「お店ばたけ事務局が注目する15サイト!」(有)小松鋳型製作所(小松市)

(財)石川県産業創出支援機構「お店ばたけ事務局が注目する15サイト!」金沢・加賀・能登 は、石川県内の実店舗・ネットショップ(HP)を順次訪問しています。
サイトを開設したきっかけ、役割や効果、そして販促やページ作りで工夫されていること、今後の目標などを取材して、頑張っているお店の魅力を紹介していきます。


柔軟な発想から生み出された画期的手法で活路を拓く 「(有)小松鋳型製作所」
(※ 紹介動画はこちら)


柔軟な発想から生み出された画期的手法で活路を拓く
工業製品を構成する鋳造部品を製造する際、なくてはならないのが金型・木型である。どんな部品も金型・木型なしでは作れないのが常識だった。その常識を覆し、金型・木型なしで鋳造部品を完成させるダイレクト鋳造という新たな手法を開発したのが、小松市に本社を構える(有)小松鋳型製作所である。同社の井家勝八社長にお話を伺った。


ダイレクト鋳造に活路を求めて

昭和34年、(株)小松製作所(現 コマツ)鋳造部の協力工場として創業した同社だが、日本がバブル経済に入り始めた昭和62年、コマツの鋳造設備一式が韓国に移管され、コマツからの下請業務がなくなるという苦境も経験した。しかし、その後も鋳物用中子(なかご)の専門メーカーとして実績を積み重ねてきていた。

遡ること5年前、井家社長はアメリカZ社製の三次元粉体積層造形機<RP造形機>(CADデータを転送し、粉体を0.1mm単位でバインダーにて糊付けし、粉体の中から立体モデルを創り出すプリンター)に出会う。
それを見た瞬間、「これで鋳造部品の試作品が造れるのではないか」と直感。とはいえ、ソフトまで含めて3,000万円の投資は、同社にとって決して楽ではなかったが、鋳造関連の仕事は年々海外にシフトし、先行きが明るくない現実に直面していることから、これに賭けるしかないと決断する。
早速、3,000万円を投資して三次元粉体積層造形機を導入し、研究開発をスタートさせる。「リーマンショックの2年前に出会えたから投資することができたが、もしリーマンショック後にRP造形機に出会っても投資できなかったわけで、縁というか運が良かった」と述懐する。


瓢箪から駒の発想で特許取得

鋳造部品は、約600℃~1600℃ぐらいで溶けた金属を、鋳型という砂や粉体などで造られた器に流し込んで、製作されることが多い。

RP造形機でただ立体物を作る程度であれば既存の粉体で問題なかったが、鋳造部品の試作品用鋳型となると形状も複雑で、さらに耐熱性も求められるため、既存の粉体では耐熱性が低くなかなか納得のいくものができなかった。もちろん、1億円するRP造形機を導入すれば、そうした要望に問題なく応えられたが、中小企業が投資するには高額すぎた。

「何とかこの機械で上位機種と同等の仕事をこなせれば、中小企業に広く浸透していくきっかけづくりにもなる」との井家社長の情熱が、粉体に特殊加工を施すことをひらめかせる。
様々な試行錯誤を繰り返した中から、ほぼあらゆる形状の試作物に対応でき、高温のステンレスも鋳込める自社オリジナルの高耐熱性粉体を使用した鋳型を開発することに成功。この高耐熱性粉体の技術で特許も取得済みである。


ホームページが営業マン

小松鋳型製作所のホームページ遡ること8年前、同社としての最初のホームページがスタート。当時は、小松鋳型製作所がどんな仕事をする会社であるのか、その事業内容をアピールすることが目的だった。

同社には、鋳造オリジナル食品用金型(鯛焼き用)という二つの事業の柱があるにもかかわらず、同じホームページで紹介していたため、アクセスしてくるユーザーからすると目的と異なるページにたどり着く不具合が発生していた。

オリジナル焼き型また、オリジナル食品用金型は一般の人が顧客であるのに対し、鋳造の方は工業製品の試作を求める鋳造関係の企業が顧客で、客層が全く異なる。その点を明確にするため、石川県産業創出支援機構の専門派遣事業を活用し、ホームページのリニューアルを実施。

ユーザーは対照的ではあるが、同社のホームページが自社製品を全国に向けて販売するための営業マンの役割を果たしている点は共通している。新しい事業として期待を賭けるダイレクト鋳造の仕事はホームページだけで営業を行ってきている。スタートして数年あまりの間に、全国の大手鋳造メーカーから仕事の依頼が舞い込み、様々なサンプル製造を行うことで可能性を広げながら、同時にそうした取り組みが口コミで少しずつ広がり、新しい顧客が増えてきている。


RP造形機

RP造形機はカラープリンターであることから、顧客からの要望があればカラーの立体見本を制作することもできるが、今のところカラーでの要望がないためモノクロ出力している。

この機械では、最小で2~3mm程度のものから最大で200mmの立方体まで出力することができ、さらに大きなものの場合は、四等分したパーツを4回に分けて出力し、それを接着して1つの鋳型に仕上げることも可能だ。
ダイレクト鋳造技術が世の中に周知されるような状況になった時には、一気に広がる可能性を秘めた特殊技術と言える。この独自の技術を開発したことで、従来までの金型や木型を制作する工程を省くことができ、短納期・低コストで自由なデザインが実現できるようになった。

従来のやり方では、1カ月近くかかっていた納期が1週間程度に大幅短縮され、木型や金型を使用しない分コストが下がる。その一方で既存の金型を使用する場合と異なり、大量生産には対応できない弱点もある。鋳物は多品種で量産するのが特徴であるが、この方法では多品種には対応できるが大量生産に対応できないため、あくまでも試作品づくりがメインとなる。


『メカトロテックジャパン2011』に出展

『メカトロテックジャパン2011』に出展現在は、希望する顧客には無償で試作品を送っているが、これが全て受注につながるわけではなく、売上にならない点が辛いところでもある。ステンレスの試作品にも対応できるところまでダイレクト鋳造技術のレベルアップを図ってきており、文字通りこれから技術の認知度向上と売上UPに向けてのスタートを切る秒読み段階と言える。

この事業をスタートさせてから5年目を迎えようとしているが、その認知度を向上させるために、平成23年9月29日~10月2日の間、名古屋のポートメッセなごやで開催された『メカトロテックジャパン2011』に出展した。

会期中は天候にも恵まれ、初日から多数の来場者が同社のブースを訪れ、様々な評価をいただいたという。特に、関心を強くひいた企業からは、既に見積り依頼もきており、小松鋳型製作所のオリジナル技術を多方面にアピールすることができ、初の大型見本市への出展は成功裡に終えることができた。今回の出展を契機にさらなる飛躍を期待したい。

<参考:メカトロテックジャパン2011入場者数 83,057人>


インタビューを終えて・・・
リーマンショックの影響で操業率が3割まで激減し、苦しい時期を経験した同社だが、今回の出展を経て、この技術の国際特許も取得する予定で準備を進めており、小松から世界へ、小さな世界企業として是非とも飛躍していただきたい。


 (有)小松鋳型製作所
社 名 (有)小松鋳型製作所
住 所 小松市矢田新町へ39-1
電話番号 (0761)43-0826
設 立 昭和42年
URL http://www.k-igata.co.jp


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