「石川発!お店探訪記」 おはぎ屋(白山市白山町) 有志が結束し、鶴来の活性化に一石を投じる

(財)石川県産業創出支援機構「石川発!お店探訪記」金沢・加賀・能登 頑張るお店では、石川県内の実店舗・ショップを訪問し、取扱商品の特徴・売れ筋、店づくりや店舗展開・経営方針、顧客サービスや今後の課題などを取材して、頑張っているお店の魅力を紹介していきます。

金沢・加賀・能登 頑張るお店 おはぎ屋 

有志が結束し、鶴来の活性化に一石を投じる おはぎ屋

白山麓への玄関口・白山市(旧鶴来町)のシンボルと言えば白山比め神社である。かつては茶店が軒を連ね参拝客が往来し栄えていた表参道だが、車社会の到来でバイパス沿いに駐車場が整備されたことで、近年ではその存在すら忘れかけられている。この表参道を往時のように活性化させたいと、鶴来の有志がしらやまさん表参道振興事業協同組合を設立し、その情報発信拠点として『おはぎ屋』をオープンして3年が経過した。同組合参事の辻貴弘氏に現状を伺った。

● 白山さんの表参道に活気を再び
おはぎ屋の店内昭和40年代前半まで、現在『おはぎ屋』になっている建物は、白山さんに参拝する人たちの休み処として使われていた。
ところが、山側にバイパスが通り、それに面して白山さんへの参拝者用駐車場が整備されたことで、従来までの電車で鶴来まで来て表参道から上がって参拝する人が激減した。人の往来が途絶えたことに伴い、表参道周辺にあった商店が一つ減り、二つ減りと廃業し、今では豆腐屋が1軒残るのみとなり、往時のことを思うと寂れた状態になっていた。

辻貴弘氏何とか昔のような賑わいを取り戻したいと、町の活性化に情熱を傾ける有志9社の社長が集まり、しらやまさん表参道振興事業協同組合(理事長 出口 勉 出口織ネーム社長)を設立し、神社に寄進されたこの建物を活用して『おはぎ屋』を18年8月にオープンする。

● 単なる物販店ではなく情報発信拠点
生活雑貨、醤油、味噌等の販売北陸鉄道石川線・加賀一の宮駅内にあったNPO法人「加賀白山ようござった」の事務局もおはぎ屋の中に移し、辻貴弘元事務局長が同店の店長を兼務する形で常駐している。
ここでは、有志9社が扱っている生活雑貨、醤油、味噌、おはぎ、笹寿し等の販売、十割そばをはじめとした軽食の提供、周辺農家の朝採れ野菜の即売といった物販だけにとどまらず、ようござったのガイドツアー、レンタサイクルの手配、まちの駅としての観光案内といった情報発信のキーステーションとしての機能を備えているところが他にない特徴でもある。

ここで扱っている商品は、金沢の『名鉄エムザ』や東京有楽町にある石川県のアンテナショップ『加賀能登金沢江戸本店』においても販売されているほか、各地の物産展にも出展している。また、名古屋・大阪の石川県事務所においても販売する方向で準備を進めているとのこと。
さらには、産業観光の一環として笹寿司づくりの体験も行っている。笹寿司を3個作ることができる専用の木製の押し器も付いて1000円と格安なことから、団体での申込みがコンスタントに入っているとのこと。と同時に、笹寿司を12個または24個作る桶は石川県観光連盟の推奨土産品にもなっており、県外からの注文が入ると笹寿司の中身も入れて宅配便で発送している。

おはぎ屋オリジナル商品を次々と開発
売れ筋ナンバー1のおはぎ組合員各社の商品を活用し、おはぎ屋オリジナル商品の開発にも余念がない。

笹寿司は土井原農場の米、高野酢造の酢、明峰工芸の笹寿司の桶といった形で協力し、一つの商品ができあがっている。
どぶろく饅頭は土井原農場のどぶろくとながおか菓子舗のコラボレーションで生まれている。大屋醤油の醤油や味噌をベースにした和田屋の商品。おはぎ入りソフトクリームは、試行錯誤を経て、無添加のミルクにおはぎを入れ込む方法を考案した新商品で、1日400本出たこともある人気商品だ。

人気のおはぎ入りソフトクリームこのように組合が設立されてから次々とオリジナル商品が生まれている。売れ筋ナンバー1は店名にもなっているおはぎ、2位は笹寿司、3位はソフトクリームの順。同店の食品は、可能な限り無添加で食の安全や環境に良い物を心掛けている。

● おはぎ屋が表参道へ人を呼ぶ
おはぎ、笹寿し等の販売、周辺農家の朝採れ野菜の即売この組合に参加しているメンバーは、自分たちが商売として儲けることは二の次で、この地域が神社と共に栄えることを願って立ち上げているだけに、3年あまり経過しているが、商売としては赤字が続いている。

ここができるまで、恐らく99%の人がバイパス側の駐車場に車を停めて白山さんに参拝していたと思われるが、おはぎ屋がテレビや新聞、雑誌などに紹介されたことで、人の流れが戻ってきており、平日でも100人程度、休日になると300~400人がこの表参道を通って白山さんへ参拝しているとのことで、表参道の活性化に大いに貢献している。
そのおかげで加賀一の宮駅前に唯一残っていた豆腐店の売上も3倍に増え、後継者もできたという相乗効果も生まれている。

● ホームページでの通販も視野に
おはぎ屋のホームページ現在の おはぎ屋のホームページは、同店で扱っている組合員9社の様々な商品を紹介してある。
あとはカゴに入れてクレジット決済するページを追加すれば通販できる状態にあることから、その点について伺うと、「現段階では電話注文があれば宅配便で発送したり、中元や歳暮といった進物需要にもその都度対応していますが、ホームページはまだそこまで追いついていないのが現状です。昨年、全国中小企業団体中央会さんの補助を受けてホームページをリニューアルしましたが、もう一段階進めてホームページ上で決済できる形に近い将来もっていきたい」と課題の一つとして捉えている。

● 商いとして軌道に乗せるために...
おはぎ屋の店内そもそも儲けるために始めたことではなく、実際赤字が続いているが、商売である以上は何とか収支トントンに持っていかなければならない。
そのためには店内の売上だけでは限界があることから、昨年は産業創出支援機構のファンドを活用して売れる商品開発に取り組み、今年は東京・有楽町の加賀能登金沢江戸本店で12アイテムの商品を陳列し、試験販売をスタートさせたところだ。

「おかげさまで東京に初めて鶴来の商品を出すことができました。今年の目標は、単にこちらの商品を東京で販売するだけでなく、関東の人を鶴来に呼び、例えばこの醤油はここでこんなふうに造られていることを見てもらうモニターツアーも企画しています。石川を知ってもらうことができれば、商品により一層興味を持ってもらえ売上げにもつながるわけで、そこまでファンドを活用してもっていきたい」と表参道ひいては鶴来の活性化に意欲をにじませる。

インタビューを終えて・・・
平成21年10月31日を境に北鉄石川線は鶴来駅止まりとなり、加賀一の宮駅までは電車が来なくなる。その危機感もあって、組合員一丸となって「地域を元気にすること」をキーワードにおはぎ屋の魅力づくり、情報発信に躍起になっている。鶴来の町に一つでも二つでも魅力ある拠点を作ることに汗を流すメンバーに協力する地元企業がさらに増えることを願って止まない。

おはぎ屋 外観商 号 おはぎ屋
住 所 白山市白山町レ122-1
電話番号 (076)272-5510
営業時間 平日9時~16時30分
土・日・祝~17時30分
定休日 年中無休
URL http://ohagiya.com


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