お店ばたけ 週刊ウンチク
第359回(2008.3.6)
「招待状の返信の書き方とのし袋~北陸の冠婚葬祭(2)」
提供:アート工房 越田 雅宏さん
◆北陸の冠婚葬祭(2)【招待状の返信の書き方とのし袋】
ブライダルプロデュース&デジタルアルバムのアート工房 越田雅宏です。
3月になりやっと春が近づいて着たかなと感じるこの頃ですね。
春といえば結婚シーズンであり、またいろいろなお祝い事も多い時期です。
そこで今回は「招待状の返信の書き方とのし袋」についてお話させていただきます。
◆ 招待状の返信ハガキについて
○ 招待状の返事は早めに・・・
招待状を受け取ったら、できるだけ早く都合を知らせましょう。料理や引き出物の数、席次などを決める都合があるからです。
返信用のハガキを出すときは「ご出席」の「御」は消すのがマナーで、宛名も「行」を消して「様」に改めます。出席なら欠席を消し、お祝いのことばを書き添えます。
また「御住所」「御芳名」も敬語部分は消すのがマナーです。
(※「御芳名」は「御芳」が敬語になりますので二字を消して下さい。)
欠席するときは特に、お祝いの言葉と欠席のお詫びを書入れて気持ちを伝えましょう。不幸や病気にかかわる理由の時「やむをえない事情で」とします。
出欠の変更は出来るだけ早く、電話が速達で知らせます。代理出席は先方の申し出があった場合に限るのが原則です。
◆のし袋の種類と選び方
「のし」は正式には「のしあわび」といい、昔、貝のアワビをのして使った事から、こう呼ばれるようになりました。
表書きは、毛筆、又は筆ペンを使ってバランス良く丁寧に。また、市販されている祝儀・不祝儀袋のなかには、間違った形のものもあります。こういったものを選ばない様、気を付けましょう。
水引の結び方には一度結んだらほどけない「結びきり」と、ほどいて何度も結ぶことのできる結び方の「蝶結び」があります。
[結びきり]は結婚、お悔やみごとのように二度とくり返してはいけないことに使い、[蝶結び]は何度もくり返してよい一般的な祝い事に使います。
左) 結びきり 右)蝶結び
◆慶事と表書き、のし対応表(ポイント解説付き)
結婚のし袋
<種 類>結婚のお祝い金を贈る
結びきり
<ポイント>
●中に入れるお祝い金の金額に合った装飾・紙質の祝儀袋を使う。
●金額の目安は、月収の5%程度ともいわれる。新郎新婦との関係が近い程、高額に。
●慣例的には新札を包むのが一般的。
<表書き・のし・水引>
◎表書き
寿・御祝・祝御結婚・御慶・御歓など。
◎のし
つける
◎水引
白赤・金銀の結びきり ・あわび結び(あわじ 結び)・老いの波などを。
<種 類>引出物
結びきり
<ポイント>
●余裕を見て、少なくとも挙式の2ヶ月前には予約を。
●招待客の身になって、かさばる物や重い物は避ける。
カタログ式のギフトも人気。
<表書き・のし・水引>
◎表書き
寿
◎のし
つける
◎水引
白赤・金銀の結びきりを。
<種 類>当日のお礼
結びきり
<ポイント>
●結婚式当日は金額を分けた祝儀袋を多めに用意しておく。
●式場の係員への祝儀は、客数やお色直しの回数を考慮。
●受付や司会を引き受けてくれた友人にも、新居に招いたり新婚旅行のお土産を渡すなどのお礼を。
<表書き・のし・水引>
◎表書き
御祝儀・寿・お車代( 仲人・主賓の車代)など。
◎のし
つける
◎水引
白赤の結びきりを。
<種 類>お仲人さんへのお礼
結びきり
<ポイント>
●結納当日、祝い膳を出さない場合は酒肴料を包む。
●結納から挙式まで通してお願いしているなら、挙式後一週間以内に両家の親が手渡す。
<表書き・のし・水引>
◎表書き
御礼・寿・御酒肴料 ・御車代など。
◎のし
つける
◎水引
白赤・金銀の結びきりを。
<種 類>お祝い お返し
結びきり
<ポイント>
●披露宴に招待しなかった方からお祝いをいただいたら、半額程度の品物をお返しするのがならわし。
●披露宴に招待していれば、引出物がお返しに。
<表書き・のし・水引>
◎表書き
内祝
◎のし
つける
◎水引
白赤・金銀の結びきりを。
<種 類>結婚祝いの品物
あわび結び
<ポイント>
●招待状を受け取ってから、挙式の一週間前までに贈る。
●挙式当日に品物を持っていくのは先方に迷惑をかけることに。どうしても事前に贈るこ とができなか た場合には、当日は目録だけにし、受付に渡す。モノは新婚旅行から戻った頃に、なるべく早く。
●友人同士のグループなら、ちょっと高価な実用品を連名で贈ってみるのも良い。
<表書き・のし・水引>
◎表書き
寿・御祝・祝御結婚・ 御結婚・御祝など。
◎のし
つける
◎水引
白赤・金銀の結びきり・あわび(あわじ)結びを。
お祝い事ののし袋
<種 類>帯祝い
蝶結び
<ポイント>
●妊娠5ヶ月目のころに、 出産の無事を祈って妊婦に 腹帯を贈る行事。
●腹帯は、ふつう、妊婦の実家か ら贈る。他人に贈る場合に限り表書きは「御帯」とする。
●病院で腹帯の巻き方を指導してもらったら、五千円位の御祝儀 を。表書きは「御礼」「御祝儀」で。
<表書き・のし・水引>
◎表書き
祝い帯・御祝・寿・御帯 など。
◎のし
つける
◎水引
白赤の蝶結びを。
<種 類>出産祝い
蝶結び
<ポイント>
●近親者以外は、お七夜以後一ヶ月以内に贈る。念のため、赤ちゃんが元気なことを確かめてからの方が良い。
●贈り物が重ならない様、親しい間柄なら相手の希望を聞いて選ぶのも良い。
●現金を贈る場合でも、表書きを「御毛布料」「御洋服料」など具体的にすると、より心のこもった印象。
<表書き・のし・水引>
◎表書き
御出産御祝・御出産祝・祝御安産・御礼など。
◎のし
つける
◎水引
白赤の蝶結びを。
<種 類>出産祝いのお返し
蝶結び
<ポイント>
●生後30日前後に贈る。
●いただいた金額のの三分の一から二分の一程度の品物を。
●表書きの下には、赤ちゃんの名前を書く。
●手紙に、赤ちゃんの写真を添えても良い。
<表書き・のし・水引>
◎表書き
内祝。
◎のし
つける
◎水引
白赤の蝶結びを。
<種 類>七五三
蝶結び
<ポイント>
●11月15日前後に祝う。
男の子は5歳だけ又は3歳と5歳の2回。女の子は3歳と5歳。
<表書き・のし・水引>
◎表書き
「御祝」のほか、 3歳なら髪を伸ばし始める髪置の祝いの「賀御髪置」、5歳なら男児が初めて袴をつける祝いの「賀御袴着」、七歳なら女児が初めてつけひもを取り帯をしめる祝いの「賀御帯解」などもある。
<表書き・のし・水引>
◎のし
つける
◎水引
白赤の蝶結びを。
<種 類>入園 ・入学
蝶結び
<ポイント>
●新しい生活に必要なものを考えて選ぶ。
●受験突破しての入学ならば「合 格御祝」などの表書きもうれしい。
<表書き・のし・水引>
◎表書き
御入園祝・入学御祝・
祝御入学など。
◎のし
つける
◎水引
白赤の蝶結びを。
<種 類>卒業・就職祝
<ポイント>
●卒業祝いと就職祝いは、一度に済ませてかまわない。新生活で役立つ物を。
●お返しは不要。本人が手紙や電 話でお礼を伝える。
<表書き・のし・水引>
◎表書き
祝御就職・就職御祝など。
◎のし
つける
◎水引
白赤の蝶結びを。
<種 類>成人祝い
蝶結び
<ポイント>
●女性は、親や祖父母から振り袖を贈られることが多い。また、 男性の場合は、フォーマルな背広一式など。
●お返しは不要。本人が手紙や電話でお礼を伝える。
<表書き・のし・水引>
◎表書き
御成人御祝・祝御成人など
◎のし
つける
◎水引
白赤の蝶結びを。
<種 類>長寿のお祝い
蝶結び
<ポイント>
●還暦は必ず数え年で。他は満年令でも構わない。
●還暦(61歳)古稀(70歳)
喜寿(77歳)傘寿(80歳)
米寿(88歳)卒寿(90歳)
白寿(99歳)
●お返しの表書きは「内祝」や 「寿」など。
<表書き・のし・水引>
◎表書き
「祝還暦」「祝喜寿」 など(年令に応じた名称に「祝」をつける)
または単に「御祝」など。
◎のし
つける
◎水引
白赤・金銀の蝶結びを
北陸の冠婚葬祭 今回は招待状の返信とのし袋の書き方でした。
ご参考になりましたでしょうか。
それでは、またお会いしましょう。