「石川発!お店探訪記」 御菓子処 中條(鹿島郡中能登町) 日本最古のおにぎりの里に因んだ商品づくり

(財)石川県産業創出支援機構「石川発!お店探訪記」金沢・加賀・能登 頑張るお店 では、石川県内の実店舗・ショップを訪問し、取扱商品の特徴・売れ筋、店づくりや店舗展開・経営方針、顧客サービスや今後の課題などを取材して、頑張っているお店の魅力を紹介していきます。

金沢・加賀・能登 頑張るお店 御菓子処 中條
日本最古のおにぎりの里に因んだ商品づくり 御菓子処 中條

昭和62年、旧鹿西町の杉谷チャノバタケ遺跡から、炭化した米の塊が発見された。それは、弥生時代中期の「日本一古いおにぎりの化石」だった。以来、日本最古のおにぎりの化石が出土した町を発信すべく、旧鹿西町では、平成16年まで「おにぎりの里フェスティバル」を開催していた。そんな中、おにぎりをキーワードに新たな町の名物づくりに取り組む御菓子処 中條(ちゅうじょう)の中條一之氏にお話を伺った。


●中條のあゆみ
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創業の詳しい年代は不明とのことだが、現在のご主人・一之氏は4代目にあたり、創業から95年の歴史を有しているという。初代が河北郡津幡町で和菓子店を創業するも、2代目は昭和30年前後に繊維産業が隆盛を極めていた旧鹿西町の能登部駅前に店舗を移転する。その後、先代がロードサイドの現在地に店舗を移し、中能登町を代表する菓子舗として今日に至っている。

●古代米を用いた商品開発グループ「一(はじめ)の会」
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旧鹿西町で、平成4年頃から古代米づくりを始めた農家・谷喜義さんを中心に、平成11年に異業種交流グループ「一(はじめ)の会」が結成され、古代米を使った町おこしへの取り組みがスタートし、中條氏もそのメンバーの一員に加わる。
古代米を素材として、おにぎりの里を売り出せる商品開発に取り組む「一(はじめ)の会」のから、古代米を原料にした日本酒、地ビール、蕎麦、うどん、お茶、そして同店の菓子「一(はじめ)」などが誕生している。一(はじめ)の会という名称をつけたことから、開発された商品にもすべて一(はじめ)と付けられている。この会の活動はスタートから既に10年あまりが経過しており、過去に様々なメディアで取り上げられている。
古代米を用いて中條氏が最初に商品化した「一(はじめ)」は、黒米の粉末をスポンジ生地にほどよくまぶして蒸したどら焼きのような食感の菓子である。
現在の売れ筋商品は、古代米を使った商品が占め、季節によってシリーズで商品化している。


●「縁むすび誕生」
縁むすび
昭和62年に日本最古のおにぎりの化石が発見されたことに因み、平成元年から平成16年まで、毎年行われていた「おにぎりの里フェスティバル」において、何か自らも協賛できる菓子ができないものかと温めていた中から、「おにぎりの里を標榜(ひょうぼう)する町の銘菓として、自分たちが子供の頃に竹皮に包んだおにぎりを竹籠に入れて遠足などに持って行っていた、あのイメージを再現する商品を作りたいと思った。」と開発の動機を語る。
さっそく商品開発に取りかかったものの、饅頭の生地に米を付けることがとても難しく、生地に米を付けるちょうどいい配合の割合を見つけることに苦労する。その生地の中に餡を入れておにぎり同様に三角に握る成形もなかなか難しく、当初は試行錯誤を繰り返し、何度も失敗をくり返した中から、お餅でもなく、お団子でもない、不思議なお菓子「縁むすび」が誕生したのである。もちろん全て手作りで、ご主人と奥さんが一生懸命作り上げている。「1日に500~600個成形する時は、工場内がおにぎり屋さんのような状態ですよ。」と顔を綻ばす。
原料がお米ゆえに日持ちがせず、賞味期限は1~2日と短いが、冷凍したものを電子レンジで加熱または蒸し直しすることで、できたての風味が楽しめるという。それを焼くことで焼おにぎり感覚で賞味することもできる。

●こだわりのパッケージも好評
竹籠に入った縁むすび
縁むすびは、見た目はおにぎりなのに、食べるとおまんじゅうというギャップがなかなか好評のようだ。また、こだわりのパッケージに惹かれて購入する人も多く、食べた後も容器の竹籠は、小物入れなどに再利用できることから、ゴミの節減にもつながり、ある意味、地球環境にも優しい取り組みと言えるのではないか。ただし、この竹籠のパッケージに入った縁むすびを購入したい場合は、事前の予約が必要だ。いきなり来店しても購入できないので要注意。

●ホームページの開設で新たな需要を開拓
ネットショップを開設
同店のホームページは平成19年2月に開設したが、開設1年半足らずで既にホームページでの注文が全体の2割近くを占めるまでになっているとのこと。県内はもとより全国各地から注文が舞い込んでいるようで、リピーターの比率が高いのが特徴だ。「最初はどんなものか面白そうだから試しに買ってみようというお客さんが、話題性で注文してみたら美味しかったからまた買ってくださるというケースが多いです。」と満足げに語る。ホームページの運営管理はご夫婦でやっているが、最近は娘さんも手伝ってくれているとのこと。

●古代米は健康にも良い
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古代米は、現在の稲の原種である野生稲の特徴を受け継いでおり、現在の稲の祖先とされ、玄米の色から赤米、黒米、緑米などと呼ばれている。品種改良された現代の米に比べて収穫量は半分以下と非常に少ないが、現在の稲よりもたんぱく質やビタミン、ミネラル等々を豊富に含んでいることから、健康食品として近年脚光を浴びている。

●家族の温もりを大切にした商い
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金沢からの注文の場合は、宅配便だと翌日になるため、「あったかいものを食べてくださいと当日直接お届けしに行くと本当に喜んでもらえる」と嬉しそうに語る。「家族経営の小さな店なので、自分の目の届く範囲の規模を維持し、お客様とのご縁を大切にしながら菓子づくりに勤しみたい」と堅実な商いに邁進する姿勢を強調する。「縁むすび」は結婚式のお菓子としても重宝され、両家の縁むすびにも一役買っている。
また、今後の展開としては、「地元の食材を使った菓子づくり、例えば中島菜のような能登野菜や金時草のような加賀野菜を使った商品の開発、農家の人と一緒になって物づくりに取り組んでいくことに力を入れていきたい。」と地産地消への取り組みに意欲を覗かせる。

インタビューを終えて・・・
おにぎりの里で生まれた縁むすびというおにぎりの形をした菓子、商品が生まれた背景に日本最古のおにぎりの化石が発見された町という物語性があるのも強みではないだろうか。実に分かりやすくアピール度の高い郷土菓子を創造した中條氏。これからも地元に根ざした安全で安心できる健康にもいいお菓子づくりに邁進してもらいたい。

中條  外観
商 号 御菓子処 中條
住 所 鹿島郡中能登町能登部下92-26
電話番号 (0767)72-2070
FAX番号 (0767)72-2070
創 業 昭和初期
URL http://www.ishikawa-meibutsu.com/


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