の美しさはなかなかのもの。能登半島地震で壁紙が破れたため貼り替えたとのことだが、開店してから15年も経っているとは思えないピカピカに磨かれた店内に驚く。伺うと、毎月専門業者を入れ店内の床をきれいに磨いているとのこと。「食べ物を扱う店だけに、店内が汚くては二度と来たくないと思われるので、まず店内の清掃を徹底し、気持ちの良い店づくりに力を入れています。一度来店されたお客様がまた来たいと思っていただける店にしていきたい」と商いの原点を大切にする姿勢に感銘を覚える。

●顧客とのコミュニケーションにも注力
すぎもり通信年1回、常連客への謝意を伝えるべく売り出しを実施している。売り出し日限定の菓子を販売したり、抽選で菓子や温泉宿泊券などをプレゼントしている。来年からは年2回実施する予定とのこと。
得意客には定期的にニュースレターも発送している。これは菓子のことにはほとんど触れず、日々の生活で店長が感じた日記のような内容で、500人程度の顧客に発送し、いろんなコメントが返ってくるとのこと。それとは別に売り出しや新製品のPRなどは紙の色を変え、通常のニュースレターとは別にして発送している。
「菓子屋の主人はお客様にこんなものが美味しいよと勧める立場だと思っており、都会で流行っているプリンやロールケーキなどもやりたいと思っています。ただ、それプラス当店オリジナルでこんなのも美味しいですよと提案できるようにしています。ニーズに対応することも大事ですが、そこで留まってしまうことは極力避け、オリジナリティーを訴求していきたい。」と独自のこだわりを披瀝。

●足元を固め、次なるチャンスに備える
店内の様子金沢に出店できるような商いに育てることが当面の目標である。「まだ能登で大したことがない菓子屋が金沢に出てみてもダメだと思っていますから、まずは能登地区で認知され、それなりの売上ができるようになれば、自然とそんなチャンスも来るのではないか・・・」と冷静だ。
「新しいことに常にチャレンジしていくことを大切にし、雑誌やテレビで紹介していただくこと等を通じて地元の皆さんに少しでも認知されるように努め、お客様に勧められる美味しい菓子づくりを大切にしていきたい。」と自らに言い聞かせるように熱く語る。
いろんなお客様に思いを馳せながら、毎日美味しいお菓子と楽しさを提供できる菓子づくりに一意専心に取り組む店長の思いがひしひしと伝わってくる。

■インタビューを終えて・・・
取材に伺ったのは平日の昼下がり、まだおやつの時刻には間があったが、次々と同店の菓子を求めて客足が絶えない。その接客風景を見ていて驚いたのは、お客様が店を後にする際の見送り方だ。お客様に続いて店長またはスタッフが玄関の外まで出て、お客様一人ひとりに感謝を込めて「ありがとうございました」と腰を90度に折って見送る姿に目を奪われた。日常の来客に対するこの姿勢がファンの心を掴んでいるに違いない。

(平成19年11月取材)
杉森菓子舗 外観商 号 杉森菓子舗
所在地    七尾市田鶴浜り部45
創 業    昭和20年代

従業員 5名
電話番号 (0767)68-2016
定休日 毎週火曜日
URL http://www.s-kashi.com



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