バーチャルショップセミナー<第1回>(ネットショップ起業とその現実):石川県・ISICOバーチャルモール お店ばたけブログ

ISICOでは、石川県内のネット販売者に対し、ネット販売での可能性を広く周知し、より実践的な分野に絞ったアドバイスでレベルアップを図っていただくため、ネット販売での基本的な考え方と最新情報、また集客のためのセミナーを、5回シリーズで開催しました。

今回は、第1回(ネットショップ起業とその現実)のご報告です。

講 師:特定非営利活動法人全国イーコマース協議会 理事長 平山 泰朗 氏
平成17年11月25日(金) 13:30~16:30
石川県地場産業振興センター本館 第1研修室

一部「ネットショップで起業を実現~オンリーワンネットショップになるために」
各種サイトを立ち上げてきた自体験と共に、ネットショップを始めるためにはどうすればよいのかを、具体的に解説いただいた。

1.サイトで見る僕の経歴

<平山氏の運営サイト>
平山旅館→実家の旅館サイト
http://www.iki.co.jp/

上記サイトを見ながら、ポイントを解説いただいた。

2.ネットショップを始める前の三原則 【重要!】
1)単価が高い
単価が安いと、多く売らねばもとがとれない。
お客さんは送料を払うことも考えて。

2)利益率が高い
35%はほしい。
家電などは単価は高いが粗利が低く、難しい業種。

3)検索性が高い
大勢の人に検索されている商品であること。

扱う商材について、これらが満たされているショップならネット販売に向く。
ネットショップを始めるなら、最低1つか2つはあるべき。

向いてなければ、向かせる! たとえば、単価が安い商品なら、【総合商品】(セット)を販売してみては?
単価が高くても、おかしいと思われない工夫が必要。
例)豆腐屋さんの「鍋セット」/ 同包おすすめ 等

 

3.勝てないところでは戦わない …目的と手段を戦略的に考える。

・本当にネットショップをやる必要があるのか?
検索露出のみのホームページを開設すればよい場合もある。

・対消費者向けでなく、対企業向けもあるのではないか?
今の商売を発展させる商売を。「バーチャル+リアル」→チャネル増。
北陸は送料一律になるので、物流センターをするのも向く。

・勝てる商材を探した方がよいのではないか?
自社商品が弱いなら、ご近所が扱う商品を置けば勝てるのでは。

・ランチェスターの法則
後発は不利。弱者は奇策・奇襲で対抗する。
自社の優位性を徹底的に考え、正面から勝負しない。

・ネットショップは広告費をかけないと、売上げはあがらない
SEOに手間をかける替わりに、広告費をかける方法も。
オーバーチュア(検索エンジンの検索結果の画面にのせるキーワード広告)やアフィリエイト(サイトやメルマガで商品紹介のURLをはり、そこから購入されたら報酬が支払われるシステム)、楽天の広告枠など。

・商品がよければ必ず売れるというのは、幻想である。
露出されなければ売れない。

・「精神は田舎、しかし戦略は都会」
「都会が好きな田舎」を見せていくことが必要。

 

◆二部「ネットショップの非常識~もう甘くないネットショップの現実を考える」
平山氏が運営する各種サイトを中心に、解説をまじえながら、現在のネットショップのあり方、売り方を考えた。

1.各サイトで見る戦略の違い

1)平山旅館+壱岐もの屋 ⇒ 通常物販自社連携型
旅館受付をおこなう「平山旅館」は、夏場オンシーズン。
冬場オフシーズンの収入・雇用の継続のため、物販サイトを開設。壱岐のブランド化を目指した。
結果として、相乗効果で売り上げアップ。認知度が高まり、それが従業員の誇りとなった。

2)ウォークスコミュニケーションズ ⇒ 自社サービス紹介型
・制作会社として商売をEコマースに特化する
・SEO(検索エンジン最適化)の向上
・各ページ内要素の向上
・各種情報の公開を進める
・ユーザービリティなどのガイドラインを策定する
・ユーザーのメリットを最善に考える
サイト全体をMovableTypeで作成。ブログは検索性の高いサイトに向く。

3)e会社設立.jp ⇒ 行政サービス紹介型
・優位点を持つ
行政書士と社会保険労務士の資格「会社設立から助成金受給まで」
・SEO(検索エンジン最適化)+SEM(検索エンジンマーケティング)で販売を考える。
・販促手段が決まれば、ユーザービリティ(使い勝手)を向上させるだけで売上げがあがる。
わかりやすいトップページにする。

4)九州焼酎ネット ⇒ 商品販売型
・検索性が高い商材 …入手困難な焼酎「魔王」を、普通の値段で販売。
・利益率の低さを工夫にてカバーする
・検索エンジンマーケティングのみで商売をする
・実は蔵元で検索されている数の多さ …魔王と同じ蔵元の他のお酒を販売。

 

2.ネットショップの現実 まとめ

「お客さんは、買う根拠を見つけたときに買う」

・ホームページのランキングから購入する数の多さ。
・マスコミ取材が増えていく…ホームページに取材履歴を載せた結果、ネット経由でどんどん取材が来る。
・商品説明ナシ、「ランキング1位」の記述だけで、化粧品を販売する広告もある。
…もともとは買う動機、選ぶ基準がない?? 動機付けする見せ方が大切。

 

3.質問受付

Q.アフィリエイトをすると良いのですか?

平山氏:ネットで「物販」をするなら、アフィリエイトをすると良いです。

Q.自店舗の他に、楽天店、Yahoo!ショッピング店など、複数お店を持つのはどうしてですか。

平山氏:
「自店舗が軸足、モールはそれにプラスで取る」という考えで運営しています。
モール出店だけだと、お客様情報が得られないので×。最終的に自店のお客様を増やしたいです。


Q.インターネット以外の販促は何かされていますか

平山氏:
ネット広告以外は特にしていません。
ネット経由での雑誌・テレビ取材が多いので、こちらから広告を出す必要はないです。

Q.現在のYahoo!検索エンジン対策のポイントは?

平山氏:
有料のYahoo!カテゴリ登録をすること。これを行わずして、上位は難しいです。
また、Yahoo!カテゴリ登録されている「ページ」 (サイトでなくて、Yahoo!からリンクされているそのページ)からの被リンクが多いと、上位になりやすいようです。

質疑応答の後、講師との名刺交換の時間をもうけました。
(左写真:名刺交換をしながら、受講者からの質問に丁寧に答える平山さん。)

全国イーコマース協議会理事長の平山さん、ネットショップ起業とその現実につきまして、大変参考になるお話を、ありがとうございました!

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