「石川発!お店探訪記」 柳田食産(株)(鳳珠郡能登町) 完熟・無農薬のブルーベリーを能登から

(財)石川県産業創出支援機構「石川発!お店探訪記」金沢・加賀・能登 頑張るお店 では、石川県内の実店舗・ショップを訪問し、取扱商品の特徴・売れ筋、店づくりや店舗展開・経営方針、顧客サービスや今後の課題などを取材して、頑張っているお店の魅力を紹介していきます。

金沢・加賀・能登 頑張るお店 柳田食産

完熟・無農薬のブルーベリーを能登から 柳田食産(株)

昨今の健康食品ブームで、からだにいい食材に関心が寄せられている。そんな一つに、アントシアニンが目に良いと言われるブルーベリーがある。県内で昭和58年からブルーベリーの里構想を立ち上げ、地域を挙げて栽培に取り組んできているのが能登町の旧柳田村地区である。この事業を推進する核として設立された第三セクター・柳田食産(株)の福池正人社長にブルーベリーに託す思いを披瀝いただいた。


● ブルーベリーの里への歩み
柳田食品 商品
旧柳田村地区の山林には、もともとブルーベリーの原生種と言われる「ナツハゼ」が多く自生し、各家庭で果実酒として昔から親しまれていた。当時の農協の組合長がこれにヒントを得て、昭和58年にブルーベリーの苗木を導入し、本格的な栽培に着手する。
平成元年には、ブルーベリーを原料とした能登ワイン「猿鬼」が誕生。平成2年には「ブルーベリー村整備構想」を策定。ブルーベリーは、6月終わりから早生種の収穫が始まり、7月が全盛期で、晩生種が9月から10月初めまでで収穫が終わる。
その意味で、稲作との兼業として理想的な果実でもあることから、集団転作による栽培面積の拡大を図り、平成5年には全国初の「全国ブルーベリー祭」を開催し、名実共に柳田村が「ブルーベリーの里」であることを全国に発信する。

平成8年には、植物公園内にワイナリー「柳田村農林産物総合センター・喜の実館」が完成し、第三セクターの柳田食産(株)によってブルーベリーワイン・ジャム・ゼリーなどの特産品を次々と誕生させ、今日に至っている。「山口元村長の強力なリーダーシップと行動力がなければ、今日の能登町のブルーベリーはなかったかもしれない」と述懐する。生産農家も当初の27軒から現在は100軒あまりに増えている。

● 完熟・無農薬にこだわる
柳田食産 ブルーベリー畑
能登町のブルーベリーの売りは、何と言っても『完熟・無農薬』。未熟のうちに収穫すると、追熟によって色は濃くなるものの、酸味がうまく抜けないのだという。そのため、樹上で完熟させてから収穫している。しかも、健康のため安心・安全なもの、環境に配慮し、無農薬栽培を徹底している。

そのこだわりは、生産者のブルーベリーを加工用ではなく、生食を主体に販売したいとの思いがあるからだ。能登町産のブルーベリーは生の果実を販売しているが、ブルーベリーの苗や樹の大敵は毛虫。うっかりしていると一晩で葉を食い尽くされることもある。それでも農薬が使えないため、葉を一枚一枚めくりながら手で駆除するしかない。
さらに、せっかく実った果実を鳥についばまれることがないよう畑全体にネットを張り巡らさなければならず、大変な手間と労力を要する。1本の樹から収穫できる果実は、多くて5kg、平均すると2kg。雨が降ると収穫できず、しかも日持ちがしないため出荷調整が効かず、生産者にとってはリスクの高い果実でもある。

● ジャムも能登町産に全量転換へ踏み切る
ブルーベリージャム(上)と製造工場(下)
スタート当初3トン足らずだったブルーベリーの収量も平成20年には20トンにまで増えてきたことから、ジャムは能登町産のブルーベリーを全量使用する方向に舵を大きく切ったところである。

「これまでのジャムと味が変わってしまうため、バイヤーの反応も二分され、受け入れられるまでに多少の時間を要することが懸念されますが、思い切って全て能登町産に切り替えることを決断しました」と力を込める。

同社のブルーベリージャムは、原料となる実の栽培から行い、混ぜものは一切なく、180g入りのジャムを製造するのに200gの果実を使用する誠実なモノづくりだけに、当然、価格も一般的にスーパーの店頭に並んでいるものと比較すると割高になる。一方、ワインについては、能登町産のブルーベリーは酸味が強くワインに馴染まないため、全体の1割程度地元産を混ぜて醸造している格好だ。

● 子供たちにブルーベリーに親しむ機会を
きのみワイナリー観光農園
喜の実ワイナリーには観光農園が併設されている。
7月の1ヶ月間、9時から16時まで一般開放して摘み取り体験を行っており、毎年1000人あまりの来園があるという。

地元のブルーベリーに親しんでもらいたいとの思いから、小学校入学前の未就学児に限って無料開放している。
料金は中学生以上1,000円、小学生500円。ブルーベリー100gのお土産付き。同時にワイナリーの見学や、ジャム作り教室(料金別途)も体験できる。

● 一番人気はジャム
福池正人社
売れ筋ランキングは、1位ブルーベリージャム、2位果実(生・冷凍)、3位ブルーベリーワインの順。

その他、地元石川の農産物を商品化しようとの思いで、珠洲産のいちごで作ったいちごジャム、珠洲産の梅で作った梅ジャム、能登町産のいちじくとかほく市産のいちじくを使用したいちじくジャムを生産している。
ブルーベリーワインは年間2万5千本を出荷している。

● 味と価格が課題
売店ではお土産に商品が購入できる
ブルーベリージャムを全て能登町産の原料に転換できるか、それが目下の課題である。いくら安全で、安心でも、スーパーの店頭では安い輸入物に押されてしまい、陳列スペースすら確保してもらえないのが現状だ。

能登町の生産現場を少しでも多くの人に見に来てもらうことで、この商品の価値を分かってもらうしかないのかもしれないが、口から入る食べ物だけに、価格で選ぶのではなく、安心・安全を基準に選んでもらいたいものである。
その打開策として、「従来の1kg詰めの容器ではなく、100g程度が入る小さな容器で、気軽にお試し感覚で購入してもらえる商品開発を進めているところです」とのこと。

試飲コーナー(休憩スペース)
これができれば今一歩思い切れなかった顧客にも手を出してもらえるのではないだろうか。スーパー等にこうした商品が並ぶようになれば、新たな顧客が増えるに違いない。
「地元産100%で、安心できる安全なモノづくりに徹していけば、必ずお客さんに受け入れてもらえると考えています」と自社を地元産の農産物を加工するメッカに育てていくことに情熱を傾注する福池社長である。

インタビューを終えて・・・
せっかく地元に素晴らしい食材があっても、消費者が知らなければ売れないわけで、知ってもらう努力が何よりも大切だ。その意味で、能登町の特産品を集めて金沢市内で紹介するアンテナショップを設けてはどうだろうか・・・。このブルーベリーの果実の美味しさを多くの人に知ってもらいたいものである。是非ホームページからご注文を。

田食産(株) 外観
商 号 柳田食産(株)
住 所 鳳珠郡能登町字上町イ部46-6
電話番号 (0768)76-8100
設 立 平成7年
URL http://www.notoberry.com/


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