「売れるネットショップの秘密を探る!」(株)エース

売れるネットショップの秘密を探る!


石川県産業創出支援機構「売れるネットショップの秘密を探る!」では、お店ばたけに出店しているネットショップの中から、順調に成果を上げている繁盛ショップを取材し、ネットショップを成功させるためのページづくりのノウハウやポイントを紹介します。

顧客の信頼に応える誠実な商いで顧客満足度No.1ショップに邁進
  (株)エース

(平成25年10月取材)

顧客の信頼に応える誠実な商いで顧客満足度No.1ショップに邁進 (株)エース

鞄(かばん)にあまり興味のない人でも名前を聞けば頷くメイドインジャパンの有名鞄ブランド『吉田カバン』。老若男女を問わず人気が高く、全国に数ある『吉田カバン』を扱うネットショップの中で、トップクラスの業績を維持しているのが金沢市竪町に本社を置く(株)エースが運営するネットショップ『クールキャット』だ。自社(クールキャット)+楽天市場+アマゾン+実店舗の4店舗で年商4億円を稼ぐまでに成長させた運営責任者兼店長の松田卓也氏に成功までの歩みを伺った。

◆時代の変化を敏感にキャッチし、ネットショップを開設
クールキャット(エース)のホームページ松田氏が入社したのは遡ること13年あまり前。当時の同社は、竪町のファッションビル・パティオにテナントとして入居する吉田カバンの専売ショップであった。
折りしもインターネットが普及し始めた時期でもあり、時代の流れに敏感な乙村要介社長の閃きで、ネットショップ(自社サイト)の立ち上げを任される。「インターネットで鞄が売れるのだろうか・・・疑心暗鬼の気持ちで一杯だった」と松田氏は述懐する。
現 実問題として、社長から命じられたもののホームページを作ることはもちろんのこと、ネットに関する知識がなかったことから、同社のコンサルタントをしてい た会社に外注する形を取り、松田氏が商品の写真を撮影し、各商品の説明文を書き、それらを外注先にメールで送ってホームページを作成してもらうというス タートだった。
 ・使用ソフト  ホームページビルダー
 ・初期投資   50万円程度
 

◆SEO対策として鞄のリンク集に広告を出稿

クールキャット店内の様子スタート時のホームページは1つの鞄に対して1、2点の画像を掲載している程度で、商品に関する情報量も少なく、現在のホームページとは比較にならない簡素さで、総点数も200点までなかった。
「ネッ トショップをスタートした月に2件だけ注文があり、ネットでも 鞄は売れるんだと思ったことを覚えています」と苦笑する。吉田カバンの新製品が出ると松田氏が商品写真を撮って説明文を付け、それをコンサルタント会社に 送ってホームページに追加してもらうやり方で2年ぐらい運営。「正確な数字は記憶していませんが、初年度は月商5~10万円程度だったと思います」と振り 返る。カバンがずらりと並ぶクールキャットg
インターネットの黎明期(れいめいき)でもあり、各商品の説明文中に検索で引っかかってもらいたいキーワードを入れることを心がけたとのこと。同時に、当時から全国的に知る人ぞ知る太田垣氏が運営する全国の鞄ショップのリンク集(japanbag.com)があり、それに最初の頃は月1万~1万5千円程度の広告を3年あまり掲載する。同時並行して検索サイトでヒットするよう商品説明に検索関連ワードを散りばめ、顧客目線で少しでも使いやすいページづくりに取り組むといった地道な努力を重ねた結果、3年経過した頃に月商500万円に達し、その当時の実店舗の売上と比較しても遜色がないまでに伸びてきたことから本格的にネットに力を注ぎ始める。


◆ネット特有の外的要因で売上急伸!

吉田カバン今から10年ほど前の新年2日に出社した松田氏が、パソコンのスイッチを入れてみると、なんと60件あまりの注文が舞い込んでいた
それまで1日平均5~6件、多くて10件程度だったため、これは何があったのかと驚き、よくよく調べてみると、元旦に全国放送されたテレビ番組で吉田カバンの商品が紹介されていたのだ。
マスコミの影響力を痛感すると同時に、この事が『クールキャット』が飛躍する契機となる。「自社の営業努力ではなく、外的要因でも売上が左右されるネットの世界の新たな魅力を実感した出来事で、こうした偶然やラッキーの積み重ねで今日まで伸びてきたというのが正直な思いです」と松田氏は語る。


◆顧客目線に立った詳しい商品説明とこまめな更新が鍵

吉田カバン(ポーター)「う ちのホームページのポイントは、各商品に対する専門性を追求していることでしょうか。どこよりも詳しいけれど、その詳しさが店サイドの目線にならないよう に留意しています。ユーザーの中には詳しい方もいれば、そうでない方もいらっしゃるので、専門用語はできるだけ使わず平準な表現を心がけています」とペー ジ作りのポイントを披瀝。
ポーター(吉田カバン)ス タートして5年あまりが経過した時に、最初の大幅なリニューアルを実施するにあたり、数社のコンペを行い、その中から現在の外部SEと契約し、ホームペー ジの制作をアウトソーシング化。汎用ソフトでは痒いところに手が届かないと判断し、買物カゴのカートシステムを自社オリジナルのものに作り替えたことが、 最初のリニューアルでの大きな変化。
 ・使用ソフト  フロントページ(マイクロソフト社製)
 ・投資費用   500万円程度

同時に、毎週のように外部SEと打ち合わせをし、常にホームページの細部にまで目をくばり、こまめに変更を加えながら、日常的に小さなリニューアルを行っている。

◆システム化で顧客減の誤算

小物と財布2度目の大きなリニューアルは、平成23年11月に着手。従来まで各ページをhtmlで構成していたものを、ASPを使ってシステム化した。
と ころが、リニューアルした途端に売上が減少。それまで多くの商品を1ページに紹介していたページづくりから1商品1ページのスタイルに変更したことで、売 上が2割減。「店サイドの管理のしやすさ、利便性を追求するあまりシステマチックになってしまい、結果的に今までクールキャットをご愛顧いただいてきたお 客様を無視したリニューアルになり、お客様が離れてしまったのでは・・・」と松田氏は分析する。落ち込み分を取り戻すべく、外部SEと相談しながら必要な 修正を加えるとともに、毎月PPC広告にも30万円あまり投資してきたことで、2年経過した現在、ようやくアクセス数ならびに売上がリニューアル前に近づ きつつあるとのこと。
 ・使用ソフト   ドリームウィーバー(アドビ社製)
 ・投資額     2年間で約1000万円
 ・年間アクセス 160万件

◆メールマガジンで来店を喚起

顧 客に来店を促すツールとして、同社が力を注いでいるのがメールマガジンである。メールマガジンの登録者は1万人強で大手通販サイトに比べれば1桁違うもの の、同社の場合は開封率が非常に高いのが特徴で、一番開封率が高いセール時は、1万通送信して3千通開封されるという。メールマガジンで3割の人が来店す るというのは凄い数字であると同時に、クールキャットに対する根強い人気の証左でもある。「実店舗では、明るい笑顔と気持ちのいい接客をすることで、お客 様にいい印象を持ってもらえますが、ネットショップの画面上でそれを表現しようと思っても難しいものがあります。その意味でメールマガジンは、お客様との コミュニケーション手段として重要です」と力を込める。

◆他店との差別化、付加価値創出に腐心

フィッターワンショルダー「顧客サイドから見たお得感をいかに打ち出すか。当店で買いたくなる付加価値の提案が十分にできていない点が課題です」と松田氏。
吉田カバンは値引きが出来ないので他店では利益率を下げ
QUOカー ドなどをプレゼントしているところもある。利益率を下げずにどんな形で付加価値をつけてカバーしていくかに知恵を絞っている。また、吉田カバンの商品が看 板商品であることは間違いないが、商売人として自分のところで企画した商品を売りたいと思うのが自然で、同社もこれまでメーカーとタイアップしてオリジナ ル商品を販売してきている。
平成25年11月には13周年記念企画として、グリップスとのコラボでフィッターワンショルダー(写真左:15,750円)を限定販売。他では買えないオリジナル商品の企画で特徴を打ち出すと共に、オリジナル万年筆のプレゼントといったおまけを付けることで購買意欲を刺激する努力を怠らない。


◆スマートフォン対応が今後の課題

現 状での課題を伺うと「スマートフォンへの対応ですね」と即答。現在の受注の30~40%がスマートフォンからで、松田さん曰く、「パソコンで自分の欲しい 商品を事前に調べておき、後でスマートフォンで注文するという行動パターンが多くなってきています」とのこと。既にスマートフォン対応の携帯サイトも開設 しているが、まだまだ発展途上の段階。お客様を分かりやすく誘導するナビゲートをしっかりし、提案型の見せ方をしていくことがポイントになる。理想としてはパソコン対スマートフォンを50対50に持っていきたい考えだ。

◆自社サイト100%を目標に前進あるのみ

現 時点では、自社50%、楽天市場25%、アマゾン25%の売上比率を目標に掲げ邁進しているが、将来的には自社100%にすることが理想です。そうなれ ば、楽天市場等に年間支払っているポイントやマージンの支出がなくなり、利益率が格段にアップし、その分をお客様に還元できます」と、まだまだ道半ばを強 調する。これまで外部SEに依頼していた細かい作業を自社内で対応できるようにするため、平成26年度は専門知識を有する人材を採用予定。さらに同社に は、鞄部門の他にアパレル部門など三つの部門があることから、近い将来これら三つを自社サイト内でモール化することで相乗効果を高めていくことも考えてい る。「お客様目線で使い勝手がよく、魅力あるページをいかに作り上げていくか、これからも地道に前進していきたい」と松田氏は締め括る。

◆インタビューを終えて

吉 田カバンとの取引金額ベースでみると、同社の実店舗とネットショップの売上合計は、現在全国第2位に位置する超優良店である。システム化を推進したリ ニューアルで予想外の躓きはあったものの、日々の地道な努力の積み重ねでリカバーしつつある。売上が大きくなってもそれに胡座(あぐら)をかくことなく、 常にチャレンジャー精神を忘れない『クールキャット』が目指す先には、海外市場が見えているのかも知れない。


クールキャット((株)エース)・企業名        (株)エース
・サイト名              クールキャット
・所在地        金沢市竪町44
・電話番号       076-223-8880
・URL    http://www.ace-company.net/~coolcat/


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