「石川発!お店探訪記」 (株)古川商店【シャンボール】(珠洲市飯田町)能登・珠洲に古川一郎が魂込めたパンあり!!

(財)石川県産業創出支援機構「石川発!お店探訪記」金沢・加賀・能登 頑張るお店 では、石川県内の実店舗・ショップを訪問し、取扱商品の特徴・売れ筋、店づくりや店舗展開・経営方針、顧客サービスや今後の課題などを取材して、頑張っているお店の魅力を紹介していきます。

金沢・加賀・能登 頑張るお店 (株)古川商店 (シャンボール)

能登・珠洲に古川一郎が魂込めたパンあり!! (株)古川商店 シャンボール

過疎化が深刻な能登半島・珠洲市にあって、その環境を逆手にとり、そんな状況だからこそ、なおさら珠洲から発信すべく、日本一美味しいパン屋を目指し、日々研鑽している熱きパン職人がいることをご存じだろうか。祖父が創業したパン屋「シャンボール」の3代目として、珠洲の食材にこだわったパンづくりに専念する古川一郎さんの熱い思いを紹介したい。

● 今が真の修業
パンが焼きあがる
「幼い頃、夜中の2時、3時に起きて一日中パンを作り、毎晩くたくたになっている親の姿を見て育ち、こんな大変な商売はしたくないと思った」と述懐する。そんな古川少年だったが、高校卒業が近づいた頃には、家業のパン屋を継ぐことを決意し、大阪と神戸で修業を積み、金沢のパン屋を経て15年前に珠洲に戻って家業を継ぐ。
「修業時代は、言われたとおりの作業をするだけで、自らが考え、試行錯誤を繰り返すモノづくりは一切なかった。その意味で、自分にとって外での修業は家業を継いだ時点でリセットし、古川一郎としてどんなパンを作るのか、それを肝に銘じ、日々修業だと自らに言い聞かせ格闘してきています」と熱く語る。

● 逆境がバネに
おいしいパンが並ぶ
高校を卒業した若者の大部分が都会へ出て働くようになり、地元に戻ってくるのはほんの一部。そんな繰り返しで過疎が深刻化している。その一方で、珠洲市をはじめとした能登半島は自然に恵まれ、海の恵み、田畑の恵みが今の時代には大きな魅力だ。そこに目をつけ、地元で収穫された食材をパン作りに活かすことに取り組んできている。

とりわけ珠洲市には、珠洲の塩、能登大納言小豆、大浜大豆といった県内を代表するブランドとしてその地位を確立している食材が豊富にある。
大浜大豆のしぼりたて豆乳で仕込んだ『大浜大豆と黒糖のパン』、きびもちにヒントを得て珠洲の穀物であるきびを使った『きびのパン』、水を一切使わず能登の濃厚なミルクだけで練り上げた『能登ミルクの食パン』、ごまの風味が香ばしくほろりと残る珠洲の塩の旨みがくせになる『珠洲塩のクッキー』と『珠洲塩のグリッシーニ』など、次々と新商品を世に送り出している。

● 季節の旬を大切に
人気のカレーパン(上)と焼き菓子

そうした地元の食材を活用するにあたっては旬を大切にしている。冬場は、さつまいも、じゃがいも、さといも、キクイモなどの根菜を使ったパンや、珠洲の白菜入りの蒸したて豚まんが人気だ。珠洲産タマネギの甘みがポイントのカレーパンは人気商品で、揚げたてを味わってもらうため、多い日は10回以上揚げるというこだわりよう。「うちのカレーパンは美味しいですよ!」と体全体で表現する一郎さん。

新商品を作る際、奥さんの真美さんの意見は、当店の主要顧客層である女性目線で大いに貢献している。その一例が、能登町の地酒『大江山』の酒粕を使ったシフォンケーキだ。「主人は酒粕が好きではなく、使いたがらなかったが、女性は意外と好きな人が多いことをプッシュして試作してもらい、店頭に並べたところ女性にとても好評です」と笑顔で語る真美さん。夫婦二人三脚で商いが繁盛している一端を垣間見る。

● 地元の顧客を意識したパンづくり
赤崎いちごが入ったマミーフランス
「フランスパンと言えば、あの堅いパンが当たり前と思われがちだが、日本とフランスでは食文化が全く異なるわけで、同じフランスパンでも私は日本人の口に合ったパン作りをモットーにしています」と力説する。とりわけ珠洲の場合は、子供とお年寄りの顧客が多いことから、柔らかくて食べやすいパンが好まれる。
高血圧の人たちに配慮した塩分を使わない『無塩食パン』、乳製品に対するアレルギーのある人のために、砂糖も卵も乳製品も使わずに、珠洲のじゃがいもの甘みだけで作った『じゃがいもとくるみのパン』などを考案し、喜ばれている。

このように、顧客が何を求めているのか、そのニーズに目を向けることを忘れていない。

● 地域密着と全国発信の二本立ての商い
ネット販売限定の食パンときびのパン(下)
地元の食材を使うことは共通しているが、地元の顧客に受け入れられるパンと自らが作りたいパンには自ずとギャップが生じる。もともと珠洲では食事としてパンを食べる習慣がなく、おやつ感覚の菓子パンが売れる地域で、作り手がこだわったパンが店頭で売れるかとなると、価格面も含めて難しいのが現実だ。

そこで、自らが職人として作りたいパンを世に問う一つのツールとして、『古川一郎』のタイトルでホームページを開設。
能登と言えば輪島は浮かんでも珠洲は知名度が低いことから、珠洲をPRしたいとの思いも込め、珠洲の食材にこだわり職人魂で作り上げた独創的なパンを全国に発信している。ネットでパンを購入した人たちが珠洲に興味を持ち、珠洲を訪れるきっかけになればとの思いが強くうかがえる。「口に入れた瞬間に『美味い!』と全身に感動がいきわたるような、そんなパン。
能登のやさしさや能登の風景が浮かんでくるような、そんなパンを作りたい!」と一段と声のトーンが大きくなる。ネット販売では九州からの注文が最も多く、次いで東京、金沢の順。

● 目ざすは日本一美味しいパン
焼きたての食パン
パンはどこでも買える商品だけに、ネットで売る時には、ここでしか買えないこだわりのパンでなければ消費者にアピールできない。「いろんなパン屋が乱立するご時世にあって、『カレーパンの美味しい店は』と尋ねられたら、迷わず『珠洲のシャンボール』とお客さんに評価してもらえるようになりたい!」と拳を握りしめる。

古川夫妻
ここへきて、週末になると加賀方面や金沢から来店する顧客が増えてきていることを実感するようになってきたという。
「男に生まれたからには、珠洲で商売をして小さくまとまるのは自分としては情けない。目標は日本一のパン屋になることと宣言し、自らにプレッシャーをかけ、引っ込みがつかないように自らを追い込んでいる。まだまだ発展途上にあるだけに、まずは能登半島で一番に、次は石川県で一番に、ステップを踏んで登っていきたい。珠洲でパンを焼くことが自分に与えられた役割分担であり、その仕事を通じて珠洲をギラギラと輝かせたい!」と、メラメラと燃え上がる炎のような情熱を内に秘め、今日も黙々と魂のこもったパン作りに没頭する古川夫妻である。
インタビューを終えて・・・古川一郎さんは、目力があり、燃えたぎるパワーと情熱で、珠洲を輝かせるため、こだわりのパン作りに専念する不惑の職人であった。生まれ育った珠洲を愛する並々ならぬ熱き思いが、一つ一つのパンにこめられ、真美夫人がデザインしたパッケージがそのパンを引き立てる。『古川一郎』のパンは夫婦愛そのものなのかもしれない。

(株)古川商店 シャンボール 外観
商 号 (株)古川商店 シャンボール
住 所 珠洲市飯田町11-148
電話番号 (0768)82-0542
営業時間 9時~19時 日曜定休
URL http://www.furukawaichiro.net/


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