「お店ばたけ事務局が注目する15サイト!」すみよしや旅館(金沢市)

(財)石川県産業創出支援機構「お店ばたけ事務局が注目する15サイト!」金沢・加賀・能登 は、石川県内の実店舗・ネットショップ(HP)を順次訪問しています。
サイトを開設したきっかけ、役割や効果、そして販促やページ作りで工夫されていること、今後の目標などを取材して、頑張っているお店の魅力を紹介していきます。


創業360余年、家族でもてなす城下町・金沢最古の宿 「すみよしや旅館」
(※ 紹介動画はこちら)

創業360余年、家族でもてなす城下町・金沢最古の宿

時代が移り変わり、旅のスタイルやニーズも変化している中、かつては出張族の金沢での常宿として愛されたすみよしや旅館も、近年では国内はもとより海外からの観光客が宿泊者の9割を占めるまでに変化してきた。
そうした変化への対応の一つがホームページの開設である。創業360余年、金沢で最も長い歴史を持つ、すみよしや旅館の若女将・住未恵さんにお話を伺った。


ビジネス客から観光客へシフト

江戸時代のけやきの一枚看板現当主が8代目で、若女将夫婦が9代目となる金沢で最古のすみよしや旅館は、遡ること360余年前、なんと江戸時代の創業である。

玄関を入ると、江戸時代に加賀藩が関所を通るための通行証「手判」の交付を城下7軒の信用ある宿屋に代行させていた手判宿であったことを示す<開>の文字が入った欅(けやき)の一枚看板が、ガラスケースの中に大切に飾られている。
もちろん、その7軒の宿のうち現存するのは同館だけで、商いを長く継続することの難しさを痛感させられる。

すみよしや旅館内昭和50年代の半ば頃までは、ビジネス客が宿泊客の大部分を占め、月曜から金曜まで平日連泊し、週末は自宅に帰るという使われ方が主流だったそうだ。
それだけに旅館と常連客は家族同然の気心知れた付き合いとなり、アットホームな旅館として愛された。
その頃は、上司と部下が相部屋で泊まり、商いのいろはを教え込まれるのが一般的だったが、今は個室が当たり前の時代になり、そうしたビジネス客はホテルに流れ、旅館の魅力を堪能したい国内外の観光客が取って代わった格好だ。


ホームページで情報発信

すみよしや旅館 日本語ホームページ宿泊客の9割が観光客で、近年は外国人の宿泊客が増加傾向にあることから、予約の一手段としてネットの活用を考え、平成20年に日本語のホームページを開設した。

すみよしや旅館 英語ホームページ金沢市旅館ホテル協同組合が外国人に向けて情報発信する手段として、無料のブログを活用する取り組みをスタートさせたのを利用し、同館も情報発信したところ、外国人の予約が徐々に入るようになったことから、英語のホームページの必要性を感じ、石川県産業創出支援機構の専門家派遣制度を使って英語版ホームページを作成する。そうした取り組みが奏功し、平成22年は宿泊者の3割を外国人が占めるまでになった。

しかし、今年3月11日の東日本大震災の発生以降、外国人の利用がピタッと止まってしまった。
放射能汚染の風評被害が一日も早く収まり、外国からの観光客が戻ることを願うばかりである。外国人旅行者は、日本国内を2~3週間かけてゆっくり回る60代以上の富裕層が多い。
外国人のお客様から英語版ホームページについて「道順を分かりやすく載せて欲しい」、「コメントを載せられるようにした方がいい」といった要望やアドバイスをいただいているが、まだ対応し切れていないのが現状だ。

すみよしや旅館の地図日本語版と英語版では紹介している料理のメニューが異なっている点を伺うと、「外国人の方は加賀野菜と言ってもピンとこないし、例えば蓮蒸しのレンコンを説明してもレンコンを食べる習慣がなく、しかも原型が分からず、ねっとりとした食感のものは好まない。
また、治部煮の麩なども好まれず、そうした点にも気を配った献立づくりをしています。そのため、ホームページでは理解してもらいやすい料理を紹介しています」とのこと。

外国人旅行者から質問されることをテーマにした英会話研修にも積極的に参加し、英会話の研鑽に努めている若女将が、片言の英語で、一生懸命外国人客をもてなす姿は何とも微笑ましい。


ホームページは長所と短所が表裏一体

すみよしや旅館内「今の時代は、誰もがインターネットを利用しており、予約する前に必ずホームページで情報確認されているようで、当館のホームページにアクセスされた方の検索キーワードが、ズバリ【すみよしや旅館】が一番多いことからもそう言えると思います」とホームページ開設の効果を強調する。

ホームページの内容更新について伺うと、「目標は高く、ブログは1週間に1回の割合、月に4回書こうと思っていますが、現実は厳しく、今のところはまだそこまで書けていません」と苦笑する。

近年は直前になって予約する方が多く、同館もじゃらんや楽天に部屋を提供しているが、当日予約OKを推奨されている。「こちらからすると予めご予約いただいた方が準備できて助かるのですが、お客様のニーズに対応するためにはそうも言っていられません」とネット対応の厳しい現実も。

現在のホームページからの予約は、何回もお客様とメールのやりとりを行うため、自ずと意思疎通が図られ、チェックイン時間の変更があった時やキャンセル時の連絡が必ずもらえる安心感がある。一方、ホームページ上で予約が完結するシステムにする場合は、クレジットカードのセキュリティー強化などにも対応しなければならない。
将来的には考えなければならない時期が来ることは分かっているが、現状のメールでやりとりしながら予約を受ける形を当分は維持していきたい考えだ。


一泊朝食付きプランが人気

一番広い赤壁の間最近の予約傾向で増えているのが、夕食は好きな時間に好きなものを食べに行き、旅館では翌朝の朝食のみ付けるというパターンだ。
このニーズは年齢に関係なく、若い人にも年配者にも増えてきている。ネット販売でも朝食のみ付いているプランが先に売れる。そうした中で、いかにすみよしや旅館ならではの特徴を出していくか、若女将が常に自問自答していることである。

旅館と言えば接客サービスが最大の武器であるが、昔に比べるとあまり構い過ぎないよう心掛けている。
外国人観光客も様々で、体験教室などの予約をして欲しいと言ってくる人もあれば、全て自分一人で手配して行動する人もいる。
そんな十人十色の様々なニーズを持った人たちに、臨機応変に対応し、なおかつ全てのお客様から合格点をもらえるもてなしが日々の課題であり、家族4人が力を合わせて日々全力投球している。


すみよしや旅館ならではのもてなし

中庭「東日本大震災直後の3月、4月は電話が鳴るたび、メールが来るたびにキャンセルの連絡で本当に辛かったですが、ゴールデンウィーク以降は少しずつ戻ってきている感じと胸を撫で下ろす。

お風呂プライバシー保護や個人主義の時代にあっては、旅館よりもドア一枚で個の空間になるホテルの方が圧倒的に快適で便利である。
そんな時代にあって、そんな時代だからこそ、旅館のあり方、あるべき姿は非常に難しく、厳しい時代であることは言うまでない。

金沢市内の旅館が減少し続けている時代にあって、いかに個性を出し、特徴あるもてなしでお客様に満足を提供するか、課題は多いが、持ち前のやる気・元気・笑顔を売りに、家族だけでもてなす小規模の旅館だからこそできる小回りの利くもてなしと、近江町市場に近く、金沢の街を歩いて回るにはうってつけのロケーションにあることもすみよしや旅館の大きな魅力であり、そうしたメリットを最大限に発信し、息の長い商いを続けていただきたい。


icon_pen.gifインタビューを終えて・・・
「継続は力なり」と言われるが、一つの商いを360余年・9代にわたって連綿と受け継いできた老舗の商魂に心から敬意を表したい。様々な時代の変化を柔軟に乗り越え、機敏に対応してきたから今日があり、長引く景気低迷の今こそ本領発揮の時だと感じた。


すみよしや旅館 住 未恵さん社 名 すみよしや旅館
住 所 金沢市十間町54番地
電話番号 (076)221-0157
URL http://www.sumiyoshi-ya.com


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