「石川発!お店探訪記」 ふる里の味 すみげん (小松市) ふる里の伝統の味一筋に150年余

(財)石川県産業創出支援機構「石川発!お店探訪記」金沢・加賀・能登 頑張るお店 では、石川県内の実店舗・ショップを訪問し、取扱商品の特徴・売れ筋、店づくりや店舗展開・経営方針、顧客サービスや今後の課題などを取材して、頑張っているお店の魅力を紹介していきます。

金沢・加賀・能登 頑張るお店 ふる里の味 すみげん

ふる里の伝統の味一筋に150年余 ふる里の味 すみげん

北前船が日本海を往来していた時代から、海産物・珍味を扱い、本物の味を150年の長きにわたって守り続けている老舗が、小松市三日市商店街に店舗を構えるすみげんである。時代が変わり、人々の嗜好が変化しても、根強い人気の珍味の数々を代々商いとし、空き店舗が点在する商店街の中で一際活気溢れる店を営む5代目の角谷治男さん、ご子息で6代目の角谷亮さんにお話を伺った。


● こだわりの珍味が所狭しと並ぶ
すみげん 店内
地元の人たちの食卓に並ぶ食品を扱う商いであるからには、消費者に対して誠実であることは当然のこととして代々受け継がれてきているだけに、昨今の食品偽装などは論外で、「地元のお客様に感謝しながら商いをさせていただく気持ちを忘れてはいけないと日々自らに言い聞かせています。」と安心・安全な食品を提供することを第一に掲げる。
店頭には、えいひれ、ふぐの糠漬、丸干しいか、塩ふぐ、塩ウニ等々酒の肴としてお馴染みの乾物や珍味が所狭しと並べられている。

すみげんの乾物や珍味
冬場の人気商品であるかぶら寿司は、本来青かぶらを使用するが、同店の場合は、県外からの注文が多いため、臭いが強く癖のある青かぶらではなく、千枚漬け等に使用される癖のない白かぶらを使っているのが特徴だ。初めて食べる人でもあまり抵抗無く食べられることから、お客様から好評を得ている。
「昔から金沢で食べられている青かぶらを使ったかぶら寿司を食べ慣れた方には逆に物足りなく感じられるかもしれませんが、全国のお客様のニーズを考えたすみげん流の差別化です。」と治男社長。

● 亮さんが独学でホームページを運営
すみげん ホームページ
家業を継ぐ際、父である治男社長からの第一声は「ホームページをやってくれだった。」と亮さんは振り返る。その分野はもちろん素人で、何の知識もなかったが、ホームページ製作ソフトを購入したのを手始めに、以後、独学で今日のものができるまでに習熟したという。
同店のホームページを見てまず驚くのは、過去10年間に5万人もの顧客に通販をしているということだ。その大部分は県外からの注文で、しかもリピーターの比率が年々高まってきている。その要因として、珍味類の品揃えの豊富さがまず挙げられる。さらに、通販を利用する顧客の立場になった様々な心憎いサービスもネット販売の伸びにつながっている。

熨斗や包装紙、紙袋などをサービスするというのは、どこの店でもやっていることだが、珍味の場合は生鮮食品と同様のため、特に夏場のクール便発送は不可欠である。クール便を利用する場合、通常の宅配料にプラスされるクール代を同店が負担している。これは新規の顧客をいかにして掴むか、その一つの方策として亮さんが考えたホームページ限定のサービス。「大手のショッピングモールに参加する際の手数料や卸販売のマージンのことを考えると、お客様に直接還元した方がいいと考えています。」と治男社長も顧客満足度を強調する。たしかに数百円のことではあるが、お客様からすると非常にありがたいサービスであり、その分もう1品購入しようかという気にもさせる。

すみげん 糠漬け
また、何種類かの珍味を少量ずつ組み合わせ、割安な価格設定をしたお試しパックも人気だ。そうした工夫も相まって年間の平均客単価は4,000~5,000円、中元や歳暮の時期は1万円を越えることも。購入金額によっては、珍味等の小袋をおまけとして同封し発送している。そのサービスが奏功し、「おまけの珍味が美味しかったから、今度はあれを送って欲しいという注文も舞い込みます。」と顔を綻ばす。とはいえ、売上的には店頭販売が圧倒的に多く、通販の比率はまだ1割弱とのこと。「今後さらにこの比率を伸ばすべく、様々な工夫を採り入れていきたい。」と意欲的だ。

すみげん珍味
珍味の美味しい食べ方、新しい食べ方を提案していくことも大切な仕事と捉えており、その意味でもホームページを活用している。

● 九谷焼ともコラボレーション
九谷焼を販売
同店のホームページでは、食品の他、九谷焼の小鉢やお皿を販売している。その理由を亮さんに伺うと、「たまたま私の知人に九谷焼の窯元があり、伝統食を扱っているすみげんとして、伝統食と伝統工芸品を一緒にお客様にお勧めできないかとの発想からスタートしたもので、中元や歳暮の時期にはオリジナルのセットを数量限定で販売しています。」とコラボレーションにも積極的に取り組んでいる。

すみげん 贈答品
「同様に、頑固親父のお米も、注文が入ってから契約農家で精米し発送しています。」と亮さんが話すと、「来店されるお客様の年齢層はどうしても高めになってしまいますが、ホームページを開設していることで、若い層の新しいお客様が増えてきているのは嬉しい現象です。」と治男社長が後押しする。さらには、ブログを通して全国から『こんな風にやったらもっとおもしろいのではないか』といったアドバイスが届けられたり、中には各地の特産物を好意で送ってきてくれるお客様もいるという。

● 新しい時代に向けて
佃煮の量り売り
「この商売は不況に強いと言われていたが、昨今の不景気の影響は顕著で、とりわけ贈答品関係は、単価が落ちたり、個数が減ったりと目に見えて消費者の財布の紐が堅くなってきています。中元はやめて歳暮だけにするといった動きも見られ、景気低迷の影響は顕著に表れてきています。しかも、今の時代は変化が激しく、あまりにこだわってばかりいると時代に取り残されてしまうような部分もあることから、柔軟な発想で物事に取り組んでもらえればいいと思っています。ただ、伝統的に受け継がれてきている食品をなくすようなことがあってはいけないという意識だけは忘れずにしっかりと持った上で取り組んでいってもらいたい。」と子息へエールを送る。

すみげん ギャラリー
「これからの時代は会社を大きくしていくことはなかなか難しく、確実に、着実に一歩一歩前進していってくれればいいと思っています。」との父の言葉を受け、「老舗だからといってずっと同じ事だけやっていたのではいつかは行き詰まると思います。その意味で、今はビジョンを描きにくい時期ではありますが、インターネットを介してできたたくさんの仲間と情報交換する中から、面白いアイデアが出た時には、挑戦してみたいと思っています。」と亮さんは堅実な中にも内に秘めた闘志を垣間見せる。

インタビューを終えて・・・
全盛期38店舗あった三日市商店街の営業店舗は、現在は15店舗に激減し、商店街は閑散として寂しい状況だ。そんな中で、代々受け継がれてきた商いを父がしっかりと受け継ぎ繁盛させている姿を見て、子息が後を継いでいる稀少な繁盛店である。店まで足を運んでもらうことが難しい時代になってきているだけに、インターネットを介した通販がその部分をうまくカバーし、小粒でもピリリと辛い個性的な商いを確立している。


ふる里の味 すみげん 外観
商 号 (有)ふる里の味 すみげん
住 所 小松市三日市町9番地
電話番号 (0761)22-4214
創 業 嘉永年間
定休日 毎週水曜日
営業時間 9:30~19:00
URL http://www.sumigen.co.jp/



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