「石川発!頑張るネットショップ」(株)ツルミ印舗(金沢市高岡町)手彫りの技でお客様の思いをハンコに宿す

(財)石川県産業創出支援機構の「石川発!頑張るネットショップ」金沢・加賀・能登 では、石川県内の実店舗・ネットショップを順次訪問しています。ネットショップを始めたきっかけ、販促やページ作りで工夫されていること、今後の目標などを取材して、頑張っているお店の魅力を紹介していきます。


ツルミ印舗 (紹介動画はこちら

手彫りの技でお客様の思いをハンコに宿す (株)ツルミ印舗

パソコンが普及し、インターネットで様々なことが可能になった便利な時代になっても、日本では銀行に口座を開設する際、車を購入する際、契約書、婚姻届等々、何かにつけてサインではなく銀行印、認印、実印といったハンコが重要な役割を果たす。金沢において明治以来140年余り、手彫りのハンコを商い、金沢の繁栄を縁の下で支えてきた老舗・ツルミ印舗5代目・鶴見昌平氏にお話を伺った。


手彫りにこだわって140年

ハンコは本人の唯一無二の証であるものだけに、機械で彫った量産品では唯一無二のハンコとしての価値は全くない。ハンコは一つひとつ手で彫るから意味がある。同店のはんこ彫刻人である昌平氏の父は、この道40年を超すベテラン職人であり、一等印刻師の称号を有する現代を代表するハンコの匠である。

手彫りにこだわる注文を受けた文字の字源を一文字ずつ調べ、それを基にハンコの文字を意匠としてデザインする。文字には相性があり、機械彫りでは難しい場合もあるが、そこは卓越した手彫りの技があるためどんな意匠も自在で、機械彫りでは決して真似できない。手彫りのハンコには文字そのものに生き生きとした勢いと、流れがある。そうした職人技によって、直径僅か15ミリ前後の小さなハンコの中に躍動感溢れる美しい文字の世界が繰り広げられる奥深い領域だ。しかも、機械彫りと異なり、同じ職人が彫っても同じものは二つと作れないことこそ、唯一無二の証でもあるわけだ。

「唯一無二の証だからこそ完全手彫りにこだわり、一生使っていただくはんこだからこそ、お客様が押すのが楽しくなるハンコをお届けするのが、当店の流儀です」と5代目は力を込める。


満を持してのホームページリニューアル

ツルミ印舗のホームページ高校卒業にあたり、4代目である父から勧められ、横浜にあるハンコの専門学校に4年間通い、ハンコのいろはからみっちり学び、5代目として戻ってきた。

早速、昌平氏手づくりのホームページをスタートさせ、以来数回のリニューアルを重ねてきたが、このほど半年あまりの準備期間をかけ、ハンコが探しやすく、選びやすく、お客様に分かりやすいページづくりを目指し、満を持してのホームページにリニューアルした。現段階では、売上全体の3割程度がネット販売で、とりわけ実印の注文が多いという。
かつて勉強のためにと楽天に出店した時期もあったが、ハンコという商品は価格競争をして販売する商品ではないと判断し、1年半あまりで撤退し、自社のホームページのみでの販売に転換している。


手彫りの蘊蓄(うんちく)をホームページで発信

手彫り印鑑同店のホームページを全く見ないで来店したお客様の大部分は、価格が手頃な機械彫りを選択するそうだ。例えば15ミリの象牙の実印で、手彫りと機械彫りでは15,000円ほどの差がある。

同じ文字でも彫る職人さんによって全く印象の異なる雰囲気になるのが、手彫りの魅力でもあると同時に、機械彫りにはない味わいが特徴だ。とりわけ実印となれば、一生に1回の買い物でもあり、いいものを持ってもらいたいと考えている。

ハンコを彫る一方、ホームページを閲覧し、手彫りの蘊蓄(うんちく)を読んだ上で来店されると手彫りを注文される傾向があるとのこと。「お客様と1時間ぐらいお話をしている中で、ハンコを作るにあたっての思い入れなどを聞くと、当然のことですが作り手の我々としてもお客様の思いが手仕事に反映され、より心のこもったものづくりになります」と実感をこめる。

お客様から求められれば、開運につながるハンコの材質や書体などを選ぶお手伝いもするが、これはあくまでもお客様任せであり、店側からあえて説明することはしない。


ネット販売にも対面販売の心配りを

陳列されたハンコ「対面販売であれば、お客様の目を見て会話することで、その人の人柄や雰囲気を感じられ、なおかつどんな思いでハンコを作るのかも伺うことができます。一方、ネットではお客様の顔が見えず、お客様もこちらの顔が見えません。
そこを補うため、ネット通販では、注文フォームにお客様がハンコを作るにあたっての思いを自由に書き込んでもらうスペースを設けてあります。それを拝見することで、少しでもお客様の気持ちに近づいたものづくりができればと思っています」と笑顔で語る。


未来工芸プロジェクトにも参画

未来工芸プロジェクト 「家宝(KAHOU)/未来工芸印鑑」 中小企業団体中央会の後援を得て、九谷焼と山中塗の異業種交流による表札と印鑑のセット「家宝シリーズ」を開発したグループの代表が、せっかく九谷焼と山中塗の伝統工芸の職人技で作り上げた商品だけに、印鑑の文字部分だけ機械彫りというのはいかがなものかと思案していた時、たまたまツルミ印舗のブログが目に止まり、昌平氏に会いたいと来店したのが、このプロジェクトに関わることになったきっかけである。

山中塗、九谷焼、ガラス工芸等々の異業種の職人が集まり、次なるコラボレーションを模索しているところで、「異なる分野の方たちと交流することで、さまざまな刺激をもらうことができ、とても勉強になっています」と嬉しそうに語る。


金沢ブランドの一翼を担う

大人の女性限定はんこ「金沢」のネームバリューは、ネットビジネスにおいてもブランド力を発揮しているとのこと。そうしたことはネットで注文されたお客様からのお礼のメール文からもうかがい知ることができる。
中には、金沢への旅行を兼ね実店舗へ来訪されたお客様もいるとのこと。

「私自身も金沢のはんこ屋ということをアピールしており、金沢ブランドの一翼を担うことができれば、こんな嬉しいことはありません」と顔をほころばす。機械彫りであればものの数分でできあがるものが、手彫りの場合はそれだけに集中してやっても数時間を要する。その結果としてできあがるハンコの印面の違いは一目瞭然であり、わずか十数ミリの世界に展開される職人技の凄さは圧巻である。それこそが本物を求めるお客様の心をとらえて離さない。


プラスαの商いを指向

四代目 鶴見健一氏(左側)、五代目 鶴見昌平氏(右側)店頭での商いから離れ、地域の集まりやイベント会場に出張しての篆刻(てんこく)教室の開催も以前から取り組んでいる。
40代、50代を中心に毎回10名以上の参加者がある。好評を得ており、長い目で自店の商いにもつなげていければと考えている。篆刻教室を通じて、日本のハンコ文化を盛り立て、広めていく要素を何か付加していくことができればと思案しているところでもある。

4代目であるベテラン職人の父の仕事を横目に、次なる時代の道しるべを見い出すべく、新たな取り組みにも積極的に取り組む5代目の活躍に期待したい。


インタビューを終えて・・・
日頃何気なく使っているハンコだが、職人さんが丹誠込めて仕上げた手彫りの逸品を手にすると、ハンコに込められたお客様の思いとそれに応える職人技が見事にコラボレーションし、唯一無二の作品として仕上がっていく深遠なるストーリーを改めて痛感させられた。


 (株)ツルミ印舗 店舗外観店舗 店舗名 (株)ツルミ印舗
住 所 金沢市高岡町23-21
電話番号 (076)221-3451
創 業 明治初期
URL http://www.i-hankoya.co.jp


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