「石川発!お店探訪記」 シュークルグラス(珠洲市飯田町) 珠洲の自然に育まれた愛情満載スイーツ

(財)石川県産業創出支援機構「石川発!お店探訪記」金沢・加賀・能登 頑張るお店 では、石川県内の実店舗・ショップを訪問し、取扱商品の特徴・売れ筋、店づくりや店舗展開・経営方針、顧客サービスや今後の課題などを取材して、頑張っているお店の魅力を紹介していきます。

金沢・加賀・能登 頑張るお店 シュークルグラス 

珠洲の自然に育まれた愛情満載スイーツ シュークルグラス

能登半島の先端に位置する珠洲市において、地元産の食材を使い地元に愛される菓子づくりに徹し、珠洲の新しい名物を誕生させている店があると聞き、珠洲を目指して出かけることにした。その店は、珠洲市飯田町で祖父の代から菓子店を営む友広和昭氏の店「シュークルグラス」。地元に根づいた菓子づくりに定評のある和昭氏のこだわりとは...。

● 自然な流れで菓子職人に
シュークルグラスの店内の様子和菓子店の子供に生まれ育ち、幼い頃から自ずと後を継ぐことを心に決めていた和昭氏は、高校を卒業すると大阪の製菓専門学校へ進み、菓子作りの勉強をする。

修業するにあたって、和菓子店へ行ったものか洋菓子店に行ったものか迷い、父親に相談すると、『これからは和菓子も洋菓子もできる店にした方がいいのでは・・・』とアドバイスされ、大阪の洋菓子店に就職し、7年あまり修業を積み珠洲の実家に戻る。
父親が営む和菓子店のすぐ近くで三代目は手づくりケーキの店「シュークルグラス」をオープンする。店名のシュークルグラスはフランス語の粉砂糖のこと。

この店名にした思いを伺うと、「菓子職人として修業していた時、なかなかケーキには触らせてもらえず、ようやくケーキに触らせてもらえたのがモンブランに粉砂糖をかける作業だった。これでようやくケーキ職人としての第一歩を踏み出せたことから、初心を忘れないで頑張ろうと自らに言い聞かせる意味でこの名前をつけました」との答えに和昭氏の人柄を痛感する。

● 珠洲市の花「やぶつばき」をイメージした洋菓子
ドライクランベリーがアクセントの「やぶつばき」当初は、ケーキ店として一般的なケーキがショーケースに並んでいたが、馴染み客や母親からの『珠洲らしい洋菓子を作って欲しい』との一言が、地元の食材を使った珠洲らしさを感じる菓子づくりに取り組むことになったきっかけである。
その中で、珠洲市の花である『やぶつばき』をモチーフにしたものができないかと試行錯誤を重ね、五角形で花の形を表現した焼き菓子に辿り着く。生地に練り込んだ生クリームが軽い口当たりと濃厚な味わいを両立させ、中に入っているドライクランベリーがアクセントの「やぶつばき」が完成する。
愛らしい花の形が好評で、日常使いはもちろんのこと進物にも重宝され、珠洲を代表する名物として定着してきている。

自分たちが生まれ育った珠洲の地元で収穫された食材を可能な限り使用し、マーガリンを使用せずにバターを使用することにだわり、人工的な余分なものは極力使用せずに美味しいケーキを作る。これがケーキ作りのポリシーである。珠洲産の食材であれば何でもいいというわけではなく、菓子として販売する以上は安定して入手できるモノで、採算面でも無理のない食材でなければならない。と同時に、奇をてらったものよりも、オーソドックスな食材の中から新たな利用法を再発見するパターンが主のようだ。

● 珠洲の塩が味のポイントに
天然塩クッキーと天然塩マドレーヌ次に着目したのは珠洲の天然塩とにがりだ。それらを使って誕生したのが、ゴマ入りとプレーンの天然塩クッキーである。

さらに、発酵バターとフレッシュバターに珠洲の天然塩とにがりを使って完成させた天然塩マドレーヌがある。
これは食べた瞬間にチーズが入っているかのような錯覚を覚える濃厚な味わいが好評で、甘い中に塩気をかすかに感じさせることで甘みがより一層引き立つ。姫路菓子博での金賞受賞がその美味しさの証でもある。

● 能登大納言がスイーツに
能登大納言 焼き菓子で人気ナンバーワン能登ふるさと博の開催に合わせて新たな創作菓子を作るべく、和昭氏が目を付けたのが能登大納言小豆である。能登空港で行われたお茶会のお菓子に使われ、来場者の評判も上々で、早くも同店の新たな看板商品になっている。
小麦粉は使わずに石川県産コシヒカリの米粉と抹茶の生地に能登大納言小豆とクリームをたっぷりサンド。米粉のもちっと感とクリーム、小豆のバランスが絶妙で、同店の焼き菓子で人気ナンバーワンというのも頷ける。

● 日々季節を感じるスイーツづくりに邁進
お菓子の詰め合わせセット季節商品の中には、抹茶の冷たい生地の中に、母親が炊いた餡を入れた親子のコラボレーションで完成したケーキもある。

最近仲間入りしたスイーツは、後谷農園のさつまいもを使ったスイーツ。何度も試作を繰り返し、あえてなめらかなスイートポテト風にはせず、さつまいもを食べている食感を残すことに腐心した一品だ。
「当初は砂糖を少しだけ入れてみたものの何か物足りず、そこへ珠洲の塩を入れたところ味がひきしまって納得のいくさつまいものスイーツが完成しました」と顔を綻ばす。ここでも珠洲の塩が活躍。

● バースデーケーキも人気
バースデーケーキも人気!ケーキ屋さんと言えば、バースデーケーキを忘れてはいけない。
同店では、お子さんの要望に応じて、キャラクターのイラストを描いたもの、子供の顔写真を転写したもの、キャラクターのオブジェを飾ったもの、フルーツをたっぷり盛りつけたものなど、様々な要望に応じたオーダーメイドのバースデーケーキを作ってくれることから年間を通してコンスタントな注文がある。

ガラス瓶に入ったプリンは、家で食べた後、その容器を同店へ返却すると1本につき30円を返却するというエコな取り組みも行っている。

● 次なる課題はインターネット通販
奥さんはインターネットを活用した通販を立ち上げたいと思っているものの、和昭氏は「大量に注文が入った場合に自分一人ではとても製造が追いつかず、お客様にご迷惑をかけることになってしまうので、まだ時期尚早です」と慎重姿勢を貫く。
そんなわけで、ホームページで購入できるようになるのはもう少し先になりそうだ。

● 前向きなモノづくりに徹す
「地元の食材を使った美味しいスイーツを全国に発信していくことが夢」と語る和昭氏。マスコミやインターネットで同店のことが紹介されるようになり、昨年あたりから地元の常連客に混じって、珠洲市外や金沢からわざわざ買いに来る新規来店数が伸びてきているという。

今は珠洲で収穫される食材が主であるが、能登町のブルーベリーなども使い始めており、徐々に能登半島に広がってきている。
こうしたスイーツづくりができるのも、四季の移り変わりを感じられる豊かな自然が残る能登半島にあるからで、過疎の進む逆境を前向きに捉えるポジティブさが、次々と新商品を作り出す原動力に他ならない。

インタビューを終えて・・・
職人気質で口数少なく、必要最小限のことしか喋らないご主人。物静かな中にも美味しいケーキづくりにかける情熱を感じさせられた。店頭では明るく朗らかな奥さんが接客し、夫婦のバランスで商いが繁盛していることを実感。

シュークルグラスのお店の外観商 号 シュークルグラス
住 所 珠洲市飯田町10-1
電話番号 (0768)82-6656
創 業 昭和21年(和菓子店)
シュークルグラスは1995年
営業時間 9時~19時 木曜定休


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