「石川発!頑張るネットショップ」(株)エース(金沢市)お客様の立場に立った店づくりで永続企業へ

(財)石川県産業創出支援機構の「石川発!お店探訪記」加賀・能登 頑張るお店 は、石川県内の実店舗・ショップを訪問し、取扱商品の特徴・売れ筋、店づくりや店舗展開・経営方針、顧客サービスや今後の課題などを取材して、頑張っているお店の魅力を紹介していきます。

お客様の立場に立った店づくりで永続企業へ (株)エース

吉田カバン。鞄好きはもちろんのこと、そうでない人でも名前だけは聞いたことがあるであろう日本を代表する鞄ブランドである。吉田カバンの製品を実店舗とネットショップで商い、堅調に業績を伸ばしているのが、金沢市竪町に本社を置く(株)エース(乙村要介社長)である。
同社のネットショップならびに実店舗の責任者である松田卓也部長にお話を伺った。


● 新しい発想で販売を革新する血を継承

吉田カバン(ポーター)ブランドの財布と小物がずらり同社は、現社長の祖父が大正10年、金沢市七ツ屋町にて履物店を創業したのが始まり。昭和2年に横安江町商店街に移転。昭和38年に二代目が履物店から靴店に業態転換。三代目の現社長が昭和55年に入社後、積極的な多店舗展開で業容を拡大する一方、靴安売りの全国チェーンの台頭を契機に、在庫経費の嵩む靴店に見切りをつけ、平成8年、吉田カバン専門店『クールキャット』を竪町パティオに出店し、靴店から鞄店へと業態転換する。

「ビジネスバッグ」をテーマにした吉田カバン「ポーター デバイス」。先代、現社長ともに時代を読む先見性に富んだ経営者であることが、同社の歩みから見て取れる。さらに、遡ること10年前の平成12年には、クールキャットのホームページを立ち上げ、いち早くネットビジネスにも着手している。


● スリムな経営体質に転換

吉田カバン正規取扱店「クールキャット」実店舗の様子平成18年頃まで10店舗あまりの実店舗を展開していたが、長引く消費不況を乗り切るべく、店舗のリストラを断行し、吉田カバンを中心に扱う竪町本店『クールキャット』、金沢駅前フォーラスの『クラチカ』(吉田カバンのフランチャイズ)、それに本店2階にあるセレクトショップ『86』の3店舗に集約する。

ちょいレトロなバスク柄のポーター流ナチュラルマリン。その一方で、ネットビジネスの伸びは著しく、同社が運営する『クールキャット』、『お財布屋』、『86』のホームページは、楽天やヤフー、アマゾンにも出店しており、同社の鞄類の売上全体(クラチカ除く)の8割近くをネットショップが稼ぎ出しているのが現状だ。

● 10年前に手作りでスタートしたホームページ

クールキャットのホームページ同社のホームページは、松田氏が入社した翌年(平成12年)、「これからはインターネットの時代だから...」との乙村社長の指示を受け、松田氏が手作りで始めたもので、自ら製品の写真を撮り、1点1点アップしてアイテム数を蓄積してきた結果、10年の歳月を経て現在の本格的なページに充実してきたもの。

楽天市場にも出店「吉田カバンの製品は定番として長年変わらないものが多く、商品が次々と入れ替わる商材とは異なり、アイテムを蓄積していけるため、当社のような少人数でも対応でき、その点はネット向きの商品なのかもしれません」と謙遜する。

「お財布屋」ネットショップそうして蓄積されたアイテム数は約1,800点に上る。ネットショップはスタートから6年を過ぎたあたりから認知されるようになり、売上も軌道に乗り始め、通販部門と実店舗部門を分離し、それぞれに専任スタッフを置く形にはなったが、実店舗の奥に通販部門があり、互いに協力しながら商品の管理運営が行えることが強みでもある。


● 吉田カバン+αの品揃えに転換

金沢市竪町「クールキャット」店内の様子吉田カバンの魅力を伺うと、「真面目にモノづくりに取り組んでいる姿勢が伝わってくる信頼できる商品だけに、売る側の我々にとっても自信を持ってお客様に勧めることができます」と熱く語る。長年愛用することを考えると国内で修理対応できる点もお薦めのよう。

『クールキャット』の店頭に並ぶ商品は、8割が吉田カバン、残りの2割がその他ブランドとなっているが、売上構成比では95%を吉田カバンが占める。その点について、「吉田カバンへの依存度が高すぎる点は危惧しており、新しい柱となる商品を育てたいと思い、3年ほど前から新たな商品も扱い始めています。いずれも国内で修理やアフターケアが確実にでき、お客様にご迷惑やご不便をおかけすることのない商品だけを扱っています」とこだわりを披瀝。

吉田カバン正規取扱店クールキャット 人気ランキング平成18年に吉田カバンのフランチャイズショップである『クラチカ』をオープンしたのを機に、商圏が近いこともあり、竪町の『クールキャット』は吉田カバンを中心としたセレクトショップへと変化させてきている。近年はオリジナル商品を強化したいとの社長の考えで、昨年末と今夏の二回、それぞれ百本ずつオリジナル商品を発表し、1カ月あまりで完売。こうしたオリジナル商品への取り組みを今後も継続し、核である吉田カバンへの依存度を少しずつ下げたい考えだ。


● ネットショップのデータベースは財産

吉田カバンの顧客層は幅広く、20代前半から50代後半まで、男性客が圧倒的に多い。メインは20代後半から30代半ば。近年は女性客も増えてきているという。

吉田カバン・ポーター 小物(キーケースなど)ネットショップでは、大都市圏の東京、大阪の順で注文件数が多く、全国各地から月平均1,800~2,000件の注文があるとのこと。2年~3年に1回の間隔で再来店する顧客が主流だが、中には3カ月に1回程度買い物するヘビーユーザーもいる。同店のホームページに掲載されている人気商品ランキングに黒の鞄が多い理由は、男性客のウエイトが高いためだ。

クールキャットで扱っている吉田カバンの商品たち店舗と顧客をつなぐメールマガジンは、今のところ不定期発信となっているが、「できれば1週間に1回程度は配信したいところですが、現実には日々の業務に追われて間隔が延びがちになっています」と苦笑する。メールマガジンでは、新商品の案内や人気ランキング、その時期の特設コーナー、例えばクリスマス、バレンタインデー、就職など、その時期に相応しい商品を紹介している。


● 魅力ある個店をめざし

(株)エース 松田卓也部長10年あまり運営してきているホームページではあるが、他店がどのような取り組みをしているのか、いろんな情報収集を目的に今般ISICOの『お店ばたけ』に新規出店した。
「鞄のショップは安定した売上を稼ぐまでになってきましたが、まだ発展途上のサイトもあり、販売する商材によって相応しいやり方が異なることから、そうしたアドバイスや情報を出店されている皆さんからいろいろ勉強させていただき、アンテナショップでもある実店舗とネットショップをバランス良く伸ばしていくことが今後の課題です」と謙虚に語る。

店内に飾られたポーターのフラッグ竪町商店街の通行量が目に見えて減少している昨今、実店舗の売り上げはこのところ減少傾向のよう。「空き店舗や更地が点在する現状ではなかなか難しいものがあります。そんな中で、個店としてお客様を惹きつけるだけの魅力ある店にクールキャットを育てていくことが我々にとっての日々のテーマです」と語る目線の先には、自社・取引先・顧客の三方がハッピーになれる理想の青写真が見えているに違いない。

インタビューを終えて・・・
同社の社名であるACEは、All Customer Enjoyの頭文字からきている。全てのお客様に楽しんでいただくことを商いの目標に掲げ、日々邁進するエースグループの5年後、10年後が楽しみである。


クールキャット 店舗外観店舗名 (株)エース
住 所 金沢市竪町44 エースビル1階
電話番号 (076)223-8880
創 業 大正10年
URL http://www.ace-company.net/~coolcat/


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