「石川発!お店探訪記」 みなみ酒販(小松市土居原町)「旨い酒を 旨い時に 旨い状態で」をモットーに頑張る町の酒屋さん

(財)石川県産業創出支援機構「石川発!お店探訪記」金沢・加賀・能登 頑張るお店 は、石川県内の実店舗・ショップを訪問し、取扱商品の特徴・売れ筋、店づくりや店舗展開・経営方針、顧客サービスや今後の課題などを取材して、頑張っているお店の魅力を紹介していきます。

金沢・加賀・能登 頑張るお店 みなみ酒販

「旨い酒を 旨い時に 旨い状態で」をモットーに頑張る町の酒屋さん みなみ酒販


バブル崩壊後の景気の低迷、リーマンショック後の個人消費の落ち込みで、シャッター通りと化した小松駅前のサンプラザ中央通り商店街。ここへきて小松製作所小松工場の閉鎖、小松大和の22年閉店と、暗いニュースが追い討ちをかける状況下にあって、4代目店主が御用聞きや配達に飛び回り、母親と愛妻が店を守って頑張っている数少ない町の酒屋さん・みなみ酒販に伺い、おかみさんと4代目店主の南 健太さんにお話を伺った。


● 環境の激変に追いつかず
サンプラザ中央通り商店街
昭和から平成にかけて、小松市内にも大型ショッピングセンターの出店が相次ぎ、車社会の進展、バブル崩壊で商店街は一気に廃れていく。

先代が商店街振興組合の理事長を務めていた頃までは、まだ商店街としてイベントを行ったり、一致団結して誘客に向けた売り出しを行ったりしていたようだが、先代が急死して以降は、まめに世話をする人がいなくなり、商店街活動も失速し、商店街としての機能をなしていないのが実情のよう。

4代目と同年代で後を継いだ若手たちは、自店の商いが忙しいために商店街全体の世話をする暇がなく、商店街を引っ張るリーダーの不在もあって年々寂れる一方である。「以前は商店街の中に店を構えていれば、それで商売が成り立ちましたが、今は店を開けているだけではお客さんは来てくれません。商店街としての体を為していない今は、自分の店にいかにしてお客さんに来ていただくか、今あるお客さんをいかに大事に守っていくか、そこにかかっています」とおかみさんは力を込める。

● 「仕事はちゃんとしろ」が先代の口癖
みなみ酒販
先代は、とにかく全ての面において几帳面で、店内はもちろんのこと、倉庫内も誰が探しに行ってもすぐ分かるように在庫商品がきちんと整理整頓されていたそうだ。その点は健太さんの苦手な部分とか。

「整理整頓はもちろんのこと、商売全般についても親父のように細部まで気を配ったことが全くできていなくて、親父から『ちゃんとしろよ』といつも注意されていたことが常に頭を過ぎります」と苦笑する。
その足りない部分をおかみさんと奥さんのあいかさんがうまくカバーし、みなみ酒販のチームワークが形成されている。

● 愛妻あいかさん手作りのホームページが奏功
みなみ酒販 ホームページ
みなみ酒販のホームページを見ると、とても素人が製作したとは思えない完成度の高いものになっている。

4年前にホームページをアップした際、「1年間だけ試験的にやってみようか・・」そんな思いで奥さんのあいかさんが独学で立ち上げたもの。時を同じくして楽天に出店したことで、ホームページへのアクセス数が日に日に増え、1日に100人、200人とアクセスがあり、お客さんから『ホームページが見にくい』といったクレームがあると、その都度、あいかさんが修正を加え、人気のあるホームページのレイアウトを参考にしながら試行錯誤を重ね、そうした繰り返しで今日の形に充実してきたという。

● 誘客の一因となるプラスα
駄菓子
現在のみなみ酒販の売上構成比は、楽天が1割弱、飲み屋さんを含めた飲食店向けが3割、残り6割強が店頭販売と一般家庭向けの配達から成る。
「バブルが崩壊し、商店街に空き店舗が目立つようになった頃、亡くなった主人が、このままでは酒屋はなくなるとの危機感を持ち、酒類だけでなく、ついで買いしてもらえる割れせんべいなどの駄菓子、コラーゲンなどの健康食品関連の商品も置くようになりました。
みなみ酒販
こうした健康食品は、置いてあれば売れる商品ではなく、お客さんに啓蒙することで気に入ってもらえれば、それが口コミで広がっていく地道な取り組みですが、それでもしっかりと固定客を掴んでいます」とおかみさん。

● 先手先手の商い
地酒が並ぶ
日本酒については、遡ること三十数年あまり前、先代とおかみさんが石川県の酒を主軸にして商いすることを決め、当時県内にあった47蔵元の酒を全て店頭に揃えて販売し始めたという。それから長い歳月を経て地元のお客さんの支持を得て残ったのが現在扱っている蔵元とのこと。

時代の先を読んだ積極的な商いが先代の真骨頂だったようで、「ウイスキーでも主人はシングルモルトが好きで、珍しい逸品を仕入れお客さんを掴んでいました。
泡盛や焼酎の瓶からの計り売りを早くから採り入れるなど、アイデアマンでもあった」とおかみさんは述懐する。

● 創業100年を機に「生の松(いけのまつ)」を復活
生の松
明治33年から昭和18年まで、みなみ酒販の本家である南酒店は小松市荒木田町で酒造業を営んでおり、その時の主要銘柄が「生の松」だった。

みなみ酒販の初代・南善造氏が南酒店から分家し、大正7年に南酒店の支店として創業し、今日のみなみ酒販に至っている。
4代目の健太さんが創業100年の節目に、当時の酒を復活することを思い立ち、現代の名工として知る人ぞ知る鹿野酒造の農口尚彦杜氏とみなみ酒販のコラボレーションで、「生の松」が復活する運びとなり、ラベルも当時貼られていたものを復刻させた。

● 町の酒屋を堅持
みなみ酒販 外観
酒類販売の世界も安売り量販店の台頭、コンビニやスーパーでも酒類が販売されるなど、町の酒屋さんを取り巻く環境は、極めて厳しい。そのうえ、小松駅周辺では小松工場の閉鎖、22年の小松大和の閉店が決まり、益々来街者が激減することが予想される。

みなみ酒販
「酒屋にとって、お中元やお歳暮といったギフトの時期は一番のかき入れ時ですが、不景気の影響で従来まで1軒あたり5千円だった予算が3千円になるというように、全体的に単価が下がってきているところへ、小松工場の閉鎖や小松大和の閉店と、益々厳しい環境になり、正直この先どうなるのか不安でいっぱいです」とおかみさんが複雑な胸の内を。「厳しい環境になっても親父が言い残してくれた『ちゃんと仕事をする』ことを肝に銘じ、お客さんを大切にし、昔ながらの町の酒屋さんとしての商いに邁進していきたい」と、若き4代目は決意を新たにする。

インタビューを終えて・・・
かつては活気のあったサンプラザ中央通り商店街も今は閑古鳥が鳴いている。そんな中で個店の魅力を発信して頑張っている数少ない店の一軒がみなみ酒販である。そうした元気ある店の若手後継者たちが連携し、再び商店街に人と活気を呼び戻してもらいたいものである。

みなみ酒販 外観
商 号 みなみ酒販
住 所 小松市土居原町255-3
電話番号 (0761)24-0536
創 業 大正7年
営業時間 8時30分縲鰀20時
定休日 水曜日
URL http://www.rakuten.co.jp/minamishuhan/


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