「石川発!頑張るネットショップ」 (株)鍵主工業(珠洲市蛸島町) 日本で唯一、珪藻土七輪の産地・珠洲が誇り

(財)石川県産業創出支援機構の「石川発!お店探訪記」加賀・能登 頑張るお店 は、石川県内の実店舗・ショップを訪問し、取扱商品の特徴・売れ筋、店づくりや店舗展開・経営方針、顧客サービスや今後の課題などを取材して、頑張っているお店の魅力を紹介していきます。

日本で唯一、珪藻土七輪の産地・珠洲が誇り(株)鍵主工業


日本で唯一、珪藻土七輪の産地・珠洲が誇り(株)鍵主工業

遡ること2000万年~1200万年前、能登半島の海中に珪藻(けいそう)というプランクトンの遺骸が堆積したのが珪藻土(けいそうど)である。珠洲の珪藻土の層は、深いところで500mもあり、日本一の埋蔵量を誇る。江戸時代初期から一般家庭の竈(かまど)や製塩竈の材料として使われていたが、明治時代になると、七輪などの製品として販売されるようになり、全国の家庭に普及していった。日本で唯一の珪藻土産地・珠洲を代表するメーカーである(株)鍵主工業の鍵主哲社長にお話を伺った。


● 珪藻土七輪の現状

珪藻土七輪珠洲の珪藻土七輪ガス調理器のみならずIH調理器までもが各家庭のキッチンに普及している今、なかなかお目にかかることはないが、昭和30年代頃までは、プレス成型された珠洲の珪藻土七輪が全国の家庭で活躍し、とりわけ焼き魚の美味しさは現在の調理器具の比ではなかった。

kaginushi_02.jpg時代の流れ、生活様式の欧米化、都市ガスの普及にともない、次第に七輪が家庭から姿を消し、生産量が激減した時期を経て、平成の時代に入り、こだわりを持った人たちの間で、珪藻土七輪が見直され、一般的なものでは旅館の一人用七輪、特注では焼肉店の無煙ロースターの中に組み込まれた七輪など、復権の動きが顕著になってきている。さらに、近年はより本物指向の人たちや料理店向けに、珪藻土の切り出しから手作業で製造した切り出しコンロが人気を集めている。


● 13年あまり前にホームページを開設

kaginushi_03.jpg遡ること13年あまり前から、ネット通販で新規顧客を開拓すべく、鍵主社長の手づくりで珪藻土七輪を紹介するホームページを開設。

ネットショップの売上推移を伺うと、「売上がここへきて下降気味だったことから、売れるネットショップの作り方、運営方法等を勉強することを目的に石川県産業創出支援機構の『お店ばたけ』に新規出店させてもらったところです。ウチがホームページを開設した当時は、ネットに商品を掲載しておくだけで売れていく時代だったことから、忙しさにかまけてそのままになっていました」と苦笑する。

珪藻土コンロでバーべキューを同社の売上の大部分を占める耐熱レンガの製造は、景気に大きく左右され、設備投資が落ち込むと受注がなくなることから、景気に左右されることなく安定して販売できる珪藻土コンロの製品群で、「景気の影響を少しでもカバーできるように持って行きたい」との思いが、ネット通販のテコ入れへとまた、『お店ばたけ』への出店を後押ししたようだ。


● 顧客の立場になった商いの重要性に気付く

珠洲市の名産 珪藻土七輪、こんろ「テレビで紹介されると驚くほど問い合わせや注文が入るのは嬉しいのですが、火の起こし方が分からない、炭の使用量が不適当、コンロの手入れの仕方が分からない等々の基本的な知識を持っていない人たちが多いことを痛感させられ、我々メーカーの責任として、正しい使い方をきちんと伝える努力を怠ってきたことを思い知らされました。そのことを今の段階でしっかりやっておかないと、せっかく購入していただいても使い方が分からないお客さんばかりになっても困りますから」と優しい眼差しで語る。
というのも、従来まで珪藻土コンロは、使い方を熟知した人しか購入しない商品だったが、数年前ぐらいからのバーベキューブームや不況下で家飲み層が増えたことで、珪藻土コンロを見たことも使ったこともない若い世代が購入するようになったことが最大の要因で、そうした顧客層への対応が後手に回っていた点を反省する。

ホームページにおいても同様に、楽しく使ってもらうことがメーカーとして一番望むところだけに、そうした部分の情報を提供するコンテンツを充実させていく必要性を痛感している様子。


● 認知度アップに地道な努力

珪藻土コンロ鍵主社長は自身のブログで、珠洲をはじめとした能登の祭りのPRも積極的に行っているが、観光客の来店は10年前に比べると減ってきているという。
その理由は、自家用車にカーナビが普及したことで、かつては狼煙の灯台から海岸線沿いに走るのが一般的だったのが、カーナビが最短距離で誘導するため、狼煙の灯台から見附島に直行するルートを辿るようになり、珪藻土資料館(鍵主工業社屋に併設した「珪藻土資料館」では、珪藻土関係の資料を展示、また、七輪やコンロなどを販売している。)のある同社がルートから外れた格好だ。「それをどうこう言っても始まらず、カーナビの設定をする際に、珠洲でお薦めの場所の一つに入れてもらえるように努力するしかない」と自らに言い聞かせる。

穴水のカキまつりで、珠洲の珪藻土コンロを大量に使用。その方策の一つとして、珪藻土コンロの魅力を知ってもらうべく、東京で開催される自治体のイベントに珪藻土コンロを持参し、サンマを焼いて来場者に提供するなど積極的な取り組みを続けている。

地元では、穴水のカキまつりで珠洲の珪藻土コンロが大量に使われており、「あちこちでカキを焼いて提供する際に、同時に珠洲の珪藻土コンロもPRしていたただいています」と感謝する。そうした認知度向上への日々の努力の積み重ねで徐々に売上が伸びていくことを期待し、珠洲のPRに努力を惜しまない。


● 珪藻土と共にこれからも...

kaginushi_08.jpg不況が続いているため、好景気の時代にはなかなか目を向けてもらえなかった地場産業に興味を持つ若者が増え、そのおかげで同社にも若者が就職するようになり、平均年齢はここ数年で若返ってきている。
さらに、既存の製品から一歩踏み込み、新製品を開発しようと、同業者が集まって珪藻土でピザ窯を作る研究中とのこと。

試作品でピザを焼きながら出来上がりを確認し、平成23年の春頃までには珪藻土の新たな製品として完成させるべく取り組んでいる。「ピザは子供からお年寄りまでファンの幅広い食品だけに、珪藻土の耐熱レンガで作ったピザ窯で美味しいピザが焼ければ、珠洲発の新製品になるのではと期待しています」と顔を綻ばす。

kaginushi_09.jpg珪藻土コンロを生産できるのは日本中で珠洲しかなく、この強みを大いにアピールし、珠洲に珪藻土コンロあり、そんな意気込みで全国に発信していくと同時に、日本中で使われている珪藻土コンロに対する責任を痛感している。「珪藻土コンロでバーべキューをやったら楽しかった。またやりたいと言って下さるお客さんを一人でも多く増やしていくことができたら...」この言葉に、鍵主社長の偽らざる思いが込められている。


インタビューを終えて・・・
能登の珪藻土コンロは全国シェア100%。これは本県を代表する伝統産業として誇るべきことであり、珠洲と言えば珪藻土コンロと言われるよう認知度アップに努めていただきたい。珪藻土コンロは、金具さえ外せば、全て土に還るエコな製品でもあり、地球環境に優しいモノづくりの典型で、まさに能登はやさしや土までも...。

鍵主工業 鍵主哲社長店舗名 (株)鍵主工業
創 業 昭和7年
住 所 珠洲市蛸島町1-2-146-1
電話番号 (0768)82-0780
URL https://kaginushi.co.jp/
鍵主工業七輪の里 https://7rin.biz/


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