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(財)石川県産業創出支援機構の「石川発!お店探訪記」加賀・能登 頑張るお店 は、石川県内の実店舗・ショップを訪問し、取扱商品の特徴・売れ筋、店づくりや店舗展開・経営方針、顧客サービスや今後の課題などを取材して、頑張っているお店の魅力を紹介していきます。

日本で唯一、珪藻土七輪の産地・珠洲が誇り(株)鍵主工業


日本で唯一、珪藻土七輪の産地・珠洲が誇り(株)鍵主工業

遡ること2000万年~1200万年前、能登半島の海中に珪藻(けいそう)というプランクトンの遺骸が堆積したのが珪藻土(けいそうど)である。珠洲の珪藻土の層は、深いところで500mもあり、日本一の埋蔵量を誇る。江戸時代初期から一般家庭の竈(かまど)や製塩竈の材料として使われていたが、明治時代になると、七輪などの製品として販売されるようになり、全国の家庭に普及していった。日本で唯一の珪藻土産地・珠洲を代表するメーカーである(株)鍵主工業の鍵主哲社長にお話を伺った。


● 珪藻土七輪の現状

珪藻土七輪珠洲の珪藻土七輪ガス調理器のみならずIH調理器までもが各家庭のキッチンに普及している今、なかなかお目にかかることはないが、昭和30年代頃までは、プレス成型された珠洲の珪藻土七輪が全国の家庭で活躍し、とりわけ焼き魚の美味しさは現在の調理器具の比ではなかった。

kaginushi_02.jpg時代の流れ、生活様式の欧米化、都市ガスの普及にともない、次第に七輪が家庭から姿を消し、生産量が激減した時期を経て、平成の時代に入り、こだわりを持った人たちの間で、珪藻土七輪が見直され、一般的なものでは旅館の一人用七輪、特注では焼肉店の無煙ロースターの中に組み込まれた七輪など、復権の動きが顕著になってきている。さらに、近年はより本物指向の人たちや料理店向けに、珪藻土の切り出しから手作業で製造した切り出しコンロが人気を集めている。


● 13年あまり前にホームページを開設

kaginushi_03.jpg遡ること13年あまり前から、ネット通販で新規顧客を開拓すべく、鍵主社長の手づくりで珪藻土七輪を紹介するホームページを開設。

ネットショップの売上推移を伺うと、「売上がここへきて下降気味だったことから、売れるネットショップの作り方、運営方法等を勉強することを目的に石川県産業創出支援機構の『お店ばたけ』に新規出店させてもらったところです。ウチがホームページを開設した当時は、ネットに商品を掲載しておくだけで売れていく時代だったことから、忙しさにかまけてそのままになっていました」と苦笑する。

珪藻土コンロでバーべキューを同社の売上の大部分を占める耐熱レンガの製造は、景気に大きく左右され、設備投資が落ち込むと受注がなくなることから、景気に左右されることなく安定して販売できる珪藻土コンロの製品群で、「景気の影響を少しでもカバーできるように持って行きたい」との思いが、ネット通販のテコ入れへとまた、『お店ばたけ』への出店を後押ししたようだ。


● 顧客の立場になった商いの重要性に気付く

珠洲市の名産 珪藻土七輪、こんろ「テレビで紹介されると驚くほど問い合わせや注文が入るのは嬉しいのですが、火の起こし方が分からない、炭の使用量が不適当、コンロの手入れの仕方が分からない等々の基本的な知識を持っていない人たちが多いことを痛感させられ、我々メーカーの責任として、正しい使い方をきちんと伝える努力を怠ってきたことを思い知らされました。そのことを今の段階でしっかりやっておかないと、せっかく購入していただいても使い方が分からないお客さんばかりになっても困りますから」と優しい眼差しで語る。
というのも、従来まで珪藻土コンロは、使い方を熟知した人しか購入しない商品だったが、数年前ぐらいからのバーベキューブームや不況下で家飲み層が増えたことで、珪藻土コンロを見たことも使ったこともない若い世代が購入するようになったことが最大の要因で、そうした顧客層への対応が後手に回っていた点を反省する。

ホームページにおいても同様に、楽しく使ってもらうことがメーカーとして一番望むところだけに、そうした部分の情報を提供するコンテンツを充実させていく必要性を痛感している様子。


● 認知度アップに地道な努力

珪藻土コンロ鍵主社長は自身のブログで、珠洲をはじめとした能登の祭りのPRも積極的に行っているが、観光客の来店は10年前に比べると減ってきているという。
その理由は、自家用車にカーナビが普及したことで、かつては狼煙の灯台から海岸線沿いに走るのが一般的だったのが、カーナビが最短距離で誘導するため、狼煙の灯台から見附島に直行するルートを辿るようになり、珪藻土資料館(鍵主工業社屋に併設した「珪藻土資料館」では、珪藻土関係の資料を展示、また、七輪やコンロなどを販売している。)のある同社がルートから外れた格好だ。「それをどうこう言っても始まらず、カーナビの設定をする際に、珠洲でお薦めの場所の一つに入れてもらえるように努力するしかない」と自らに言い聞かせる。

穴水のカキまつりで、珠洲の珪藻土コンロを大量に使用。その方策の一つとして、珪藻土コンロの魅力を知ってもらうべく、東京で開催される自治体のイベントに珪藻土コンロを持参し、サンマを焼いて来場者に提供するなど積極的な取り組みを続けている。

地元では、穴水のカキまつりで珠洲の珪藻土コンロが大量に使われており、「あちこちでカキを焼いて提供する際に、同時に珠洲の珪藻土コンロもPRしていたただいています」と感謝する。そうした認知度向上への日々の努力の積み重ねで徐々に売上が伸びていくことを期待し、珠洲のPRに努力を惜しまない。


● 珪藻土と共にこれからも...

kaginushi_08.jpg不況が続いているため、好景気の時代にはなかなか目を向けてもらえなかった地場産業に興味を持つ若者が増え、そのおかげで同社にも若者が就職するようになり、平均年齢はここ数年で若返ってきている。
さらに、既存の製品から一歩踏み込み、新製品を開発しようと、同業者が集まって珪藻土でピザ窯を作る研究中とのこと。

試作品でピザを焼きながら出来上がりを確認し、平成23年の春頃までには珪藻土の新たな製品として完成させるべく取り組んでいる。「ピザは子供からお年寄りまでファンの幅広い食品だけに、珪藻土の耐熱レンガで作ったピザ窯で美味しいピザが焼ければ、珠洲発の新製品になるのではと期待しています」と顔を綻ばす。

kaginushi_09.jpg珪藻土コンロを生産できるのは日本中で珠洲しかなく、この強みを大いにアピールし、珠洲に珪藻土コンロあり、そんな意気込みで全国に発信していくと同時に、日本中で使われている珪藻土コンロに対する責任を痛感している。「珪藻土コンロでバーべキューをやったら楽しかった。またやりたいと言って下さるお客さんを一人でも多く増やしていくことができたら...」この言葉に、鍵主社長の偽らざる思いが込められている。


インタビューを終えて・・・
能登の珪藻土コンロは全国シェア100%。これは本県を代表する伝統産業として誇るべきことであり、珠洲と言えば珪藻土コンロと言われるよう認知度アップに努めていただきたい。珪藻土コンロは、金具さえ外せば、全て土に還るエコな製品でもあり、地球環境に優しいモノづくりの典型で、まさに能登はやさしや土までも...。

鍵主工業 鍵主哲社長店舗名 (株)鍵主工業
創 業 昭和7年
住 所 珠洲市蛸島町1-2-146-1
電話番号 (0768)82-0780
URL https://kaginushi.co.jp/
鍵主工業七輪の里 https://7rin.biz/

(財)石川県産業創出支援機構の「石川発!お店探訪記」加賀・能登 頑張るお店 は、石川県内の実店舗・ショップを訪問し、取扱商品の特徴・売れ筋、店づくりや店舗展開・経営方針、顧客サービスや今後の課題などを取材して、頑張っているお店の魅力を紹介していきます。


組立型オーダー家具をお手頃価格・短納期で ソロ・モビリア

組立型オーダー家具をお手頃価格・短納期で ソロ・モビリア

『この隙間にぴったり収まる家具があったらいいのに...』こんな思いを誰しも経験しているに違いない。ただ、オーダーしてまで作るという人は稀ではないだろうか。その理由はコストが高くつくからだ。そんな文字通り隙間ビジネスに目をつけ、組立簡単・お手頃価格・短納期をキーワードに、『あったらいいなぁ』を実現してくれるのがソロ・モビリアである。


● 隙間ビジネスに可能性を見い出す

ネットショップ「ソロ・モビリア」仕事の関係で、県内各所にある製材所や木工所、家具製作工房などとの人脈があったオーナーが、サイズをオーダーできる組立家具をネット販売している先行事例を目にした時、「後発でも市場を開拓でき、エンドユーザーに直接販売することで利益も確保できる。しかもネットであれば店舗を持たずに全国に販売できる」との読みで、組立型オーダー家具の専門店としてネット販売を行うソロ・モビリアを開設。

そのネットショップ『ソロ・モビリア』(ソロはイタリア語で「ぴったり」の意、モビリアはフランス語で「家具」の意から、ぴったり家具)をスタートさせたのが、平成21年4月のこと。

ホームページを製作する専門業者と構想の段階から半年近くをかけ、満を持したホームページを完成させる。このホームページには、デジタル製図機能を完備しており、自分の欲しいサイズを入力すると、オーダー家具のできあがり図面を自動で作成し、その場で確認することができる。併せて見積を自動計算するソフトが組み込まれているのが大きな特徴であると共に、他社にない強みでもある。


● 売りは「誰にでも簡単に組立可能」

組立(アセンブル)家具には、食器棚・本棚・下足棚・レコード棚・TVボード・レンジ台シリーズがあり、それぞれに片開き、両開き、ガラス入りなどバリエーション豊富な組み合わせが選択でき、なおかつ自分の欲しいサイズを入力することで、自動で設計図面が製作され、見積もり金額も計算される仕組みになっている。さらに、ホームページ上には掲載されていないが、棚部分を引き出しに変更するオーダーにも対応している。
何よりも組立がプラスドライバー1本でできることが嬉しい。組立家具を購入したものの、いざ組み立てようとするとかなり厄介なものもある。とりわけ、そうした作業が苦手な女性には朗報だ。ドライバーが1本あれば、女性でも簡単に組立できるというのが同社の売りでもある。

組み立て作業を見ることができます。そうは言われてもやはり組立は...という方のために、組立作業をムービーにした組立ムービーまで完備。これを見ればどんなに不器用な人でも必ず組み立てられるという強い味方だ。

そこまで行き届いたサポート体制が整っていても、それでも面倒だから組立はしたくないという人には、注文家具1点につき15,000円(税込)を支払うことで、配達した作業員が、設置場所まで商品を運び、その場で開梱・組立・設置・梱包材等のゴミ持ち帰りまで行う組立サービスのオプションも用意している。


● オーダーでありながらお手頃価格・短納期を実現

最新の機器を揃えています。自宅のパソコンの前に居ながらにして使う木材の材質や色、棚の数、扉の有無、扉にガラスを入れるか入れないか等々の選択をした後、自分の欲しいサイズを入力するだけで注文が完了するため、わざわざ店舗や工場へ出かけていく煩わしさがない。

一方、同社にすれば、材料のストックは必要だが、製品としての在庫は持たないため、在庫コストの削減を図ることができる。と同時に、組立式にしたことで、職人が現場へ出向いて施工する人件費が不要になり、その分のコストをお手頃価格として顧客に還元できるのだ。
また、組立家具の材料を何カ所かある外注先の工場にストックしておくことで、注文が入るとすぐ作業に取りかかることができ、それによって短納期を実現している。

家具製作に使う機器制作された家具一方、フルオーダーの場合は製作にかかる前段階で、顧客との綿密なやりとりが不可欠なことから、短納期というわけにはいかなくなるが、ディスプレイの画像では実物の色合いや木目、質感を正確に伝えられないことから、使用する材料の現物片を宅配便で顧客に送り、指定された材料で製作していいかの最終確認を得てから作業に取りかかる入念さだ。


● 1年目はまずまずのスタート

下駄箱です。初年度の状況を伺うと、「9割以上を組立(アセンブル)家具が占め、フルオーダー家具は1割弱」とのこと。デフレ経済下の時代を反映し、低価格の組立家具に人気が集中している格好だ。
ネット通販だけに、全国各地から注文が入ってくるが、やはり人口の集中している関東方面や関西方面のウエイトが高く、全体の6割ぐらいを占める。

デジタル製図ホームページには、会員登録する箇所が設けられているが、現段階では、それによって何らかのメリットやサービスを受けられるわけではなく、これからの課題だ。ISICOの『お店ばたけ』に出店したことで、「公的な機関のホームページに自社の名前が載っていることで、お客さんがグーグル等で検索された際に、掲載順位が自動的に上位になると同時に、企業としての信用度も上がり、それが新たな受注にも繋がり始めています」とISICOの支援に感謝。

● オーダー組立家具でナンバー1を目指す

ソロ・モビリアの家具事例当初の売上目標には及ばなかったものの、まずまずのスタートを切れたことに安堵の表情を覗かせる。

「初年度はお客様の注文にクイックレスポンスすることに全力を注いできたため、こまめな営業活動やPRができなかったが、2年目からはそうした点にも努めていきたい」と力を込める。時間の経過と共に同社の認知度が高まれば、受注件数が飛躍的にアップすることが期待され、そこが全国をターゲットにするネットビジネスに秘められた大きな可能性でもある。

ソロ・モビリアの家具事例「今は自動計算ソフトに対応できるものでないとカート注文に対応できないことから、組立(アセンブル)家具は6種類が基本となっていますが、将来的にはこのバリエーションを少しずつ増やしていき、お客さんからの様々な付加ニーズにも対応できるフレキシブルなホームページへと成長させていきたい」と意欲的に取り組むソロ・モビリアである。

インタビューを終えて・・・
痒いところに手が届く、あったらいいなぁ・・を現実の形にすることで、着実に顧客を獲得している隙間ビジネスの好例と言える。自動製図ソフトや自動見積計算ソフトといった思い切った初期投資をすることで、先行する他社との差別化を図るなど、このネット事業に賭ける並々ならぬ意気込みを痛感させられた。


店舗名 ソロ・モビリア
設 立 平成21年4月
資本金 500万円
住 所 小松市沖町ト153番地
電話番号 (0761)21-8899
URL http://solo.co.jp/

(財)石川県産業創出支援機構の「石川発!お店探訪記」加賀・能登 頑張るお店 は、石川県内の実店舗・ショップを訪問し、取扱商品の特徴・売れ筋、店づくりや店舗展開・経営方針、顧客サービスや今後の課題などを取材して、頑張っているお店の魅力を紹介していきます。

お客様の立場に立った店づくりで永続企業へ (株)エース

吉田カバン。鞄好きはもちろんのこと、そうでない人でも名前だけは聞いたことがあるであろう日本を代表する鞄ブランドである。吉田カバンの製品を実店舗とネットショップで商い、堅調に業績を伸ばしているのが、金沢市竪町に本社を置く(株)エース(乙村要介社長)である。
同社のネットショップならびに実店舗の責任者である松田卓也部長にお話を伺った。


● 新しい発想で販売を革新する血を継承

吉田カバン(ポーター)ブランドの財布と小物がずらり同社は、現社長の祖父が大正10年、金沢市七ツ屋町にて履物店を創業したのが始まり。昭和2年に横安江町商店街に移転。昭和38年に二代目が履物店から靴店に業態転換。三代目の現社長が昭和55年に入社後、積極的な多店舗展開で業容を拡大する一方、靴安売りの全国チェーンの台頭を契機に、在庫経費の嵩む靴店に見切りをつけ、平成8年、吉田カバン専門店『クールキャット』を竪町パティオに出店し、靴店から鞄店へと業態転換する。

「ビジネスバッグ」をテーマにした吉田カバン「ポーター デバイス」。先代、現社長ともに時代を読む先見性に富んだ経営者であることが、同社の歩みから見て取れる。さらに、遡ること10年前の平成12年には、クールキャットのホームページを立ち上げ、いち早くネットビジネスにも着手している。


● スリムな経営体質に転換

吉田カバン正規取扱店「クールキャット」実店舗の様子平成18年頃まで10店舗あまりの実店舗を展開していたが、長引く消費不況を乗り切るべく、店舗のリストラを断行し、吉田カバンを中心に扱う竪町本店『クールキャット』、金沢駅前フォーラスの『クラチカ』(吉田カバンのフランチャイズ)、それに本店2階にあるセレクトショップ『86』の3店舗に集約する。

ちょいレトロなバスク柄のポーター流ナチュラルマリン。その一方で、ネットビジネスの伸びは著しく、同社が運営する『クールキャット』、『お財布屋』、『86』のホームページは、楽天やヤフー、アマゾンにも出店しており、同社の鞄類の売上全体(クラチカ除く)の8割近くをネットショップが稼ぎ出しているのが現状だ。

● 10年前に手作りでスタートしたホームページ

クールキャットのホームページ同社のホームページは、松田氏が入社した翌年(平成12年)、「これからはインターネットの時代だから...」との乙村社長の指示を受け、松田氏が手作りで始めたもので、自ら製品の写真を撮り、1点1点アップしてアイテム数を蓄積してきた結果、10年の歳月を経て現在の本格的なページに充実してきたもの。

楽天市場にも出店「吉田カバンの製品は定番として長年変わらないものが多く、商品が次々と入れ替わる商材とは異なり、アイテムを蓄積していけるため、当社のような少人数でも対応でき、その点はネット向きの商品なのかもしれません」と謙遜する。

「お財布屋」ネットショップそうして蓄積されたアイテム数は約1,800点に上る。ネットショップはスタートから6年を過ぎたあたりから認知されるようになり、売上も軌道に乗り始め、通販部門と実店舗部門を分離し、それぞれに専任スタッフを置く形にはなったが、実店舗の奥に通販部門があり、互いに協力しながら商品の管理運営が行えることが強みでもある。


● 吉田カバン+αの品揃えに転換

金沢市竪町「クールキャット」店内の様子吉田カバンの魅力を伺うと、「真面目にモノづくりに取り組んでいる姿勢が伝わってくる信頼できる商品だけに、売る側の我々にとっても自信を持ってお客様に勧めることができます」と熱く語る。長年愛用することを考えると国内で修理対応できる点もお薦めのよう。

『クールキャット』の店頭に並ぶ商品は、8割が吉田カバン、残りの2割がその他ブランドとなっているが、売上構成比では95%を吉田カバンが占める。その点について、「吉田カバンへの依存度が高すぎる点は危惧しており、新しい柱となる商品を育てたいと思い、3年ほど前から新たな商品も扱い始めています。いずれも国内で修理やアフターケアが確実にでき、お客様にご迷惑やご不便をおかけすることのない商品だけを扱っています」とこだわりを披瀝。

吉田カバン正規取扱店クールキャット 人気ランキング平成18年に吉田カバンのフランチャイズショップである『クラチカ』をオープンしたのを機に、商圏が近いこともあり、竪町の『クールキャット』は吉田カバンを中心としたセレクトショップへと変化させてきている。近年はオリジナル商品を強化したいとの社長の考えで、昨年末と今夏の二回、それぞれ百本ずつオリジナル商品を発表し、1カ月あまりで完売。こうしたオリジナル商品への取り組みを今後も継続し、核である吉田カバンへの依存度を少しずつ下げたい考えだ。


● ネットショップのデータベースは財産

吉田カバンの顧客層は幅広く、20代前半から50代後半まで、男性客が圧倒的に多い。メインは20代後半から30代半ば。近年は女性客も増えてきているという。

吉田カバン・ポーター 小物(キーケースなど)ネットショップでは、大都市圏の東京、大阪の順で注文件数が多く、全国各地から月平均1,800~2,000件の注文があるとのこと。2年~3年に1回の間隔で再来店する顧客が主流だが、中には3カ月に1回程度買い物するヘビーユーザーもいる。同店のホームページに掲載されている人気商品ランキングに黒の鞄が多い理由は、男性客のウエイトが高いためだ。

クールキャットで扱っている吉田カバンの商品たち店舗と顧客をつなぐメールマガジンは、今のところ不定期発信となっているが、「できれば1週間に1回程度は配信したいところですが、現実には日々の業務に追われて間隔が延びがちになっています」と苦笑する。メールマガジンでは、新商品の案内や人気ランキング、その時期の特設コーナー、例えばクリスマス、バレンタインデー、就職など、その時期に相応しい商品を紹介している。


● 魅力ある個店をめざし

(株)エース 松田卓也部長10年あまり運営してきているホームページではあるが、他店がどのような取り組みをしているのか、いろんな情報収集を目的に今般ISICOの『お店ばたけ』に新規出店した。
「鞄のショップは安定した売上を稼ぐまでになってきましたが、まだ発展途上のサイトもあり、販売する商材によって相応しいやり方が異なることから、そうしたアドバイスや情報を出店されている皆さんからいろいろ勉強させていただき、アンテナショップでもある実店舗とネットショップをバランス良く伸ばしていくことが今後の課題です」と謙虚に語る。

店内に飾られたポーターのフラッグ竪町商店街の通行量が目に見えて減少している昨今、実店舗の売り上げはこのところ減少傾向のよう。「空き店舗や更地が点在する現状ではなかなか難しいものがあります。そんな中で、個店としてお客様を惹きつけるだけの魅力ある店にクールキャットを育てていくことが我々にとっての日々のテーマです」と語る目線の先には、自社・取引先・顧客の三方がハッピーになれる理想の青写真が見えているに違いない。

インタビューを終えて・・・
同社の社名であるACEは、All Customer Enjoyの頭文字からきている。全てのお客様に楽しんでいただくことを商いの目標に掲げ、日々邁進するエースグループの5年後、10年後が楽しみである。


クールキャット 店舗外観店舗名 (株)エース
住 所 金沢市竪町44 エースビル1階
電話番号 (076)223-8880
創 業 大正10年
URL http://www.ace-company.net/~coolcat/

(財)石川県産業創出支援機構の「石川発!お店探訪記」加賀・能登 頑張るお店は、石川県内の実店舗・ショップを訪問し、取扱商品の特徴・売れ筋、店づくりや店舗展開・経営方針、顧客サービスや今後の課題などを取材して、頑張っているお店の魅力を紹介していきます。


酒通の五感くすぐる酒具たちをネットで発信! (有)村上商店

酒通の五感くすぐる酒具たちをネットで発信! (有)村上商店


※(有)村上商店 様は平成29年3月退店しました。

昭和28年から、酒造メーカー向けの醸造機械や酒造りに用いる様々な道具を製造販売してきているのが、金沢市尾張町に本社を構える村上商店である。自他共に認める左党でもある村上修社長は、日本人の風土と食文化に根ざした日本酒をこよなく愛する酒通に喜んでもらいたい、日本酒ファンを開拓したいとの熱い思いで、2年前から日本酒を燗する道具類等をネット販売するホームページ『酒具市場』を立ち上げ、新たな顧客の開拓に腐心している。


● 酒造業界では知る人ぞ知る村上商店

村上商店の取扱商品は、酒造店御用達の商品酒造用機械酒造りの工程で、麹室に敷く麻布がある。この醸造用織物は特殊な織り方をする布で、現在全国シェアの100%を同社の製品が独占しているというから驚きだ。この商品がベースにあり、全国に約60軒あまりの代理店網が構築され、全国の酒造メーカーが得意先である。
そうした酒造メーカーに麻布だけでなく、簡易充填機びん太(同社登録商標)及び関連商品、濾過機、異物除去装置等々を製造・販売している。
なかでも簡易充填機びん太は同社のロングセラー商品で、全国の酒蔵に450台以上の納入実績がある。

創業時から長い年月をかけて信頼関係を築いてきた得意先の酒蔵が全国に点在しており、ネット社会になる遙か以前から全国ネットのビジネスを展開してきている村上商店が、ネットショップ『酒具市場』の母体である。


● 日本酒ファンを増やすことがネットの狙い

すずちろり、ききちょこ、かんどうこなど、日本酒を楽しむための道具を取り扱う「日本酒の長期低落傾向に歯止めがかからず、若い人が日本酒をほとんど飲まなくなってきています。原因はいろいろありすぎて一朝一夕にはどうすることもできませんが、何とかしたいとずっと思い続けていました」と熱く語る村上社長。

そんな思いを形にしたのが、燗酒を飲むさまざまな道具類をネットで販売するホームページ『酒具市場』の開設である。しかしながら、極端に間口の狭いネットショップだけに、訪れるお客さんは特別な人(通人)に限られる。そのため、これ以上品揃えを増やすことや関連グッズを取り扱うことは考えていない。「逆にこの間口の狭さにこだわっていきたい」と顔を綻ばす。「日本酒が低迷しているとはいえ、東京で開催される試飲会などに出かけると若い女性が大勢来ていて、あれを見ると日本酒もまだまだと思いますが、金沢へ帰ってきてお酒の会を開くと毎回同じ顔ぶれで、若い人が増えないという悩みがあります。お酒を楽しめる何かを提案できれば...」と腕を組む。


● 本体のホームページは頼もしい右腕

村上商店が取り扱う機器村上商店の社長手作りのホームページはかなりの歴史があり、新製品の機械や施工事例の写真を大きく貼り付けて紹介する簡単なものだが、同社の製品や施行例の実績写真は、酒造メーカーが見れば一目瞭然で分かることから、それを見て問い合わせの電話が入り受注につながり、村上社長の頼もしい右腕として同社の売上に大いに貢献している。

今年7月末に静岡県下田市に完成したミネラルウォーター製造工場の仕事もこのホームページがきっかけで受注したもの。その意味で、荒削りのホームページではあるが、実績の写真を見せることで新規受注が獲得でき、ホームページとして十分に機能している。しかしながら、ネットショップとなると、ターゲットが異なる上に、まずは辿り着いてもらわないことには商売にならず、簡単にはいかない様子。


● プラスαのページづくりに試行錯誤

かんどうこかんすけ夏場は冷酒の需要が高まる時期ではあるが、敢えてそこには目を向けず(器屋になってしまうため...)あくまでも燗酒用の道具にこだわる。
ただ、酒造りにとっても人間が生きていくためにも美味しい水は欠かせないことから、業務用のみならず家庭向けの浄水器の販売を本格的に展開していきたい考えだ。

例えば、錫製の燗酒用『すずちろり』は何種類もあるが、ネットでは価格が高いものの方がよく出るそうだ。購入者の多い地域を伺ったところ「特にどの方面が多いということはなく、まんべんなく全国各地から注文が入ってきています。逆に地元からの注文は少ないですね」と首をかしげる。自らが考える売れるものと、ネットで売れるものとの間にギャップがあることを感じながらも、どの商品も全て本物にこだわり、決して紛い物は扱わないと決めている。


ききちょこ「杜氏さんがきき酒する時、新酒鑑評会で鑑定官がきき酒する時に使うきき猪口(ちょこ)ひとつ取っても、紛いものが沢山出回っています。そんな中で、杜氏さんや鑑定官がきき酒に使用する本物のきき猪口であることを表記したところ、立て続けに売れ品切れ状態です」と顧客の購買意欲をくすぐるキャッチコピーも心得たもの。「今は一日あたり100~200件程度のアクセスですが、これが1日1,000~2,000件ペースに増えれば、ネットショップとして採算が取れるようになるのではないか」と自己分析する。

日本酒は冷酒で飲むよりも燗酒を飲んだ方が二日酔いもなく、味も良くなることから、そうした日本酒本来の飲み方文化の提案や、得意先の酒蔵の杜氏紹介、酒造りにまつわるエピソードなどをホームページ内で紹介することなど、新たな魅力づくりに思いを馳せる。


● 新たな目玉商品で勝負

炭酸水製造装置を開発する最近の地サイダーブームもあって、炭酸ものを製造する装置の要望が増えてきたことから、試行錯誤を繰り返し、炭酸水製造装置を自社で開発し、商品化にこぎつけた。現在、特許取得に向けて準備を進めている。

同社オリジナルの炭酸水製造装置は、コンパクトで移動可能なことが最大の特徴で、先のビッグサイトでの展示会に出展したところ、かなりの反響を得た。価格も250万円と工場の製造ライン設備のことを思えば4分の1程度とあって、全国の酒造メーカーからこの新製品の注文が舞い込んでおり、今後さらなる引き合いが期待できる一押し商品である。

ネットショップ『酒具市場』については、「お店ばたけの他の出店者の皆さんのページを拝見すると、細かく作り込まれた素晴らしいものばかりで頭が下がります。まずはいろいろ勉強させていただき、日本酒に目を向けてもらえるプロ仕様の楽しいグッズを紹介していくホームページづくりを目指したい。できれば、仕入れ販売だけでなく、地場の伝統工芸の職人さんとのコラボレーションでオリジナルグッズの開発にも取り組んでみたい」と夢を膨らませる村上社長である。

インタビューを終えて・・・
いくらいいもの、本物を扱っていても、アクセスしてもらえなければ商いが成立しないのがネットショップの難しさでもある。いかに、多くの人に来店してもらえるページにするか、お店ばたけでの成果が期待される。


村上商店 村上社長商 号 (有)村上商店
住 所 金沢市尾張町2-7-12
電話番号 (076)221-4023
創 業 昭和28年
取扱商品 醸造機械、酒具、醸造用織物ほか
URL http://ichiba.sakagu.jp/

(財)石川県産業創出支援機構の「石川発!お店探訪記」金沢・加賀・能登 頑張るお店 は、石川県内の実店舗・ショップを訪問し、取扱商品の特徴・売れ筋、店づくりや店舗展開・経営方針、顧客サービスや今後の課題などを取材して、頑張っているお店の魅力を紹介していきます。

お店ばたけ出店者 あいさつ状ONLINE STORE

お客様の心に響くものづくりで次なる成長を期す あいさつ状ONLINE STORE


バブル崩壊、パソコンの普及、長期にわたるデフレ環境下にあって、印刷業界においても生き残りを賭けた激しい価格競争が繰り広げられている。こうした中で、新たな収益の柱にすべく、1年前にネット上で挨拶状の印刷を受注する『あいさつ状 ONLINE STORE』を立ち上げた(株)栄光プリントの出村明社長にお話を伺った。


● 新規顧客獲得を狙いネットショップを立ち上げ
(株)栄光プリント 出村明社長リーマンショック以降急激に売上が減少してきた中で、何か新しい収益源となる仕事を確保できないかと出村社長が思案を巡らせていた時、大阪で開催された勉強会で『挨拶のWeb Shop先駆者』である徳丸博之氏の講演を聴く機会を得る。

2003年に2~3人でスタートした印刷会社が、ネットで挨拶状を印刷するサービスを開始したところ、倍々ゲームで業績が伸び、現在では年商7億円の会社に急成長している。確固たる地位を確立し、簡単に真似ができないほど独走している成功のノウハウの一端を100人あまりの同業者が聴講したもの。「トップ企業が独走している中で誰も真似しないだろうから、自分だけ真似をすれば、大手の手が届かない仕事を拾えるのではないか、それが全国相手の仕事になれば、それなりの売上になるのではないかと思った」とネットショップ立ち上げの経緯を述懐する。


● 自社にウェブデザイナーがいたことが勝因
前述の先行企業のやり方を参考に、ウェブショップで挨拶状を小ロットで受注するテストショップをまずやろうと考えた。幸いなことに、同社にはウェブ作成に長けた社員がいたことから、延べにして2カ月あまりの期間をかけて、『あいさつ状ONLINE STORE』が完成する。実際にこのホームページにアクセスすると一目瞭然だが、先行企業に勝るとも劣らない作り込まれたレベルの高いものとなっている。転勤、転職、定年退職、独立・開業、事務所移転、社長交代など需要の多いものは目立つサイズのアイコンで配置し、初めてこのホームページを訪問した人にも単純明快で分かりやすいページ構成になっている。

「中島君がホームページの大部分を作成してくれていますが、彼がいてくれることは当社にとって非常にありがたく、自社内でサイトを作成できることが強みにもなっています。他のスタッフが手の空いた時間を有効に活用して、テキスト入力等を手伝いながら、2カ月余りを要して完成した社員たちの力作です」と胸を張る。


● 更なるステップアップを期し、お店ばたけへ出店
転勤挨拶状スタート当初は、既存の仕事をしながら片手間に対応する程度しか注文はないだろうと予測していた。つまり、月に数十万円程度売上があれば上等と考えていた。ところが、実際にスタートしてみると、「予想以上に注文が舞い込み、異動時期の3月から4月にかけては月100万円を超え、その他の月も高い数字を維持するようになってきています」と、嬉しい誤算に笑みがこぼれる。これに意を強くした出村社長は、この売上をさらに倍、倍と増やし、将来的には10倍ぐらいに持っていくため、ISICOのお店ばたけに出店し、専門家のアドバイスを受けながら、ホームページの魅力アップ、使い勝手の向上、検索アクセス数の増加を図るべく、進化に向けた取り組みをスタートさせたところ。


● 1年間のテストショップで得たものをフィードバック
約1年やってみて分かったことを伺うと、「非常に小ロットの仕事が多く、中には1枚だけ印刷する注文もありました。何百枚、何千枚という仕事も時にはありますが、概ね100枚以下が主流です。発注者の地域は、関東方面からが全体の6割近くを占め、次いで関西、あとは北海道から沖縄まで、全国から注文があります。今のところ個人よりも法人からの注文比率が高いです」とのこと。

注文は十人十色、一人ひとり異なり、同じものが一つもなく、全ての商品がオリジナルである。挨拶状はアイテム数にすると150~160種類に及び、もちろんオリジナルの文章にも対応している。校正のやりとりの過程で、挿入する地図を何回も差し替えたり、何度も文章を訂正するお客さんがいて手間と時間を要する場合もあるようだが、追加料金は一切請求せず、ホームページに提示した枚数に応じた料金のみで対応している。

現在、『あいさつ状ONLIN STORE』では、価格体系を工夫し25%引、全国送料無料を打ち出してお得感をアピールしている。また生産体制の効率化を図り利益を確保している。年賀状のシーズンには年賀状もラインアップしたものの、最も競争の激しい分野で、デザインのバリエーションが豊富な大手には全く歯が立たなかったようだ。そんな中で、デザインの関係ない喪中ハガキの注文を多く獲得する。つまり、定型のものにはまだまだ可能性が潜んでいる証拠でもある。


● 心を込めたものづくりに専心
「一枚のあいさつ状の中に、それを注文してきたお客様のいろんな人生ドラマが垣間見えるだけに、納品された商品を受け取ったお客様には全く分からないかもしれませんが、製作に携わる我々は真心を込めて、たとえ1枚であっても、逆に言えば少ない枚数だからこそ、なおのこと心を込めて、お客様が納得し、満足していただける丁寧な仕事を心掛けていきたい」と熱く語る。間もなくウェブショップが1周年を迎えることから、値引きではなく何か付加価値をつける形での記念セールを検討中。と同時に、挨拶状とは別に封筒や名刺などの定型ものを受注する新たなホームページを準備中で、早ければ今夏中にはアップしたい考えだ。


● 3年後には売上の10%を目標に
あいさつ状ONLINE STORE.jpg会社としての看板商品を持ちたいとの思いから、自費出版にも力を注いでいる。出村社長自ら自費出版アドバイザーの資格を取得。『自費出版がよくわかる本』を出版し、「自費出版と言えば栄光プリントと言われるように持っていきたい」と力を込める。

ホームページを見たお客さんが、その他の印刷物も注文してくれる相乗効果が期待できるホームページ運営を推し進めていく考えだ。現状では売上全体の数%に満たないウェブ部門を、3年後には10%程度にまで持っていくことを目標に、ブラッシュアップに取り組むスタッフを温かく見守る出村社長の眼差しが印象に残った。


インタビューを終えて・・・
小粒でもピリリと辛い職人集団を標榜する栄光プリント。先代から築いてきた信用・信頼を第一に、顧客の喜ぶ顔が見られるハートのある仕事に邁進してもらいたい。

あいさつ状ONLINE STORE 社長と担当スタッフ店舗名 (株)栄光プリント
住 所 金沢市神宮寺3-4-17
電話番号 (076)251-3076
創 業 昭和46年
資本金 2000万円
URL https://www.aisatsujou.com

あいさつ状ONLINE STORE 担当スタッフ
後列:出村社長の右横が中島さん
前列:橋本店長(左)と制作の水野さん

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