お店ばたけ発!地域情報の最近のブログ記事

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石川の元気印商店街

(財)石川県産業創出支援機構「地域の絆づくりを進める!石川の元気印商店街」 では、石川県内の商店街を順次訪問し、商店街のイベントや活性化のために工夫されている事などを取材して、元気な商店街の魅力を紹介していきます。

子供からお年寄りまで、特色あるイベントで武蔵へ誘客  武蔵商店街振興組合
(平成25年1月取材)

子供からお年寄りまで、特色あるイベントで武蔵へ誘客 武蔵商店街振興組合


金沢市民の台所「近江町市場加賀藩政期より商業の街、交通の要衝として栄えてきた武蔵地区。昭和初期より百貨店を核として発展し、現在では金沢市民の台所「近江町市場(おうみちょういちば)(右写真) ・ 金沢スカイビル ・ グランドパレス(分譲マンション) ・ 複合商業施設(平成26年春完成予定)の4つの核施設を擁する武蔵ヶ辻(むさしがつじ)交差点を中心に武蔵商店街が形成されている。
特色あるイベントを積極的に展開し、幅広い年齢層の集客に知恵を絞る武蔵商店街振興組合の中島祥博 理事長にお話を伺った。

◆武蔵は『幸せを呼ぶ四つ葉のクローバーの街』

武蔵商店振興組合は、武蔵ヶ辻交差点の四つ角を四つ葉のクローバーに見立て、 『幸せを呼ぶ四つ葉のクローバーの街』 をキャッチフレーズに掲げ、尾張町、袋町、武蔵町、彦三(ひこそ)、上堤町(かみつつみちょう)、堤町一帯に点在する計64のお店と企業で構成される。
業種は飲食、物販、百貨店、ホテル、金融機関、証券会社、専門学校、卸問屋等々多岐にわたる特徴ある商店街でもある。
また、商店街が広域なことから全ての地区で同時にイベントをすることが難しいため、袋町地域、スタジオ通り、加盟店全体、業種別等々に細分化し、それぞれターゲットを絞った集客に工夫を凝らし、目に見えて成果を挙げてきている。


◆時代が変わっても人気のガラポン抽選会

人気のガラポン抽選会

商店街の売り出しイベントとして昔から人気があるのがガラポン抽選会だ。昨年(平成24年)は、12月7日~9日の売り出し期間中、加盟店で1回の買物額が千円以上のお客様にガラポンが1回できる抽選券を配布。
ガラポン抽選会で賑わう特賞は、商店街お買い物券1万円(10本)。
各店賞(協賛17店舗 ・一例:めいてつ・エムザ賞 クリスマスケーキ引換券5本など)76本、1等 大判ジャンプ傘300本、2等 フェイスタオル600本、3等 消せるボールペン3,000本が抽選会の景品。

抽選会場となった近江町とエムザの地下連絡通路は、終日ガラポンをするお客様で賑わった。



◆朝市や灯りの夕べを開催し、袋町に賑わいを創出

袋町では町名復活に合わせ 『ふくろう朝市』 をスタートさせ、カット&エステ髪綺里の駐車場を会場に、湯涌地域の採れたての山菜や減農薬野菜などを毎月第3日曜日の朝に販売。
新鮮な野菜を買い求める地元住民で朝から賑わい、買い物と同時にご近所同士の会話も弾み、旧北国街道でもあるふくろう通りのイベントとして10年近く継続して開催されている。

『ふくろう通り灯りの夕べ』で賑わう人々また、平成23年まで子供たちが楽しめる縁日を夏に開催してきていたが、昨年(平成24年)8月には、大人も楽しめるイベントとして内容をリニューアルした 『ふくろう通り灯りの夕べ』(会場はカナカン(株)本社の駐車場) を開催。

おつまみなどの軽食ブースが出店し、ジャズの生演奏を聴きながら、キャンドルの幻想的な灯りに彩られたふくろう通りを眺め、一杯飲みながらご近所とのコミュニケーションを密にすると同時に、ふくろう通りの賑わい創出にも一役買っている。


『ふくろう通り灯りの夕べ』


◆手づくり体験を通して子供たちに武蔵の魅力を発信
九谷焼 絵付け体験
武蔵商店街には中島理事長が社長を務める中島めんやをはじめ、金箔工芸田じま越山甘清堂壽屋紙文房あらきといった歴史と伝統を受け継いでいる老舗がある。
そうした各店の伝統の技を体験してもらう 『伝統文化ふれあいフェア』 を平成22年からスタートさせている。

「市内の小学校のメールボックスを活用して案内チラシを配布したところ、これが大正解で、毎年定員を上回るたくさんの親子連れにお越しいただいています」と
中島理事長は嬉しそうに語る。

和菓子手づくり体験昨年(平成24年)は11月3日に開催。会場は越山甘清堂の駐車場を借りてテントを設営。朝9時半の受付開始時には長蛇の列ができ、武蔵商店街の大人気イベントとして定着していることを裏付けた。
和菓子手づくり体験など12の体験コーナーが設けられ、各店の店主が子供たちに手づくり体験を指導した。体験は朝10時からスタートし、最終の15時からの体験まで、多いコーナーは6回に分けて各回25名、計150名が参加。12ある体験コーナーは終日親子連れで賑わった。

陶芸ろくろ&手びねり体験参加する時間をずらすことで異なる体験がいくつもできることから、滞在時間が長くなり、武蔵商店街のお店で食事したり、休憩するという波及効果も。
「子供たちに伝統の味や技に親しんでもらい、武蔵商店街に親しみを感じてもらうことにつながれば何よりです」と中島理事長は顔をほころばす。
参加した子供たちの口コミで、兄弟や友達が翌年に参加するという格好で、毎年参加する子供たちの顔ぶれが変わり、年々広がりを見せている。


◆日頃のご愛顧に『七夕キャンドルnight』で感謝を伝える

キャンドルで彩られた幻想的な空間の中で、バイオリン・チェロ・ピアノの生演奏平成23年からは、年末のガラポンだけでなく夏場にもお客様に感謝の気持ちを伝えるイベントを実施したいとの中島理事長の肝いりで、金沢スカイホテル18階を会場に、夏の風物詩である七夕に合わせ 『七夕キャンドルnight』 を開催。昨年(平成24年)で2回目となる。
キャンドルで彩られた幻想的な空間の中で、バイオリン・チェロ・ピアノの生演奏による七夕コンサートを聴き、商店街の飲食店が出店する屋台でおつまみを注文し、ビールやワインなどを飲みながら楽しいひとときを過ごしてもらうというもの。

「第1回の時は、お客様が来て下さるのか不安でしたが、開宴時刻になると会場に入りきれないほど大勢の方に来場いただき、主催者としてほっと胸を撫で下ろすことができました。昨年はあいにくの雨天でしたが、1回目と同様に多くのお客様がお越し下さり、大盛況でした」と中島理事長は振り返る。
七夕キャンドルnight

このイベントのチラシ裏面には、商店街の28店舗が提供する夏得(なっとく)クーポンが印刷されており、それを切り取って各店に持参し買い物すると、10%~40%引など各店独自の特別サービスが受けられるおまけ付き。


◆熱烈なる武蔵商店街ファンづくりに『まちゼミ』を初開催

さまざまなイベントを開催し、お客様に武蔵商店街に足を運んでもらう努力を重ねてきた中で、お客様が各お店に行って体験してもらうイベントをしたいと考え、10年あまり前に岡崎市の商店街が始めた、各店の専門知識をお客様に伝授する 『まちゼミ』 を今年初めて開催することに。
今年2月末から3月初めにかけ第1回目を開催する。今回参加する20店舗の店主から各店の歴史や伝統、職人技についての説明を受け、その店ならではの体験をしてもらうことで、各店に興味を持ってもらうと共に販促につなげることが狙いである。
このまちゼミは、武蔵商店街の常連客により深く各お店の魅力を知ってもらうことで、熱烈なるファン客に育てることが目的で、新聞折り込みチラシを入れるほか、百貨店が得意客に送るDMの中にも入れてもらうことにしている。


◆いつも何かやっている街、おもてなしの街に全力投球!

イベントのチラシ「武蔵商店街はいつも何かやっていると思ってもらうこと、関心を持ってもらうことが誘客への第一歩と捉え積極的にイベントを実施してきていますが、常に目先を変え新鮮さを演出する、その繰り返しで街は何かしら変わっていくとの期待を込めて取り組んでいます」と中島祥博 理事長は力を込める。
平成21年4月に近江町いちば館がオープンして以来、武蔵界隈を歩く観光客が目に見えて増えてきている。
平成27年春に北陸新幹線が開通すると、金沢駅で降りた観光客を最初に迎える商店街が武蔵商店街である。その時に、ようこそお越し下さいましたと受け入れるおもてなしの街になっているかどうか。こうした点にも意を配っていく考えだ。

中島会長「金沢駅から観光客に人気の近江町いちば館までは徒歩10分程度、近江町市場を目指して歩いてきた観光客の方が最初に接するのが武蔵地区です。その商店街がいかにおもてなしの精神を発揮することができるか。それによって観光客の方から 『金沢はいいところだったからまた来たいね』 の一言がいただけるかどうか責任重大であることを肝に銘じ、みんなで金沢を盛り上げていくという思いで頑張っていきたい」と中島祥博 理事長(写真右)は熱く語る。
その上で、武蔵地区だけでなく、5タウンズの各商店街とも連携を取りながら、金沢の魅力アップ、おもてなし力アップに心を一つに邁進していく、その旗振り役の一人として全力投球していく覚悟である。



◆インタビューを終えて・・・

武蔵商店街でいよいよ 『まちゼミ』 がスタートする。金沢市内には創業100年以上の歴史と伝統ある老舗が数多くあることから、将来的には金沢市内全域に広がっていき、熱烈なファン客を着実に増やしていくイベントとして定着することを期待したい。



■ 商店街メモ
・名  称    武蔵商店街振興組合
・理事長    中島祥博
・所在地    金沢市武蔵町・尾張町・袋町・彦三一帯
・設  立    昭和38年
・加盟店    64店舗

・U R L     http://kanazawa-musashi.com/

石川の元気印商店街

(財)石川県産業創出支援機構「地域の絆づくりを進める!石川の元気印商店街」  では、石川県内の商店街を順次訪問し、商店街のイベントや活性化のために工夫されている事などを取材して、元気な商店街の魅力を紹介していきます。

七尾駅前の魅力ある商店街リボン通りへの誘客に日々努力  七尾駅前通り商店街振興組合
(平成24年12月取材)

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かつては七尾駅に降り立つと目の前に商店街の通りが見えた七尾駅前通り商店街(愛称:リボン通り商店街)だが、七尾駅前再開発事業により、駅前にパトリア、ミナクルの2つの商業ビルが林立し、駅前に通じていた商店街の入口が塞がれた格好となり、現在では駅から商店街の通りを見ることができない。
そのため、従来にも増して商店街の存在をアピールすることが不可欠となり、様々なイベントを開催し、地元住民とのつながりを大切にしている。日頃の取り組みについて得能勝秀理事長にお話を伺った。


◆商店街のコミュニケーション拠点「ふれあいリボン館」
七尾駅前通り商店街(愛称:リボン通り商店街)

七尾駅前再開発事業が開始される前、駅前通り商店街の愛称を募集したところ「リボン通り商店街」に決まり、アーケードの入口にリボンのマークをあしらった「ハートを結ぶ 七尾駅前 リボン通り商店街」として新たなスタートを切った。
以来、リボン通りの愛称を周知すべく、商店街の通りの街灯や各商店前のプランターに名称看板を付けてアピールしている。

リボン通り商店街は自ら商売をしている人もさることながら貸店舗が多いのが特徴で、商店街の通り中程にある空き店舗の一つを組合で借り、商店街の休憩スペース「ふれあいリボン館」として買い物客や地域住民に開放している。
「ふれあいリボン館」では、常時子供たちの個性豊かな作品が展示されている。お年寄りが商店街の途中で一服できる場所としての利用だけでなく、子供たちの絵画教室、書道教室、音楽教室などの練習の場としても活用されており、常時子供たちの個性豊かな作品が展示され(写真:左)、一息入れるお客様に癒しを提供するスペースとして好評を得ている。




◆ちびっ子の夏のお楽しみ「七夕まつり写生大会」

七夕まつり写生大会リボン通り商店街では、毎年、七夕の時期に商店街の通りに商店主が一斉に七夕飾りを華やかに設置し、七夕ムード満点の商店街をスケッチしてもらう写生大会を開催している。
約2万枚のチラシを作成し、地元の保育園、幼稚園、小学校に配布するだけでなく、新聞折り込みでも参加者を募集。
今年(平成24年)で44回目となる地元に定着したイベントになっている。この時ばかりは200名あまりのちびっ子たちが商店街の道路脇に陣取り、真剣にスケッチする姿で賑わい、いつもと趣の異なる商店街を見ることができる
写生大会後の表彰式写生大会が終わると子供たちの描いた絵を審査し、特賞8名、金賞16名、銀賞24名、銅賞40名の計88名に盾と賞状と記念品が贈られる
ちなみに特賞の記念品はキャラクター目覚まし時計。参加賞としてシャープペンシルとジュースが全員に配られる。

このイベントは、毎夏のリボン通り商店街の定番イベントとして地元の子供たちがとても楽しみにしている。44年もの歴史があるだけに、七尾で育ったちびっ子たちが、大人になってからも「そう言えばリボン通り商店街の七夕まつり写生大会に参加したなぁ・・」と懐かしく思い出すイベントに違いない。
写生大会の入賞作品は商店街に貼り出され、それを見に人が集まるという相乗効果もある。


◆一大イベント 「しののめフェスティバル」 と 「リボンバザール」

しののめフェスティバル

商店街の秋の一大イベントとして、七尾東雲(しののめ)高校と連携して開催される「しののめフェスティバルinリボン」がある。
場所やテントなどの施設、焼きそばやからあげの屋台などで使用する備品類は全て商店街が準備し、高校生たちは自分たちで栽培した野菜や花などを持ち込み、自分たちで販売する。
(写真上)
文化祭と商いの勉強を兼ねたイベントで、平成23年まで10年あまり、前身の七尾商業高校時代からリボン通り商店街を会場に継続して開催してきている。

ブラスバンドと太鼓演奏

よさこいとブレイクダンス

ブラスバンドや太鼓演奏に加え、よさこい・ブレイクダンスの演舞も行われ大いに盛り上がる(写真上)

この日ばかりはリボン通り商店街に若者が溢れ、その熱気が商店街をパッと明るくし、そんな若者たちの活気に引き寄せられるように大勢の見物客が集まり、大きな賑わいが創出される。商店街にとっても、東雲高校にとっても意義ある秋の一大イベントだ。

残念ながら平成24年は学校行事との兼ね合いで休止となった。「やはりこうしたブラスバンドや太鼓といった勢いをつける音楽とよさこいやブレイクダンスのイベントは、お客様もとても楽しみにしているだけに、来年はぜひ開催したい」と力を込める。

売り出しイベントである「リボンバザール」当日は、商店街を挙げての年2回の売り出しイベントである「リボンバザール」も同時開催され、押すな押すなの人出で商店街は大賑わいとなった。(写真:左)







◆一人でも多くのお客様のハートを掴む

得能理事長商店街の置かれている環境が厳しいことは否めないが、そんな中でも市や県の商店街活性化事業等を有効に活用し、商店街に少しでも人を呼び込むことにつながるイベントや情報発信に知恵を絞っている。と同時に、商店街の継続事業としてこれまで126回続けてきている先述の「リボンバザール」を今後も春と秋の2回開催し、加盟する商店が元気に頑張っていることを地元の人たちに発信していくことに力を注いでいく考えだ。
様々な環境変化に柔軟に対応し、常に前向きに、歴史あるイベントを大切にすると同時にいかに有効活用していくか。
ここに商店街として英知を結集し、心のこもった接客サービスで顧客に満足を提供することに邁進していく覚悟である。
商店主の高齢化が進む中、「数軒あまりではありますが、後継者が名乗りを上げた店舗があることが、これからのリボン通り商店街にとっての明るい話題です」と
得能勝秀理事長(写真:左上)は顔をほころばす。次代を担う若手たちが新しい発想で商店街を盛り上げていくことを期待したい。


◆インタビューを終えて・・・

七尾駅前だけでなく、どこの商店街も店主の高齢化、後継者難、少子化など取り巻く環境は厳しいが、そんな時こそリボン通り商店街のキャッチフレーズにあ る、組合員と顧客のハートを結ぶ、心あたたまる商店街として真心サービスをモットーに商店街の存在感を発揮してもらいたい。



 ■ 商店街メモ
・名  称    七尾駅前通り商店街振興組合
・理事長    得野勝秀
・所在地    七尾市大手町一帯
・設  立    平成6年
・加盟店    33店舗

石川の元気印商店街

(財)石川県産業創出支援機構「地域の絆づくりを進める!石川の元気印商店街」  では、石川県内の商店街を順次訪問し、商店街のイベントや活性化のために工夫されている事などを取材して、元気な商店街の魅力を紹介していきます。

個性豊かな商店街が山中温泉の魅力アップに日々邁進!  山中温泉湯の本町商店振興会・中央振興会
(平成24年11月取材)

個性豊かな商店街が山中温泉の魅力アップに日々邁進!  湯の本町商店振興会・中央振興会

加賀の奥座敷・山中温泉は、その名のとおり山の中にあり、鶴仙渓(かくせんけい)という他の温泉地にはない景勝地に恵まれている。
山中温泉は温泉嫌いで知られた松尾芭蕉が、山中温泉の名湯を気に入り8泊も滞在し、『山中や 菊は手折らじ 湯のにほひ』と詠んだことで知られる。
そのお膝元にある2つの商店街、山中温泉湯の本町商店振興会ならびに山中温泉中央振興会では、山中温泉の魅力アップに日々取り組んでいる。
湯の本町商店振興会の紺谷欽夫会長、中央振興会の中村学紀会長にお話を伺った。



<湯の本町商店振興会>
◆笑顔のコミュニケーション

湯の本町商店振興会は、地元住民が食料品や日用雑貨、洋服などを買いに行く地元密着の商店街で、昔から観光客向けではなく、地元指向で繁栄している。
そうした地元のお客様との心のつながりをより一層大切にしたいとの思いから、商店街とお客様の絆を深めることを目的に「笑顔」をキーワードに、定期的に落語公演会を開催している。
「千円以上のお買い物で」「常連客に先着順」など、各店舗独自の配布条件を店頭に掲示するポスターに明記し、イベントの招待チケットを配布している。
湯の本町商店街でお買い物をすると、落語公演が無料で楽しめるという付加価値をプラスし、誘客促進につなげている。

◆盛況だった三味線&ジャズバンド公演

常連客はお年寄りが多いため、お年寄りに大いに笑ってもらうには落語が一番と考え、落語家を呼んでの落語公演を8回開催し好評を得てきた。
9回目となる先般のイベントは、少し目先を変え、去る11月10日(平成24年)に三味線奏者・永村幸治氏とジャズバンドのコラボレーションによる三味線ライブを開催
(写真:下)
三味線奏者・永村幸治氏とジャズバンドのコラボレーションによる三味線ライブ
当日は、開演時刻が19時30分であるにもかかわらず、1時間あまり前から会場である山中温泉元湯に併設された山中座に夕食を終えた家族連れ、中高年夫婦、おばあちゃんと娘さんといった様々な組み合わせの近所の人たちが三々五々集まり始めた。(写真:

この時を楽しみにしていたことが伝わってくる笑顔があちこちに見受けられ、開演時には客席が満席となる盛況ぶり。

三味線ライブは、大いに盛り上がった。

三味線とジャズの生演奏は、さすがに大迫力で、1曲終わるごとに盛大な拍手で会場は大いに盛り上がった。こうした光景を目の当たりにし、商店街主催のイベントが地元の人たちの楽しみの一つとして定着してきていることを実感させられた。

◆おまけ付きチケットで顧客の心をくすぐる

この演奏会の招待チケットの半券は、公演後1ヶ月間、湯の本町商店街の加盟店で買物する際に300円の割引券になるという心憎い配慮がされている。
もちろん、飲食店もあるため、食事をしても割引になる。
湯の本町商店振興会 紺谷会長商店街に来ると楽しい、買い物以外の楽しみも提供してくれる商店街にしたいとの思いで、笑いがある落語会を8回開催してきました。
後継者がいなくて自分たちの代で店を辞めるところも出てきていますが、少しでも商店街に笑いの輪を広げることができればと商店街を挙げて取り組んでいます」と紺谷会長は笑顔で語る。
地元にとってなくてはならない心が通い合う商店街として存在感を高めている。山中温泉は一人暮らしのお年寄りが多いことから、わずかの注文でも自宅まで配達サービスするなど、各店が精一杯の努力を重ね、肩を寄せ合い、激励し合って盛り上げている。


<中央振興会>
◆散策時に休憩できるスポットづくり
中央振興会には旅館が多く加盟しており、商店街と旅館が協力し、観光客を取り込むような取り組みができないかという観点から振興策を模索してきている。
中央振興会 中村会長「中央振興会は、鶴仙渓のあやとり橋から黒谷橋の区間にあたることから、山中を代表する観光スポットである鶴仙渓を歩いてもらうことが、中央振興会の商店前も通ることになるので、その途中にちょっと立ち寄ってもらえるスポットに各商店がなればと思っています。
さらに、散策の際の休憩スポットになればとの思いから、平成22年3月に東山荘という旅館だった古い建物を改装して東山ボヌール』というカフェを設け、観光客の回遊促進にも努めています」と中村会長(『きぬや』代表)は力を込める。


◆若手がゆるキャラとアートで街を盛り上げる

各店舗を回って絵画鑑賞「小さな町のアート展」中央振興会の各店舗では、「小さな町のアート展」と銘打ち、地元在住の作家が鶴仙渓をテーマに描いた絵画を加盟する14店舗に展示し、各店舗を回って絵画鑑賞するスタンプラリーを9月1日~11月30日(平成24年)の期間限定で実施。
スタンプラリーを達成したお客様には、中央振興会の若手有志が考案した『おわんさん』というゆるキャラのストラップをプレゼントした。同期間中に加盟店で3,000円以上のお買い物をした人も同ストラップをもらうことができ、合わせて1,200名様にプレゼントしたという。おわんさんのショートアニメも作成し、YouTubeで公開しており、その再生回数が1ヶ月間を待たずに千回を突破している。
観光客に少しでも財布の紐をゆるめてもらう動機づけになればとの思いもこの山中温泉の非公式ゆるキャラ『おわんさん』に込められている。
山中温泉では昔から旅館の若旦那が、おあんさんと呼ばれていること、それと地元の伝統工芸である山中漆器のお椀を題材に、ほんわかとした雰囲気を醸し出したゆるキャラが、YouTubeやブログでの情報発信の効果で、静かなブームが始まりつつある。
おわんさんストラップは購入することができ、販売先は中央振興会会員店だけでなく、山中温泉道の駅や山中座にも広がりが出てきており、女性観光客が「かわいいね」と手に取り、友達へのお土産にまとめ買いする姿が見受けられた。


◆各店の個性を誘客につなげる

おわんさんは非公式ゆるキャラではあるが、地元の若手商店主たちが話題づくりの一つとしての取り組みを始めており、これからどのような広がりを見せるか、大いに楽しみである。
土産物店『きぬや』「商品を販売するだけでなく、お客様に楽しいひとときを提案することが大切との思いから、私の店( - Kaga Style - きぬや:写真左)でも二階のスペースを活用して陶芸教室を行っており、体験してもらうことで商品に興味を持ってもらうきっかけになればと思っています」と中村会長が語るように、各店が個性を発揮し、観光客を呼び込む努力に余念がない。



◆心を一つに山中温泉の魅力を発信

山中温泉は、栢野大杉(かやのおおすぎ)や鶴仙渓(かくせんけい)に代表される自然の美しさはもちろんだが、温泉とモノづくり(山中漆器)が共に栄えている街であり、こうした街は日本中探しても山中温泉だけではないだろうか。
そんな思いを観光客に発信すべく、山中商工会が中心となって温泉に泊まって漆器のモノづくりを見学してもらう『山中温泉工房めぐり』を始めたところでもある。
いずれも観光の大きな要素であり、これから山中温泉を全国に向けて発信していく際の重要なキーワードだと捉えている。
同 じ山中温泉にある二つの商店街ではあるが、それぞれに顧客となるターゲットが、湯の本町商店振興会は地元密着、中央振興会は観光客とその色合いは異なるも のの、山中温泉を盛り上げようという思いは、老いも若きも同じであり、同じ目標に向かって邁進する個性豊かな商店街のこれからに期待したい。



◆インタビューを終えて・・・

11月中旬の紅葉・カニ解禁・週末という絶好の行楽日に取材したこともあるかもしれないが、予想以上に多くの観光客が山中温泉を訪れており、あちこちで賑 わいが見られ、土産物店には観光客が溢れていた。観光地としての魅力を兼ね備えている温泉街だけに、ちょっとしたアイデアや工夫で、まだまだいろんな可能 性を引き出せるに違いない。



 ■ 商店街メモ
・名  称    山中温泉湯の本町商店振興会
・会  長    紺谷欽夫
・所在地    山中温泉湯の本町一帯
・設  立    昭和45年
・加盟店    17店舗
・U R L     http://www.esowa.co.jp/yunohon/


・名  称    山中温泉湯中央振興会
・会  長    中村学紀
・所在地    山中温泉湯鶴仙渓、薬師通り一帯
・設  立    昭和58年
・加盟店    9店舗
・U R L     http://www.higashiyama-bonheur.jp/

石川の元気印商店街

(財)石川県産業創出支援機構「地域の絆づくりを進める!石川の元気印商店街」  では、石川県内の商店街を順次訪問し、商店街のイベントや活性化のために工夫されている事などを取材して、元気な商店街の魅力を紹介していきます。

住民参加型イベント(紫灯路)で商店街の魅力づくりに邁進  片山津商工振興会

住民参加型イベントで街の魅力づくりに邁進 片山津商工振興会

加賀市を代表する温泉地の一つ片山津温泉は、風光明媚な柴山潟を取り囲むように温泉旅館が点在し、その旅館と共存共栄で繁栄してきている商店街が片山津商工振興会である。
片山津温泉への入り込み客数の減少で厳しい環境下にあるものの、若手店主たちが一致団結し、商店街に人を呼び込む様々なイベントを展開している。
片山津の街を愛する若手商店主たちの信望も厚く、商工振興会の会長を務める山形貴秀氏、副会長を務める打出浩敏氏にお話を伺った。


◆地域資源を活用し、誘客促進の魅力づくり

観光客向けの体験型観光ならびに片山津温泉の魅力の一つとして定着してきているのが、柴山潟の湖底土と片山津温泉の源泉を使って染める「晶子(あきこ)染め」と源泉をにがり代わりに使う「源泉豆腐」づくり体験である。
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晶子染め とは・・・
「晶子染め」製品平成16年、地球環境科学が専門の金沢大学名誉教授の田崎和江氏が、粒度が細かい柴山潟の湖底土が奄美大島の特産である「大島紬」を染める泥に似ていることに気づく。
さらに、ミネラルを多く含む源泉にも着目し、色止めに使えるのではないかと研究を重ねた結果、化学薬品を一切使わず、ここでしか出せない色合いの染め物が誕生した。
染め方は絹の生地を数カ所輪ゴムで縛り、源泉で煎じた緑茶と柴山潟の湖底土の中で揉み込む。
晶子染めでオリジナルのハンカチとスカーフ染め上がった布は一つとして同じものはなく、作り手の個性が反映された文字通り一点物だ。
手軽に自分だけのオリジナルのハンカチ(絹35㎝角)やスカーフ(絹130㎝×145㎝)を染められることから、とりわけ女性観光客に人気で、従来までのお土産にはない、自分の手で自分のための思い出に残る記念の品を作れる魅力が、旅行雑誌や旅行者のブログで情報発信されていることも奏功し、根強い人気がある。
晶子染めというネーミングは、歌人・与謝野晶子が片山津で詠んだ和歌 「風起こり 薄紫の 波動く 春の初めの 片山津かな」 に因んだもの。
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源泉豆腐 とは・・・
楽しい手作りの源泉豆腐片山津温泉の源泉はミネラルを多く含むことから、これを豆乳に混ぜることで源泉がにがりの役割を果たし、豆乳がうまく固まり、塩味の温泉豆腐ができあがる
豆腐づくり体験は、女性だけでなく家族連れにも好評で、子供は目の前でみるみる豆腐ができ上がっていく過程に喜び、自分で作ったできたて豆腐に笑顔がこぼれ、観光客だけでなく地元の家族連れのリピーターもいる人気体験になっている。

晶子染めならびに源泉豆腐づくりは、体験型観光の目玉として、片山津温泉を訪れる女性観光客や家族連れに大人気で、平日はもちろんのこと、週末ともなると体験会場である商店街中心部にあたる三区通りでひときわ目を引く紅殻格子の
芸妓検番花館(はなやかた)」で順番待ちとなることも珍しくない。

◆晶子染めの行灯で商店街に光回廊を創出

晶子染めの行灯片山津商店振興会では平成24年に、晶子染めで染めた布の活用法として、行灯に仕立て街中に光回廊を演出するイベントを企画開催した。
以後毎年、体験学習で晶子染めを行っている近隣の小学生に行灯用の晶子染めづくりを依頼し、完成した布をプラスチックでコーティングし、円筒形にした行灯が片山津に新たな魅力を創出することとなる。

今年(平成24年)から 『紫灯路(むらさきとうろ)』 というタイトルで定番イベント化され、多くの人たちで賑わった


紫灯路(むらさきとうろ) とは・・・
商店街中心部にあたる三区通りの活性化を目的に、晶子染めの行灯を商店街の通りや周辺の公園にズラリと並べ、蝋燭(ろうそく)の灯りとLEDで光回廊を創出するイベントのことで、片山津の四季を通しての定番イベントになっている。

なんとも幻想的!

当初は300基程度を並べていたが、今秋の紫灯路では1050基に増えた。そこには、地元の小学生に一人一枚晶子染めの制作を依頼し、それを行灯に仕上げることで、自分たちの作った行灯を家族で見に来てもらおうとの粋な企画がなされた。
このことは地域住民のイベントへの参加意識を高揚することにもつながり、子供たちも楽しみにしている。

1000基を超える晶子初めの行灯とLEDで光回路を創出

「今回の紫灯路は、行灯の数が1000基を超えたことで、街中に文字通り光の回廊ができ、温泉街が幻想的な雰囲気に包まれ、なんとも言えない美しさに訪れた皆さんも歓声を上げ、あちこちで携帯のカメラで撮影する姿が見られ、街カフェの飲食コーナーやライブ演奏も賑わい大成功でした」と、満面の笑みで
打出副会長は紫灯路の夜を振り返る。

芸妓検番「花館」の前で、幻想的な二胡、フルートとピアノの演奏
・芸妓検番「花館」の前で、幻想的な二胡、フルートとピアノの演奏

カフェの飲食コーナーと紅殻格子の芸妓検番「花館(はなやかた)」
街カフェの飲食コーナー と 紅殻格子の芸妓検番「花館(はなやかた)」
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街カフェについては月に1回ぐらいのペースで開催したいとの思いもあり、定期開催が期待される。また、来年(平成25年)のゴールデンウィークには3日間連続で公園に行灯を展示することも検討している。

◆片山津ならではのB級グルメ・片山津バーガーを発案

片山津に来たらこれを食べなければ!と言える名物を作りたいとの熱い思いをいだいていた商店主の発案で、新たなご当地グルメを作ることになった。
商店街の飲食店有志が取り組み、試行錯誤の末に辿り着いたのが片山津温泉の高濃度の塩泉で作った温泉卵を使った「片山津バーガー」である。
現在は7店舗で賞味することができ、それぞれの店が個性とアイデアを商品化したユニークなバーガーを提供しているが、いずれのバーガーも一口頬張ると温泉玉子の美味しさと食材の旨みが口の中に広がり、癖になること請け合いだ。
今後は街カフェや紫灯路のイベント開催時の人気メニューの一つとして育てていくと同時に、片山津の新たな看板商品として情報発信にも力を注いでいく考えだ。


片山津温泉の高濃度の塩泉で作った温泉卵を使った「片山津バーガー」
1. シュ・ラスコバーガー SHU/LASCO) <上写真:左>
2. お好み焼バーガーなか伸) <上写真:中央>
3. 男前バーガー ・ 美少女バーガー 
村カフェ アレ・コレ) <上写真:右(左が美少女バーガー)>

片山津ならではのB級グルメ「片山津バーガー」
4. カモ治部焼バーガー (味屋だんご) <上写真:左>
5. ばーがーどーね パンドーネ <上写真:中央>
6. バイカーズバーガー PINE DINER <上写真:右>

7店舗で食べられる「片山津バーガー」
7. イタリアンまちバーガー まちカフェ

◆商店街を挙げて新店舗を誘致し、活気を醸成

山形会長平成22年から片山津商工振興会を挙げて空き店舗対策に取り組んでいる。
加賀市からの助成制度も奏功し、これまでに飲食店や雑貨店、マッサージ店、お好み焼き店など6店舗の新規出店に結びついている。
これまで閉ざされていたシャッターが開くことで、商店街の店の明かりが増え、街が明るくなり、来街者が増え、活気と賑わいが創出されるというプラスの相乗効果が期待される。
「多くの観光客の方に来ていただかないことにはこの町は元気にならない。そのためには町の魅力づくり、賑わい創出、情報発信にとにかく力を注いでいきたい。温泉旅館と共に栄えてきた町だけに、観光協会さんとも協力しながら様々な試みを展開していきたいと思っていますが、まず何よりも商店街自らが新しい店舗を誘致し、活気を呼び込むことに努めています」と山形会長は力を込める。

◆メールマガジンを誘客のツールとし、情報発信を強化

打出副会長片山津商工振興会では、従来から商店街で発行している「ゆーでるかーど」がリニューアルしたことから、そのカード交換に合わせて、メルマガ会員への登録を勧誘している。
対象とする年齢層別に商店街のイベント情報などを発信していきたいと思っており、急ピッチで登録作業を進めていきたい考えだ。
メールマガジンの活用と同時に、年間を通して様々なイベントを展開していることを事業者側にももっと情報発信する必要性も痛感している。
例えば、紫灯路などのイベント開催日時を旅館の接待の方に周知しておかないと観光客の皆さんに来てもらえないといったこともその一例で、チラシ等を作成し、各旅館にPRすることにも力を入れていく予定である。


◆光回廊の街・片山津を全国に発信
今後は商店街だけでなく、柴山潟に整備中の新しい堤防にも行灯を並べ、商店街と湖を彩る一大光回廊を実現することが目標で、片山津を代表するイベントに育てるべく、片山津商工振興会の会員一同やる気満々だ。
まずは自分たちがやっていることを知ってもらうことが先決で、そのためにホームページやfacebook、twitterなどのソーシャルメディアを活用した情報発信のあり方を研究中である。
片山津商工振興会の場合は、世代交代が順調に進んでおり、山形会長をはじめとした40代の商店主たちが商店街活動の旗振り役として頑張っている。
「何をするにも人です」と山形会長が強調するように、同振興会には20歳~40歳で構成される「あすなろ会」なる若手の集まりがあり、そうした次の世代の後継者も巻き込みながら、商店街を挙げてのイベントを開催できる点が片山津商工振興会の強みでもある。



◆インタビューを終えて・・・

商店街の役員を40代の若い人たちが務めていることにまず驚かされた。その若さを武器に、片山津の恵まれた自然環境を十二分に活用し、これまでになかった ような発想で様々な試みを提案し、温泉地として、観光地として、そして商店街として、片山津の個性を積極的にアピールしてもらいたい。



 ■ 商店街メモ
・名  称    片山津商工振興会
・会  長    山形貴秀
・所在地    加賀市片山津温泉一帯
・設  立    昭和52年
・加盟店    118店舗
・U R L     http://www.katayamazu.net/

石川の元気印商店街

(財)石川県産業創出支援機構 「地域の絆づくりを進める!石川の元気印商店街」  では、石川県内の商店街を順次訪問し、商店街のイベントや活性化のために工夫されている事などを取材して、元気な商店街の魅力を紹介していきます。

穴水の魅力(川・人・味覚)再発見が活性化の鍵! 穴水商店振興会

穴水の魅力(川・人・味覚)再発見が活性化の鍵! 穴水商店振興会

まいもんまつりの里として知られる能登有料道路の終点・穴水町。春はいさざまつり、夏はさざえまつり、秋は牛まつり、冬は牡蠣(かき)まつりと美味しいものに恵まれ、毎回多くの来場者で賑わう。
その一方で、のと鉄道穴水駅周辺に点在する穴水商店振興会(会員数25店舗)に加盟する商店は、店主の高齢化や後継者難で厳しい環境下にある。そんな中、様々なイベントで集客に努めている穴水商店振興会の吉村扶佐司会長にお話を伺った。



◆地元の魅力をキーワードに商店街に元気を呼び込む
昭和40年代、グリーンスタンプやブルーチップなど様々なスタンプが重宝され始めたのを受け、穴水の商店街でも地元独自のスタンプを発行しようと穴水スタンプ会が設立されたのが昭和45年のことで、当時60店舗あまりが加盟していた。
賑わいを見せた穴水町の商店街も、過疎化、少子高齢化の波に揉まれ、年を追うごとに店主の高齢化と後継者がいないため閉店する店が増え、現在は25店舗に。
平成19年の能登半島地震から復興し、店舗の建物は新築されて綺麗になり、道路も街並みも整備が進み、環境は申し分ないのだが、商店街として集客力の低下が否めない状況にある。
そんな環境下にある商店街に少しでも元気の種蒔きができないかと吉村会長を先頭に、自分たちが子供の頃から遊び場として親しんできた真名井川(
ないがわ)を活用した「カヌー体験」、穴水町と縁があるアメリカ人天文学者パーシヴァル・ローエルに因んだ「カフェローエル」、能登半島地震からの復興をアピールする目的で地元の産品を販売する「復興市(ふるさと市)」などを開催し、商店街への集客に地道な努力を重ねている。
一大イベントである「カフェローエル」は、毎年多くの人で賑わう!
一大イベントである「カフェローエル」でのステージイベント。、毎年多くの人で賑わう!


◆川から始まる商店街!!
穴水町の商店街の中を流れる二級河川・真名井川(旧小又川:おまたがわ)は、50代以上の商店主たちが幼少の頃に川遊びをしたり、魚釣りをした生活に密着した親水空間だったが、長らく活用されないままになっていた。canu2-2.jpg
現在は活動を休止しているが、公益財団法人ブルーシー・アンド・グリーンランド(B&G)財団のB&G穴水海洋クラブが、子供たちにカヌー体験を通して、健全な精神を育成する活動を行っていた。そのためカヌーの艇庫もあるなど、以前からカヌーと穴水町は浅からぬ縁がある。そこに金沢大学と金沢星稜大学の地域課題研究ゼミナールの学生たちが目をつけ、カヌーを活用して真名井川の魅力を引き出せば、商店街の魅力がより一層増すのではないかとの発案でカヌー体験がスタートしたのだ。
具体的なコースは、公益財団法人ブルーシー・アンド・グリーンランド(B&G)の艇庫がある穴水町大町を起点に、穴水町商店街の中を通り、穴水町役場前を経由して戻ってくる一周約2㎞のコースを1時間ほどかけてゆっくりと巡ってくるもので、川から眺めることでこれまで気づかなかった新たな穴水の魅力ある自然景観を再発見できる。
体験した人たちの口コミで年々利用客が増えてきており、とりわけ夏休み中は多い日には家族連れが十組あまりカヌー体験に訪れ、受付担当者が嬉しい悲鳴を上げるまでになり、穴水町の新たな魅力として定着しつつある。



◆穴水町の一大イベントに育った「カフェローエル」

迫力のある祭り太鼓商店街の通りはもちろんのこと、商店街の中を流れる真名井川の流れに沿って両岸にキャンドルを整然と並べ、商店街への誘客につなげるイベント「カフェローエル」は、平成16年にスタートし、来年10年目の節目を迎える人気イベントで、ゆっくりと緩やかなフラダンス今では穴水町の定番イベントの一つとして遠方より訪れるファンも増えてきている。 昼は、商店街の広場周辺を会場に、炭火焼の牡蠣や魚介類の飲食コーナー、祭り太鼓やフラダンスなどのステージイベントで賑わいを見せる。
日が沈んで暗くなると、いよいよお待ちかねの灯りの一大イベントの幕開けだ。いつもは静かな夜の商店街もこの日ばかりは幻想的な灯りのイベントを一目見ようと多くの見物客で賑わい、各店舗が用意した料理なども店先で提供され、夜遅くまで賑わう。
夜にはなんとも幻想的な灯り
イベントを開催するためには、テントや椅子の設営やキャンドルを町中に並べたり、その後片づけといった裏方の仕事に労力を取られるが、最近はボランティアとして手伝いを申し出る人も出てきているようで、「継続してやってきたおかげで、町外からもかなりたくさんの人が見物に来て下さり、中にはボランティアをして下さるありがたいファンの方もおり、嬉しい限りです」と顔をほころばす。


◆地元の人たちの交流の場「ふるさと市」
能登半島地震から穴水町の商店街が復興したことをアピールする目的で始めた「復興市」は、年々参加者が増え、出店内容もバラエティーに富み、復興市から「ふるさと市」へと昇華してきている。
「ふるさと市」は地元の野菜や魚の販売、そしてコミュニケーションの場
地元の農家で採れた野菜、地元で獲れた魚介類、趣味のサークル等で作成した小物類など100円から手頃な価格設定で販売している。
これは単に商品を販売するだけの場ではなく、日頃一人暮らしで寂しい思いをしているお年寄りが集い、世間話に花を咲かせるコミュニケーションの場を提供するという重要な役割も担っている。



◆穴水ファンづくりに英知を結集
カフェローエル開催時には、のと鉄道と連携してビール電車を七尾―穴水間で走らせ、七尾から穴水までお客様を乗せ、七尾の石崎奉燈祭の時には穴水から七尾までビール電車を走らせるといった連携も行っている。
のと鉄道は、『花咲くいろは』の聖地の一つでもあり、全国から熱烈なファンが押し寄せるイベントが開催される際に、商店街で買い物や食事をしてもらえるような仕掛けを工夫するといった連携も今後の検討課題の一つではないだろうか。
穴水町の名所・旧跡に案内看板を設置し、穴水駅に降り立った人が30分~1時間程度、穴水町内をぶらり散歩できるような、人の流れを創出する観光コースづくりにも取り組んでいる。このコース整備と合わせて商店街も散策してもらえるよう「まち歩きマップ」の制作も同時並行で進めており、平成24年度内の完成を目指している。
商店街としては厳しい環境下にあるものの、商店主の人柄、都会では失われつつある地域のつながり、美しい自然環境、美味しい食べ物、これらが穴水町の大きな財産であり、そうした魅力を大いにアピールし、穴水ファンを増やすべく邁進してもらいたい。



◆情報発信できる魅力づくりが課題
吉村扶佐司 会長穴水商店振興会にはホームページがないため、外に向かって情報発信するツールがないのが現状である。
その課題を解消すべく、石川県商店街振興組合連合会のセミナーに参加している有志で、商店街のホームページを再度立ち上げることを目標に勉強を始めているところである。
通り一遍の商品だけではホームページを作ってもアピール力に欠けることから、「各商店が知恵を絞り、穴水ならではのお土産物になるようなオリジナル商品を作ることが急務で、まず能登を連想させ、次に穴水につながるような商品開発が不可欠だと思っており、みんなで知恵を出し合って何とか形にしたいと思っています」と吉村会長(写真:左)は力を込める。




◆インタビューを終えて・・・
穴水町には年4回、毎年開催される「まいもんまつり」や商店街が主催する「カフェローエル」といった知名度のあるイベントが定着している。これを商店街活性化に活用しない手はなく、町、のと鉄道、飲食店等との連携をより一層密にし、積極的な誘客戦略の展開を期待したい。


 ■商店街メモ
穴水商店街の街並み・名  称   穴水商店振興会
・会  長   吉村扶佐司
・所在地   穴水町大町一帯
・設  立   昭和45年
・加盟店   25店舗

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