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(財)石川県産業創出支援機構「石川発!お店探訪記」金沢・加賀・能登 頑張るお店 は、石川県内の実店舗・ショップを訪問し、取扱商品の特徴・売れ筋、店づくりや店舗展開・経営方針、顧客サービスや今後の課題などを取材して、頑張っているお店の魅力を紹介していきます。

お店ばたけ出店者 ジャンティール キタカミ

恋人の聖地・内灘に恋人たちのジュエリーショップ ジャンティール キタカミ


平成21年、恋人の聖地に認定された内灘町。この町でジュエリー一筋25年、堅実な商いで得意客を増やし、巷で人気の高いジュエリーショップが『ジャンティール キタカミ』である。新たな取り組みとして、ウェブショップを開設して約1年、オリジナルアクセサリーの売れ行きが好調な同店の北上徹祥社長(右から4番目)、北上宗憲チーフデザイナー(右から3番目)にお話を伺った。


● 気が付けば25周年
ジャンティールキタカミ北上社長はジュエリーショップを持つ夢を実現すべく、昭和60年に自らの生まれ故郷である内灘町に『ジャンティール キタカミ』(ジャンティールはフランス語でおしゃれの意)をオープンする。その門出を祝すかのように、同年産まれたのが三男の宗憲さんで、彼は店の歩みと共に成長し、今は頼もしい片腕としてアクセサリーの製作を担当している。

バブル期には、香林坊109やポルテ金沢にも支店を構えていたが、遡ること13年前に全て撤退し、本店一店舗に集中する。
「今のように本店だけであれば、お客様がいつ来店されても私か家内が必ず接客できますが、支店を出すと、私たち夫婦が店にいない時間が多くなり、目が行き届かなくなり、お客様からすると顧客満足度の低い店になっていました」と北上社長は自省する。


● ネットショップで若い顧客を開拓
天使の恋するネックレス地元の専門店として、地元に役立つ店でありたいと邁進してきた北上社長の背中を見て育った宗憲さんは、「うちの店は、若い人たちには敷居が高く入りにくいとの声を耳にしていたため、若い人が気軽に購入できる価格帯のアクセサリーをウェブショップで販売することで、若い人に来店してもらう動機付けになればとの思いから、1年前に手作りのホームページを立ち上げました」とネットショップ開設の経緯を語る。

同店のネットショップでは、オリジナルアクセサリー『天使の恋するネックレス&ブレスレット』を販売している。恋人の聖地・内灘に相応しく、恋人たちを応援する同店ならではのアイデア商品で、注文を受けてから1点、1点、宗憲さんが手作業で仕上げている。「ネットショップでアクセサリーを購入した若い人たちを、ゆくゆくはブライダル需要にもつなげていきたい」と目を輝かせる宗憲さん。


● 人気ブロガーとコラボ
ジャンティールキタカミのネットショップ昨年、内灘町が恋人の聖地に認定されたのを受け、町のイベントに人気ブロガーの桃ちゃんを呼んでサイン会を開催した際、同店オリジナルの『天使の恋するネックレス』を着用してもらい、彼女のブログで時々宣伝してもらう契約を取り付ける。桃ちゃんがブログにネックレスを着用した写真をアップし、アクセサリーのかわいさをアピールしたことで人気に火がつき、注文が一気に増えたという。

同店では、北上社長スタッフ宗憲さんがそれぞれにブログを発信しており、こうしたブログからウェブショップに入ってくる人が少なくなく、販促ツールの一つとして貢献している。


● ネットは全国がターゲット
「ネットショップを立ち上げたところ、これまでご縁のなかった関東、関西方面はもちろんのこと、北海道や沖縄からもアクセサリーの注文が舞い込んで来たのには驚きました」と宗憲さんは振り返る。1年あまりが経過し、月平均で約3000件のアクセスがあるとのこと。

『天使の恋するネックレスをつけたおかげで彼氏ができた・・・』との喜びの声が多数寄せられており、「そうした全国各地の女性たちが、近い将来、恋人の聖地でもある内灘町の当店に遊びに来てくれることが私の楽しみの一つです」と北上社長は顔を綻ばす。


● お店ばたけに出店し、レベルアップを図る
自店のホームページのレベルを客観的に評価してもらうべく、平成21年度にISICOが主催したネットショップコンテスト石川2009に初めてエントリーする。「ホームページの作成は素人である私が自己流で作成したものだけに、プロが作成したものと比べると著しく見劣りがし、素人のできることには限界があることを痛感しました」と宗憲さん。

そこで、ISICOのお店ばたけに出店することで、プロのアドバイザーによる指導や助言を受け、魅力あるホームページにリニューアルしていきたいと考えた。


● 幸運を呼ぶエンジェル
幸運を呼ぶエンジェルジャンティールキタカミの店内に入り、左手に進むと壁面にユリの花を手に持った天使の絵が飾られている。これは遡ること22年あまり前、百貨店のアンティーク売場に飾られていたのを北上社長が見つけ買い求めたもの。以来、誰が決めたわけでもないが、この天使の絵の前で写真を撮ったカップルが幸せになることから、『幸運を呼ぶエンジェル』として人気のスポットになっている。開店から25年間で8000組を超えるカップルが同店で婚約指輪、結婚指輪を買い求めているというから驚きだ。

お客さんと同店の縁の始まりは婚約指輪だが、その後の結婚指輪、毎年の結婚記念日や誕生日と、次々と記念日が到来することから、婚約指輪を購入したお客様の大部分がリピーターになっている。「オープン当初のお客様の中にはお孫さんまで三世代のお付き合いも少なくなく、一組のお客様との出会いが、その人の人生はもちろんのこと、ご家族の人生の節目にも当店がお役に立てることが何より嬉しいです」と満面の笑みで語る北上社長。


● あくまでも地元顧客第一主義
ISICOの指導を得て、ホームページが充実した段階で、楽天への出店や世界市場もターゲットにしたい考えだ。「ただ、アクセサリーは注文が入ってから私が一人で作るため、大量に注文が入った場合は対応できなくなります。25年間商いを続けてくることができたのは、日々来店してくださる地元のお客様があってのことで、そのお客様を一番大事にしていきたいと思っています。ネットショップの可能性はとても素晴らしいことは分かっていますが、ネットへの対応に時間が取られて実店舗の接客が疎かになるようなことはしたくないので、そのジレンマがあります」と地域密着型店舗にこだわる宗憲さん。若さの中にもしっかりとした芯が1本通った考え方に感服させられる。

『天使の恋するネックレス』に漆塗りを施した『WAJIMA』シリーズさらに、異業種である輪島塗とコラボレーションし、『天使の恋するネックレス』に漆塗りを施した『WAJIMA』シリーズを新たに展開するなど、同店の商品アイテムに新風を吹き込む若き宗憲さんのこれからの活躍が楽しみである。


インタビューを終えて・・・
長男が店長、三男がデザイナーとして両親をサポートし、家族とスタッフが心を一つにしてお客様を温かくおもてなしする、これがジャンティールキタカミが追求する商いであることを痛感させられた。

ジャンティール キタカミ 外観店舗名 ジャンティール キタカミ
住 所 河北郡内灘町鶴ヶ丘3-138-3
電話番号 (076)238-7770
創 業 昭和60年
URL http://genti-k.shop-pro.jp/

石川県内の、意欲あるネットショップが集まって、常時成長中!
ISICOバーチャルモール「お店ばたけISHIKAWA」平成22年度 新規ご出店(4月-5月)の3店舗様をご紹介申し上げます。

●「あいさつ状ONLINE STORE」(株式会社栄光プリント/金沢市/挨拶状印刷の専門サイト)
あいさつ状ONLINE STOREネットショップへ
挨拶状は、日頃からお世話になっている方々にお礼の気持ちや敬意を表し、自分の近況を伝えるための書状です。大切な方々へ送る挨拶状ですから、専門のスタッフが一つ一つ心を込めて作成いたします。

●「酒具市場」(有限会社村上商店/金沢市/日本酒を楽しむためのプロ道具)
酒具市場ネットショップへ
日本酒の燗酒を楽しむための「すずちろり」や「酒温計」、また蔵元できき酒をする際に使っている「蛇の目入りきき猪口」など、「日本酒」にこだわった酒具でもっとお酒を楽しんでいただけたらうれしいです。

※(有)村上商店 様は平成29年3月退店しました。


●「ジャンティールkitakami」(株式会社ジャンティールキタカミ/内灘町/恋を叶えるアクセサリーショップ)

ジャンティールkitakamiネットショップへ

ジャンティールキタカミは、恋人の聖地がある内灘町で数々の幸せを生み出してきました。ハンドメイドで作るハッピーなアクセサリーでたくさんの「喜び」をお届けいたします!


意欲あるネットショップ70店舗が集まり成長中!【お店ばたけ】
http://www.omisebatake-isico.com/

(財)石川県産業創出支援機構の石川発!お店探訪記」金沢・加賀・能登 頑張るお店 は、石川県内の実店舗・ショップを訪問し、取扱商品の特徴・売れ筋、店づくりや店舗展開・経営方針、顧客サービスや今後の課題などを取材して、頑張っているお店の魅力を紹介していきます。

金沢・加賀・能登 頑張るお店 (株)花とも 


お客様の『ありがとう』『笑顔』が商いの喜び (株)花とも


石川県内に星の数ほどあるフラワーショップの中でも、独自の取り組みで個性を発揮している1軒が、今回ご紹介する(株)花ともである。金沢市・内灘町・津幡町・野々市町のショッピングセンター内に4店舗を展開し、平成20年にはいしかわ産業化資源活用推進ファンド(活性化ファンド)を活用した新たな取り組みをスタートさせるなど、積極的な商いを実践する同社の記州陽子社長にお話を伺った。

● 能登榊の復活をライフワークに
能登榊
時代と共に榊の需要が減り、出荷する人の高齢化も進み、次第に造花や外国産が幅を利かせるようになり、近年では日本人の精神が宿る神棚の榊までが外国産にとってかわられるようになってきていた。

そんな状況を目の当たりにし、「能登各地に自生している榊を途絶えさせては、次の世代の人たちは自分たちの身の回りにそうした資源があることに気が付かないまま、里山が荒れ放題になってしまう」と危機感を抱いた記州氏は、自ら能登各地へ足を運び、地元のお年寄りを説得し、行政の協力を取り付けるなど、東奔西走して何とか能登産の榊が市場に出回るまでに復活させることができた。

「私は、これを自社だけのビジネスにするつもりはなく、出荷する人たちに作り方や選別方法の指導はしますが、あくまでも金沢市花き公設市場に出荷してもらい、他の花屋さんと同じ価格で今も購入しています。生涯一花屋として、能登産の榊を復活させることが私の使命だと思って頑張っています」としみじみ語る。
毎週1回の頻度で能登各地に足を運び、生産者のお年寄りたちとコミュニケーションを深めたり、相談相手になったりと、まさにライフワークになっている。そうした人たちとの出会い、縁を何よりも大切にし、喜びになっていることが記州氏の言葉の端々に感じられる。

農商工連携の採択を受けた20年9月から21年8月までの丸1年間に2万6千束の榊が能登から金沢市花き公設市場に出荷された。それまで能登の里山で放置されていた榊が、記州氏の情熱に動かされた人たちの手によって立派な商品として生まれ変わったのである。

● 春待ち桜・能登照葉セットを発売
春待ち桜・能登照葉
記州氏が生まれた森本校下には、花園地区という江戸時代から啓翁桜を育て、春に出荷してきた産地がある。

この桜が年内に出荷されていた記憶があったことから、開花時期の研究を生産者と金沢市農業センターの協力を得て実証実験を行ったところ、見事に年内に開花させることができた。そこで、『春待ち桜』と自らネーミングを考案し、自社で商標登録を行い、売り出しに向けてのチラシを作るため、19年の年末にカメラマンに開花した桜を撮影してもらうことになった。
ところが、桜は開花している時は花だけで緑の葉がなく、彩りの点で今ひとつだったことから、緑の葉を添えて撮影することを思いつく。時期的に入荷していた能登の椿の枝と啓翁桜を合わせて撮影したところ理想的な絵になったことから、この二つをセットにして販売することとし、椿は『能登照葉』(のとてりは)と命名する。
「花だけを販売しても付加価値の点で今ひとつ魅力にかけることから、知人の武内酒造さんに相談をもちかけたところ、桜の花の酵母で日本酒を造ってもらえることになり、それなら能登照葉もお酒を造れないだろうかと思っていたところ、松波酒造の金七さんと知り合い能登照葉のお酒が誕生したのです」とエピソードを披瀝。

こうして春待ち桜と能登照葉の花とお酒のセットができあがり、20年は限定200セットを完売し、21年も200セット限定で販売される。お酒を扱うことから同社も別会社の(有)花座で酒販免許を取得し、各店の店頭でお酒単品の販売も行っている。

● 椿の縁で販路開拓
春待ち桜・能登照葉
「春待ち桜と能登照葉が商品化できた時点から、社名に椿の字が入っている東京の椿山荘に使ってもらえるようになりたいと念じていたし、機会があると目標として話していました。そんなある日、東京で開かれた石川県の物産展に出品していたところへ、偶然にも椿山荘の末澤社長さんが来場され、うちの社員に名刺を置いていかれたのです。その後、注文が入り、桜フェアをホテルで開催する期間限定で春待ち桜のお酒を使っていただき、能登照葉とのセットも販売していただくことができ、思いがけず夢が叶いました。全てが順調に回転していったのも、県の活性化ファンドの採択事業になったおかげだと感謝しています。自社だけでやっていたらまだまだ日の目を見てなかったかもしれません」と述懐する。

将来的には、この商品を金沢ブランドのギフトに育てたいと考えていることから、22年からは金沢市内と能登の各1軒の花屋さんにも扱ってもらうことになっている。
そうした輪を少しずつ広げ、販売量が増えれば、生産者にもメリットがあり、相乗効果で伸びていけることから、取り扱う店舗のネットワークを広げることがこれからの課題でもある。

● 使用済みバスケットを引き取るエコバスケット
花とも 店内
事業花ともでは、捨てるに捨てられず家に溜まっているバスケットを同店に持ち込むと、小さなものは100円、大きなものは200円の金券と交換するサービスを21年夏からスタートしている。

「回収したバスケットは、お客様にエコバスケットを使用してもいいか伺った上で、それでいい場合は、同じ予算でもバスケット代分お花が増えるメリットがあります。環境のために大きなことはできませんが、ささやかでも役に立てることがないかと思案した中からこのアイデアが生まれました。他店で購入したものでも受け入れているので、そうしたバスケットと金券を交換したお客様は必ずと言っていいほど、ウチへ花を新たに買いに来てくださり、わずかな金券で大きな相乗効果が生まれています」と顔を綻ばす。

● 『ありがとう』でお客様とつながる店
記州陽子社長
「お客様は、買い物をされた後に必ずと言っていいぐらい、お金を払っているにもかかわらず『ありがとう』と言って帰られます。お客様がお金を払った後に『ありがとう』と笑顔で帰っていただくことができる店でありたいと常に思っています。経営者としては社員のリストラをすることなく、ずっと雇用し続けられる経営者でありたいです」と満面の笑みで語る。

花ともの4店舗に勤務する13名の社員の中には、フラワー装飾技能検定という国家検定の1級有資格者が2名、2級有資格者が3名いる。
本来なら、独立しても不思議ではないが、結婚退社や出産退社以外の理由で退社する従業員が過去に一人もなく、長い人は勤続20年以上になる。それだけ働く側にとって居心地の良い会社である証左であり、記州社長の人柄に惹かれて勤続年数が更新されている。

「人との出会い、ご縁を大切に、これからも花を介して幸せをお客様にお届けする一番身近な町の花屋に徹していきたい」と決意を新たにする記州氏である。

インタビューを終えて・・・
「自分たちが自信を持って勧めるものをお客様に納得して買ってもらう商いしかやりたくない」との記州氏の熱い思いが、スタッフはもちろん、店内の品揃えにも漲っている。金沢発の新しいブランドを大切に育て、後世に大きく花咲かせてもらいたい。

(株)花とも 桜田店 外観
商 号 (株)花とも
住 所 金沢市木越町ヨ71-1
電話番号 (076)251-0008
創 業 昭和52年
URL http://hanatomo.info/

(財)石川県産業創出支援機構の「石川発!お店探訪記」金沢・加賀・能登 頑張るお店 は、石川県内の実店舗・ショップを訪問し、取扱商品の特徴・売れ筋、店づくりや店舗展開・経営方針、顧客サービスや今後の課題などを取材して、頑張っているお店の魅力を紹介していきます。

金沢・加賀・能登 頑張るお店 イル ピアット ハタダ 

能登の新鮮な魚介・野菜をイタリアンで供す イル ピアット ハタダ


七尾港の能登食祭市場からほど近い、恵寿総合病院先の桜川大橋を渡ってすぐのつつじが浜交差点を左折すると、突き当たり左角に3色のイタリア国旗が風にはためく店がある。口コミで人気が広がり、七尾市内の美味しいイタリアンレストランとして評判の『イル ピアット ハタダ』である。
能登の食材にこだわった料理に情熱を注ぐ畑田寛シェフにお話を伺った。

● 営業マンからシェフに転身
オーナーシェフ 畑田寛 氏
大学を卒業し、大手事務機メーカーの営業マンとして働いていた畑田氏は、各地への転勤があるうえに、県内に戻っても金沢勤務のため、実家のある穴水までなかなか戻れず、将来的に親との同居を考えていたことから、27歳で退社を決意する。とはいえ、その後の仕事が決まっていたわけではなく、とりあえず朝5時から午後3時までは片町の鮮魚店でアルバイトし、夕方から深夜にかけては金沢国際ホテルのイタリアンレストランの調理補助のアルバイトを始める。

一年あまりが過ぎた頃、調理長から「社員になって勉強したらどうか」と勧められたのがきっかけで、本格的に料理人として修業することに。
それから10年あまり勤めた後退社。さらに、東京に出て有名店で修業すべく面接を受けて合格するも、都内での生活や諸々を熟考した結果、若いうちに地元に戻って店を持った方が賢明と判断し帰郷する。

● 多難を乗り越え開店にこぎつける
イルピアットハタダの店内の様子実家の穴水に戻り、通える範囲内の能登の地で店を持ちたいと物件を探し始めていた時、石川県に災禍をもたらした能登半島地震が発生し、自宅が半壊。「ようやく家を直したと思ったら父親が他界し、自分にとって大変なことが続きましたが、知り合いの伝手でいろいろ見て回った中で、この店しか選択の余地がなかった」と振り返る。
こうして平成19年の秋に『イル ピアット ハタダ』をオープンする。

店名を日本語に直訳すると「畑田のお皿」で、そこから「畑田の料理」の思いで命名したもの。「まだあちこち改装したり、購入したい設備などもありますが、オープン当初の借り入れがたくさん残っているので、まずはこれを返済していくことで精一杯です」と苦笑する。普通の民家のような外観だったことから、少しでもイタリアンレストランらしく見えるようイタリア国旗をはためかせ、店内にはイタリアから輸入した特徴ある小物を並べ、イタリアにまつわる音楽をBGMに流すなど、一歩店内に足を踏み入れると、そこはまさにイタリアンな我が家という雰囲気が醸し出されている。

● 食材は可能な限り地元能登産
能登ワインとパスタ
地元の農家の方々が丹誠込めた野菜、能登で水揚げされる新鮮な魚介など能登の食材をメインに使用している。穴水の実家を朝出てから能登島の農家へ寄って野菜を仕入れたり、直売所で買い出ししてくるのが日課になっている。ワインも穴水の能登ワインを揃えるなど、自らの地元にあるものを大切にする、ひいきにすることから入るのが畑田流。「料理については特別変わったことは何もしていません。何しろ一人でやっているのでできることには限界があります。ただ、金沢国際ホテル時代に自分が担当していたパスタだけは他の店に負けたくないという思いで日々精進しています」と力を込める。

食材だけでなく、イタリアンではあるが、調味料として能登のいしりを使用しているのも同店の特徴であり、料理とマッチしてなかなか好評のよう。

新しいメニューを考える際のポイントを伺うと、「食材のロスを出さないことが絶対条件です」と即答。新メニューを考えると、食材が数種類必要になる。そうした食材をランチでもディナーでも使い回すことができるメニューづくりを季節感を盛り込みながらしなければならず、いつも頭を抱えるようだ。季節感に重きを置きすぎると特殊な野菜や高価な魚介が必要になり、他の料理に使い回しができずロスとなるため、奇をてらわずオーソドックスなものが自然と中心になるという。

● 常連客に支えられ2周年
できるだけ地元の食材を使用
オープンから2年が経過し、地元七尾市内だけでなく、輪島や珠洲、遠くは金沢や加賀方面からもわざわざ来店してくださる常連客が増えた。

イタリア料理を提供する店ではあるが、いろんな嗜好の顧客に対応できるよう、ワインだけでなく、日本酒や焼酎も取り揃えている。顧客の年齢層は20代後半から70代のお年寄りまで幅広いが、メイン層は30代から50代とのこと。
「来店されるお客様から日々さまざまなことを教えていただいたり、料理のヒントをいただき、それに自分なりのアレンジを加え、喜んでいただけるメニューづくりを心がけています」と語る通り、ランチはパスタランチが1,200円、おすすめのコースランチが2,800円、ディナーはパスタコースが2,000円、シェフおすすめコースが3,500円とリーズナブルな価格が魅力だ。

「注文を受けて料理を提供することで精一杯で、サービスのレベルはまだまだです。それでも手が空いた時はできるだけフロアに出て、お客様に料理の説明をしたり、感想を聞かせていただいたり、コミュニケーションを取る努力をしています」とシェフの人柄が垣間見える。

● イタリアン弁当を新たな柱に
イルピアットハタダの意味は畑田のお皿
「近くの病院や事業所のお客様から、会議の時に出すイタリアン弁当を作ってもらえないかとの要望が多くなってきていることから、新たな事業の柱として取り組むことを検討しています」と前向きに語る。

人手がないため、お客さんに店まで取りに来てもらう形になるようだが、一般客向けではなく病院や事業所などの会議で使う価格帯が2,000円前後の付加価値の高い弁当だけに、これが軌道に乗れば安定した収益の柱になる可能性が見込めることから、既にメニューの試作に着手している。

● 七尾にハタダありを目指し
イルピアットハタダ 店内の様子
「能登へ行くならハタダでランチを食べようと言っていただけるようになることが、私の目標です。そのためにもピザ釜を入れて自家製ピザもやりたいと思っていますが、まずは日々来店してくださるお客様に真心込めた料理を提供し、大切におもてなしすることに邁進したい」と、日々の地道な努力でファン客を増やしていくことを自らに言い聞かせるように語る。

能登へお出かけの際には、イタリア国旗がはためくイル ピアット ハタダを訪ね、能登のイタリアンを是非ご賞味あれ。

インタビューを終えて・・・
能登で純粋なイタリアンにこだわった貴重な店。純朴な人柄のシェフが、能登の大自然で育まれた食材に愛情をこめて調理した文字通り能登のイタリアンが地元だけでなく広く県内に浸透し始めてきていることを実感。


イル ピアット ハタダ 外観
商 号 イル ピアット ハタダ
住 所 七尾市小島町大開地1-5
電話番号 (0767)58-3636
創 業 平成19年
営業時間 11時30分~14時30分
17時30分~21時
定休日 水曜日
URL http://www5.plala.or.jp/Hatada/

(財)石川県産業創出支援機構の「石川発!お店探訪記」金沢・加賀・能登 頑張るお店 は、石川県内の実店舗・ショップを訪問し、取扱商品の特徴・売れ筋、店づくりや店舗展開・経営方針、顧客サービスや今後の課題などを取材して、頑張っているお店の魅力を紹介していきます。

金沢・加賀・能登 頑張るお店 ル ミュゼ ドゥ アッシュ

No.1同士のコラボで能登の魅力を発信! ル ミュゼ ドゥ アッシュ

10月に入り、潮風が心地よい和倉温泉を訪れた。和倉温泉と言えば、『プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選』で29年連続日本一の栄誉に輝く旅館・加賀屋がある。
その加賀屋と七尾市出身で日本を代表するパティシエ・辻口博啓氏のコラボレーションで誕生した『ル ミュゼ ドゥ アッシュ』を訪ね、シェフ パティシエの永田欽哉氏にお話を伺った。

● 七尾の活性化が共通の願い
『辻口博啓美術館』ならびに『ル ミュゼ ドゥ アッシュ』
自身の出身地である七尾に格別の思い入れがある辻口氏は、かねてより能登の食材を使ったスイーツを通して、能登の魅力を発信することができないかとの思いを抱いていた。
一方、加賀屋は和倉温泉活性化のために、温泉地に人を呼び込める魅力あるものを作れないかと模索していた。

そんな時、地元七尾出身の辻口氏とコラボレーションすることで、より多くの人に七尾ひいては能登の魅力を知ってもらうことができるのではないか、そうした双方の七尾を思う情熱が、平成17年、『辻口博啓美術館』ならびに『ル ミュゼ ドゥ アッシュ』のオープンという形で結実する。

金沢出身の永田シェフも辻口氏同様に、子供の頃に食べたケーキの美味しさ、楽しさに感動したのが、この道へ進んだきっかけ。高校を卒業すると大阪の製菓専門学校へ進み、関西で12年あまり、一流ホテルを転々として修業を積み、コンテストに出場した際、辻口氏が審査員の一人だったことが縁で、後に東京・自由が丘の『モンサンクレール』で一年あまり働いた後、和倉への出店に合わせてシェフパティシエとして地元に凱旋した格好だ。「和倉から日本全国へ、そして世界へ、能登の魅力を発信したいとの思いは、辻口も私も同じです」と熱く語る。

● 地元の食材にこだわる
オリジナルケーキ
東京・自由が丘にあるモンサンクレールと和倉ならびに金沢のル ミュゼ ドゥアッシュでは、全てのケーキの配合も使う食材も異なる。東京の店と2点だけ共通な"自由が丘ロール"と"セラヴィ"は配合や製法は同じでも、能登で生産された能登ミルクやセイアグリーの健康卵を使用していることから、味わいは全く異なる。「その味わいの違いを東京から来られたお客さんに楽しんでいただきたい」と永田シェフは顔を綻ばす。この2点以外は、全て石川オリジナルの配合で製造されているため、ここでしか味わえない。

地元の食材を取り入れるにあたって、素材そのものの味わい、美味しさを素直に表現したケーキづくり、これが辻口氏のこだわりであり、永田シェフが日々心がけていることでもある。と同時に、和素材の和をそのまま出すのではなく、和と洋の融合がキーワードであり、それを表現する辻口氏のセンスが何とも絶妙である。

● 地元食材のパワーが感じられるモノづくり
ケーキと焼き菓子
「地元の食材は生産地まで足を運び、自分の目と舌で確かめ、生産者の顔が見えるモノづくりを実践しているので、何よりも安心して使うことができます。
どんなにいい食材でも遠方からトラック便で運ばれてくると、移動した時間分だけ負担がかかり、食材本来のパワーが減少していると思います。
その点、産直のパワーは地元で使うことで十二分に発揮でき、地元の人たちの真心がこもったパワーが必ずできあがった商品に反映され、ここへ来て食べていただくことで、そのパワーをお客様にも享受していただけると思っています」と、ケーキや焼き菓子を通じて、能登の地元力を発信していくことが自らの役割と肝に銘じ、一つ一つの商品に真心をこめ、お客様に届ける店づくりに邁進している。

● 地元食材のラインナップ 地元の素材を活かしたオリジナルケーキ
能登ミルクの美味しさを素直に表現した"能登ミルク杏仁"、輪島の活地気米を使ったクリームと杏のクリームから成る"リ・カッチキ"、珠洲の塩を使ったタルトキャラメルとクレームショコラから成る"セルノワ"、加賀棒茶を練り込んだロール生地と能登大納言の小豆を組み合わせた"加賀棒茶ロール"、能登の赤ワインで煮込んだイチジクをフレッシュクリームチーズで包んだ"ヴォーグ"等々バラエティーに富んでいる。
その他、鳥屋酒造の吟醸酒"水面に映る月"を使ったショコラも人気とか。

現在、生菓子は30種類、焼き菓子、パン、チョコレートを含めると100種類あまりのアイテムが華やかにショーケースを彩る。

● 県立美術館に出店して1年ルミュゼドゥアッシュKANAZAWAの店内
「金沢のお店は、オープン当初から大変多くのお客様にご来店いただいていますが、あまりの混雑でゆっくりケーキを楽しんでいただくことができず、おもてなしの面ではかえってご迷惑をおかけしています」と恐縮する。
くつろいだ雰囲気の中でケーキとお茶を楽しんでいただくことが同店のコンセプトだけに、もてなし面ではまだまだ合格点はつけ難いようだ。

製造スタッフは各店に12名あまり、そのスタッフで1日平均約600個前後のケーキを製造する。連休になると2,000個近いケーキを製造する日もあり、早朝から閉店まで製造しっぱなしでも追いつかない状況になるという。和倉の店でも金沢の店でも、全て一からその場所で製造し、作りたてのフレッシュな美味しさを味わってもらうことにこだわっている。

● 子供たちに夢を与える基金を設立 話題の焼き菓子「YUKIZURI」
今年(平成21年)発売された焼き菓子"YUKIZURI"が話題になっている。この商品の売上の一部を寄付し、辻口博啓夢基金として、子供たちに夢を与える事業に使いたいと考えている。

自身が子供の頃に抱いた夢を叶えたことで、未来ある子供たちに夢を与えたいとの思いからこの基金を設立することに。具体的なことはこれからだが、永田氏によると「辻口はかねてから絵画コンクールを行い、入賞した子供たちをルーブル美術館に連れて行き、本物の空気観、世界観を体感してもらい、それをきっかけに子供たちが更なる夢を持てるようなことがしたいと口癖のように言っています」とのこと。

"YUKIZURI"は同店だけでなく、北陸自動車道の北陸3県内サービスエリア、小松空港、能登空港、兼六園内茶店でも販売されており、子供たちに夢を与える事業の実現が待望される。

● 全ては地元の活性化のために シェフ パティシエ 永田欽哉 氏
地元にはまだまだ多くの食材があるだけに、さらなる広がり・可能性が大いに期待できる。「生産者の方たちも自分の育てた食材で作られたケーキを見て感嘆の声を上げられ、作り手としてこんなに嬉しく、楽しく、やり甲斐のある仕事はありません」と満面の笑みで語る。

そんな永田シェフの陣頭指揮の下、『自分はこの店で頑張りたい』という意欲に溢れたスタッフたちが、辻口氏のスイーツに込める情熱を各々のハートに焼き付け、加賀屋ならびに辻口氏のブランド名に恥じることのない魂のこもったケーキ、焼き菓子をスタンバイし、今日もお客様を迎えるル ミュゼ ドゥ アッシュである。

インタビューを終えて・・・
加賀屋ならびに辻口氏のネームバリューは全国ブランドだけに、お客様の期待値も高く、少しでもその期待を裏切ることがあってはならない。その意味で、No.1の宿命を抱える両者が常に緊張感を持った真剣勝負で挑んでいる。「やさしさが私のケーキづくりの裏コンセプトです」と照れながら語る永田シェフの言葉が印象的。

ル ミュゼ ドゥ アッシュ 外観
商 号 ル ミュゼ ドゥ アッシュ
運営会社 (株)レグレット
(日本語で白鷺の意)
住 所 七尾市和倉町ワ部65-1
電話番号 (0767)62-4000
創 業 平成17年
営業時間 9時~19時
URL http://www.kagaya.co.jp/le_musee_de_h/

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