石川県ふるさと語りの最近のブログ記事

catelogo130925.gif

第64回(2002.5.16)「加賀むかしばなし『ゲンザな清水の大杉』」
提供:ホリカワ 花野美貴雄さん


源佐(げんざ)


ホリカワオリジナル 郷土絵本からの昔話。
第5弾は白山地方の昔話です。

「ゲンザな清水(しょうず)の大杉」

 昔々のことでござしゃった。白峯(しらみね)の村さに、源佐(げんざ)ちゅう男がおったとよ。この源佐、山で木を伐ったり、畑さ耕したり、たいそう働きもんでな、その上信心深うて、仕事の行き帰りには白山の神さんに必ずお参りしておった。

 その夜もひと仕事を終え、大好きなお酒さ呑んでぐっすり寝込んでおったところ、突然「源佐、源佐」と呼び起こされたんやと。目を開けると、一人の白髪の老人が立っており、「わしゃ、白山権現(しらやまごんげん)じゃ。おめえの信心の厚さと働きぶりに感心したで、山に清水さ作ってやるだ。おめえが仕事しとる所にある大杉の根っこを明日掘ってみろや」
と言うやスーッとすがたをけしたそうな。源佐は翌朝、白山さ飛んで行き、天にも届くほど大きな杉の根っこのほとりを掘っただ。と、お告げの通り水が湧いてきての、ひと口ずつすくって飲んでみると、なんとまあ、結構なお酒やったと。

源佐は白山権現様に感謝し、ますます信心に仕事に精を出すとともに、この清水は、”ゲンザな清水”と呼ばれるようになったんやが、それからずっと後のことでござしゃった。
ある庄家様が清水の付近を畑にしなさってな、大杉が邪魔やと伐ろうとされたとよ。

ところが、あんまり幹が太いんで半分ほど伐って翌朝行ってみると、伐ったはずのところがいつもいつも元通りになっておる。不思議に思うた庄家様がひと晩中見張っておると、木の葉がさらさらと舞い落ちてきて、切り口をたちまちふさいでしもうたと。

これではラチがあかん。そう思うた庄家様は、人夫を沢山呼んできて、寝ずに大杉を伐らせ、とうとう切り倒しんしゃった。すると、切り口から白い煙とともに女神様が酒徳利を片手にあらわれ、「もうこれでゲンザな清水とお別れじゃ」というや、白山の山頂へ飛び去られたそうな。ゲンザな清水にお酒が出んようになったのはそれからやと。
 

■■白山ミニリンク集■■■■

「白山自然保護センター」
・・・登山道情報やイベント情報、動物・植物の様子がご覧になれます。

白山連邦合衆国
・・・白峰村をはじめ、白山麓1町5村が観光連合体を結成。各地域のイベント情報などが満載です。

白山の様子を動画で。ふるさと石川セミナー「白山-日本の名山-」
・・・平成12年度県民大学校のインターネット放送。動画もダウンロードできます。

第57回「金沢むかしばなし『才田のキツネ』」【週刊ウンチク】

第57回(2002.3.28)「金沢むかしばなし『才田のキツネ』」
提供:ホリカワ 花野美貴雄さん


小キツネと権兵衛じっさま

ホリカワオリジナル 郷土絵本からの昔話。
第4弾は金沢市才田町の昔話です。

「才田のキツネ」

 キツネちゅうのは、人さだまして悪さするちゅうけどな、なかには義理の固いキツネもおったげな。
そうそう、才田の御亭山にも昔はキツネが住んどったが、人真似が上手での なかなか愛嬌のあるキツネやったと。

 このキツネにな、ある年可愛い赤ん坊が生まれたと。ところが、その年は山火事などがあっての、山には極端にエサが少なかった。腹さ賺せた親子は、仕方のう山さ下りて田圃のあぜ道をうろうろしとったら、権兵衛じっさまが声をかけてきたと。

「才田のキツネでねえか。しばらく顔を見んと思うたら、子供さできたのけ。ほおう、可愛いの。でも、今年はエサが少のうて大変じゃろう。しばらくわしが預かってやろう。」

このままでは親子とも飢え死にかと思っておったんで、キツネは大喜びで子キツネをじっさまに預けたと。そして毎晩そっとのぞいては、子キツネが権兵衛じっさまに抱かれて眠っとるのを見て安心して帰っていったと。

「権兵衛じっさま、あんやと」

それから何年かたって、権兵衛じっさまの家で法事をするコトになったと。が、お客様に来てもろうても、貧しいじっさまにはお膳がねえ。かといって村の人たちに借りようにも、二十人からのお膳をそろえられるもんはだあれもおらん。法事さやめるべ… じっさまがそう思った晩のこと、トントンと表の戸を叩くもんがある。見ると、才田のキツネが、今は成長した子ギツネと一緒におり、その前には立派なお膳が置いてあったと。

*金沢市才田町・・・金沢市北部、河北潟にほど近い町。

第44回「加賀むかしばなし『白さぎ湯』」【週刊ウンチク】

第44回(2001.12.27)「加賀むかしばなし『白さぎ湯』」
提供:ホリカワ 花野美貴雄さん


「白さぎ湯」と呼ばれる山中温泉。その由来は?
ホリカワさんの郷土絵本からの、昔話。
第3弾は加賀山中温泉「白さぎ湯」の名の由来です。

「白さぎ湯」
今から八百年ほど昔のことでな。国を二分した源氏と平氏との争いは源氏の勝利に終わったあと、山中あたりは能登の地頭、長谷部信連が治めることになったと。
アシの中にいたのは怪我をした白さぎだった。
ある日のこと、信連は家来を大勢引き連れて、狩りを楽しんでおった。幸い獲物は上々で、上機嫌の信連と家来達が帰ろうと大聖寺川の川原まで来たときじゃった。あたり一面に生い茂ったアシの間に白い鳥が一羽いるのが目に入ったと。

「だれぞ、あの鳥をつかまえてまいれ」

信連の命令を受けて家来の一人がアシをかきわけて近づいてみると、それは白さぎでな、片足を川につけたまま逃げようともせなんだ。報告を受けた信連は馬から下り、川へ手をつけてみて納得した。想像したとおり、温かかったからじゃ。
「これが世にいう湯治であろう。あの白さぎもけがをして、ああやって治しておるにちがいない。きっとここの湯は病や傷に効くのじゃろう」

信連はすぐさま家来にアシを刈り取らせ、領民がいつでも入れるようにと湯舟をこしらえた。そのときじゃった。「お屋形様」と家来が上流から流れてきた小さな仏像を信連に渡したと。見ると、みごとな出来栄えの薬師如来像じゃった。

この薬師如来像は、さらに五百年ほど前、行基常任が、菅生石辺神社のお告げでこのアシの間に湧き出るお湯を発見されたおり、病気によく効くようにと彫られたものじゃった。そして、国分山医王寺というお堂を建て、おまつりされたのじゃが、源氏と平氏の争いで朽ちはて、あとかたもなくなってしもうたのじゃ。

きっと名のある仏様にちがいない--そう直感した信連は、山の中腹にお堂を建て、ていちょうにおまつりしたと。これが今の薬師山にある国分山医王寺、別名"お薬師さん"でな、病気に霊験あらたかじゃいうて、おまいりの人の列がたえないそうじゃ。

また、山中温泉は白さぎのおかげで再発見されたことから、"白さぎ湯"ともいわれ、ことに女性はここにつかると白さぎのように色が白うなるという話じゃと。


<ホリカワの絵本「加賀金沢の昔ばなし」より>
 

山中町にはしらさぎの名の温泉や、「白鷺大橋」という名の橋があります。
・「しらさぎ大橋」から見降ろす「黒谷橋」と鶴仙渓は美麗との噂。
石川県指定文化財「無限庵」ホームページ。・・・家老横山家が金沢市にあった邸内に建てた書院で、金沢より移築したもの。

第40回「金沢むかしばなし『芋掘り藤五郎』」【週刊ウンチク】

第40回(2001.11.29)「金沢むかしばなし『芋掘り藤五郎』」
提供:ホリカワ 花野美貴雄さん


貧乏気ままな藤五郎に、お嫁さん?!


ホリカワさんの郷土絵本からの、昔話。
第2弾は金沢の名の由来にもなった
芋掘り藤五郎のおはなし。

「芋掘り藤五郎」
昔、加賀の国の山科ちゅう村に、藤五郎という若者が住んでおった。親を早く亡くし、山へ行っては山芋を掘って暮らしておったんで、誰いうとなく"芋掘り藤五郎"と呼ばれておった。

 ある日のことじゃった。粗末な藤五郎のあばら屋に、上品な老夫婦と美しい娘が山のような花嫁道具を下人に持たせて訪ねてきてな、こういうて頭を下げたのじゃそうな。
「私は大和の初瀬村に住む生玉方信(いくたまほうしん)と申します。突然ではございますが、どうかこの娘をもろうてくだされ」
 あまりのことで、面食らった顔をしとる藤五郎に、方信はなおもいうたと。

「実は、私どもは村一番の長者ですが、長い間子宝に恵まれませなんだ。で、長谷観音様にお願いして、ようやっと授かったのがこの娘でございます。和子と名付け、そりゃもう大事に育ててまいりました。そして、、日本一の花婿をと再び長谷観音様に願を掛けましたところ、あなた様の名前を告げられたのです。ですから、どうか‥‥‥」

 そういわれても、気ままな貧乏暮らしが気に入っとった藤五郎は、なかなか「うん」とはいわなんだ。が、あまりしつこく頼みこむもんで、仕方なくいっただ。
「おらあ、貧乏が性に合っとるだ。だから、せっかくの荷物も近所の貧しい人たちにあげてしまうつもりなんじゃが、それでもええか」
「むろん、嫁にもろうてもらえれば、あなたさまのもの。ご自由にお使いください」
こうして娘と結婚した藤五郎は、約束通り花嫁道具を近所の人たちに分け与えたあと、相変わらず山へ芋掘りに入ってはその日のくいぶちぶんを稼いでくると、残りは人にあげてしまい、貧乏生活を楽しんでおった。最初は戸惑っておった娘もそのうちに慣れ、藤五郎と同様、貧しい生活を苦にせんようになっただ。

 何ヶ月か過ぎたある日、藤五郎のもとへ大和の方信から、娘が不自由な思いをせんようにと砂金の一杯詰まった袋が送られてきたのじゃ。しかし砂金の値打ちを知らん藤五郎はふと通りかかった田圃に雁が遊んでいるのを見て 捕まえてやろうと手にした砂金袋を投げてしもうたのじゃそうな。
「なんともったいないことをなさる」
その話を聞かされた娘は、あまりの無頓着さにあきれ、砂金がいかに大切であり、貧しい人たちに喜ばれるかをこんこんと藤五郎に説いたんじゃと。と、藤五郎は、「あんなもの、芋掘りに行けばなんぼでもとれるだ」と得意そうにいい、翌朝娘を山へ連れて行っただ。なるほど、山芋を掘ると、根っ子のところに無数の砂金がキラキラと輝いておった。

藤五郎の掘る芋には、無数の砂金が・・・

 それからというもの、二人はせっせと芋を掘っては近くの沢で洗い、砂金を集めたんでたちまち長者になったが、決してひとり占めにはせず貧しい人たちに分け与えたため、暮らしは少しも変わらなんだ。それでも二人は十分に幸せで、人々からは"芋掘り長者"と呼ばれてたいそう敬われたという話じゃ。
 それとじゃな、金沢という地名も、この藤五郎が砂金を洗った沢、つまり"金洗い沢"というんでついたんじゃそうな。兼六園の一角に"金城霊沢"という名の場所が今もあるが、ここがその砂金を洗った沢の跡じゃといわれる。

<「加賀金沢の昔ばなし」より>ホリカワHPにてお買い求めが可能です!
 
註:加賀の国山科・・金沢市山科。ここには国指定天然記念物「大桑層化石産地」があります。
  山芋(葉)・・・群馬大学 青木繁伸教授の「おしゃべりな部屋」より。
            芋は石川県内でも採れます。ごつごつしています。
  長谷観音・・・奈良県桜井市にある長谷寺の通称。
  金城霊沢・・・「金沢市観光協会」ホームページより。
          学問の神様菅原道真を祀った金沢神社の隣、兼六園に湧く霊泉。

第33回金沢昔ばなし 『天狗の魔除け』【週刊ウンチク】

第33回(2001.10.11)金沢昔ばなし 『天狗の魔除け』
提供:ホリカワ 花野美貴雄さん


堀川商店発行「加賀・金沢の昔ばなし」。紐で綴じた味のある本

当社では「加賀・金沢の昔ばなし」という本を発行販売しています。
金沢に古くから伝わる昔話を集めたものです。ウンチクとはチョット違うかなと思いつつ、これが結構面白い!この中から面白そうな話を紹介します。
今回は金沢の昔ばなし『天狗の魔除け』をお送りします・・・

 金沢市の蛤坂(はまぐりざか)に妙慶寺(みょうけいじ)というお寺があるがのう、あそこの寺には、なんでも天狗からもろうたちゅう魔除けの木の額があるという話じゃ。
 今から三百年あまりも昔のこと、妙慶寺の五代目住職で、向誉上人(こうよしょうにん)とおっしゃる大変慈悲深いお坊様がおられた。子供が好きで、寺の境内はいつも近所の遊び場所になっておったが、ある日のこと、何やら子供たちの騒がしい声がするんで、向誉上人が見にいくと、子供たちがトビをつかまえていじめておった。
 「コレコレ、生き物をいじめてはいかん。かわいそうだから放してやりなされ」「コレコレ、生き物をいじめてはいかん。」
向誉上人はそういうと、子供たちからトビを受とり、森の中へ逃がしておやりになったのじゃ。その晩、上人が休んでいる枕元に、見知らぬ老人がスーツと姿を現わし、「わしは昼間助けてもらったトビじゃが、何を隠そう、本当は飛騨の山奥に住む天狗でな。危うく命を落とすところを助けてもろうて、ぜひお礼をしたいんじゃが…」
 というたんじゃそうな。むろん上人は断りなさったが、天狗はぜひともばかり、
「なら、この寺に災難が降りかからんように、魔除けをしてしんぜよう」
 というや、板に太いツメで表に「大」、裏に「小」という字を彫り、上人に渡したあと、大の月には表、小の月には裏をかけておくようにいうて、姿を消してしもうた。

 それ以来、妙慶寺では大の月には「大」、小の月には「小」のほうを表にして庫裡(くり)に揚げておるが、天狗のいうとうり、いままで一度も災難におうたことがないそうじゃと。


(用語解説)
蛤坂(はまぐりざか)・・・犀川大橋から寺町に向かう坂。享保18年(1733)の火災で
               ハマグリが口を開いたようになったため、この名がついたという。
              ※参照 金沢まち博HP 周辺のみどころ・観光スポット。
大の月・小の月・・・1ヶ月が31日まである月が「大の月」、残りの月が「小の月」。
   ※参照:海上保安庁水路部HP「暦のあれこれ」 暦について詳しく知りたい方必見!
庫裡(くり)・・・本来は寺の台所を指すが、転じて住職・家族の居間のことを呼ぶ。

・・・どうですか?面白いでしょ?
こんな金沢にまつわる古い話がいっぱい掲載されています。
本の中にはもちろん綺麗な挿絵があって雰囲気あるんです。

「加賀・金沢の昔ばなし」 定価600円
発行:株式会社 堀川商店
画:福居 顕則 話:広田 正行

※お求めはお近くの書店、またはホリカワまでお問い合わせ下さい。

前の5件 1  2  3  4  5  6

お店ばたけプラスホームページ

お店ばたけプラスホームページへ
ISICOバーチャルモール「お店ばたけプラス」は、(公財)石川県産業創出支援機構が運営するインキュベーションモールです。

アーカイブ

ブログを購読する(RSS)

  • RSS2.0を購読する
  • RSS2.0を購読する