<石川県産業大学経営講座> バーチャルショップセミナー(全8回)【第6回】
ネットショップを取り巻く最新の情報発信(前編)
「ネットショップのWeb2.0活用術~入門編」
講 師:お店ばたけHPドクター 中野 治美 氏
平成18年10月24日(火) 13:30~16:30
石川県地場産業振興センター本館 第3研修室
内容:
今年のネットのキーワードは、「Web2.0」。
ブログをビジネス活用することで、すでにWeb2.0の波にのっているネットショップ。
でも、Web2.0って、よくわからない?実は、すでにいろんなところで利用しているWeb2.0を再確認してみよう。
新しいWebサービスを発見して、ビジネスに役立てるためのヒントを見つけるための入門編。
概要
■1.Web2.0って?
■2.Web2.0のサービスを体感してみよう
■3.Google Mapsの利用
※ご報告の内容は、セミナー内容の概要と受講メモを基に記載しております。 ご了承ください。
1.Web2.0って?
「Web2.0」とは、従来のインターネットサービスを1.0としたときの次世代概念。
ティム・オライリーが提唱した概念。
■Web1.0からWeb2.0へ→インターネットの大きな変遷
Web1.0 →Web2.0
DoubleClick →Google AdSense
Ofoto →Flickr
Akamai →BitTorrent
mp3.com →Napster
BritannicaOnline →Wikipedia
個人ウェブサイト →ブログ
evite →upcoming.org、EVDB
ドメイン名の投機 →検索エンジンの最適化(SEO)
ページビュー →クリック単価
スクリーン・スクレイピング →ウェブサービス
パブリッシング →参加
コンテンツ管理システム →wikis
ディレクトリ →タグ付け
(分類学) →(人々による分類:「folksonomy」)
スティッキネス → シンジケーション(サイトの垣根を越えた連携)
(個々のサイトに対する顧客の忠誠度)
(引用:CNET.Japan「Web2.0:次世代ソフトウェアのデザインパターンとビジネスモデル」)
Web2.0を知るためには、概念・各論を知るよりもまずは体感することがいちばんの近道。
既に利用しているサービスやビジネスに活かしているサービスがあるはず!
2.Web2.0のサービスを体感してみよう
■ビジネスに必要なWeb2.0のキーワード
○ブログ
ブログの出現により様々な変化が起こっている。
優れたコンテンツマネージメントシステム(CMS)で、誰でも簡単に情報発信が可能に。
・RSSフィード
・トラックバック
・パーマリンク(固定リンク)
・XHTML+CSS
XHTML:XHTMLをXMLの仕様に適合するよう定義したマークアップ言語
・ポッドキャスティング
○集合知
「従来の知」は、専門家がコンテンツを制作した、一方通行な情報発信。
Web2.0での知は、「集合知」
インターネット上でのユーザーがコンテンツを制作し、インターネットユーザーの知識を集合させてWebを大きなデータベースとして機能させる。さらにそれをまとめて加工することで、新しく価値を付け加えることが可能。
事例その1:ウィキペディア~オンライン百科事典
http://ja.wikipedia.org/
ネットユーザーが、自主的に執筆、編集自社ホームページへリンクが可能
【関連キーワード】
・CGM(Consumer Generated Media) ユーザーがコンテンツを生成していくメディアのこと。
・Amazonの書評 (評価投稿、投票)
・口コミサイト、Q&Aコミュニティ
OK Wave
・SNS(ソーシャラウネットワーキングサービス)、ブログなど
Mixi(ミクシィ)
○Web2.0のWebサービス
従来のパッケージソフトからインターネット上のサービスへ。
OSの種類やパソコン(PC)の種類などに依存せず、インターネットに繋がれば、どのPCからも、サービスを受けることができる。
事例その2:Web共有サービス
写真:flickr http://www.flickr.com
フォト蔵 http://photozou.jp
動画:YouTube http://www.youtube.com/ 映画サイトなどキーワードでサーチできる。
■その他のWeb2.0サービスを牽引している代表的なビジネスモデル
・Amazon
アソシエイト、amazon E-commerce Service
カスタマーレビュー
なか味検索 目次とはじめにが読める
・Google
Googleサービス
Google Maps、 GoogleCalendar、Google sitemap、Google analytics
アドワーズ
アドセンス
3.GoogleMapsの利用
(1)Web2.0の地図 → Googleマップ
特徴:
操作性が格段に向上。ソフトウェアのインストールなしに、拡大・縮小、移動がスムーズに行える。
ダイナミックな画面の動き、待ち時間の少ないレスポンスの良さなど、デスクトップアプリケーションのような操作感覚
↓
Ajax(エイジャックス)の技術を使ったマップ
あらかじめ、サーバから読み込んだデータを、ローカルで操作することで実現
Ajaxとは・・・
DHTML(javascript+CSS)とXMLにサーバーサイドWebアプリケーションを組み合わせた開発手法。
新しい技術ではなく、以前から使われていたが、ブロードバンドの普及とともに利用されるように。
googleの別のサービスや、Web2.0のサービスにさまざまな形で組み込まれている。
○Ajaxが使われているWebサイト、サービス
・Googleサービス
googleパーソナライズホームその他
・goo サジェストβ with ATOK-goo
http://suggest.search.goo.ne.jp/suggest/
(2)Google Mapsのビジネス利用
その1:Googleローカルビジネスセンターへ登録
・グーグルアカウントを取得
(※おすすめ:ステップとしてGmailを取得後、Gmailのアカウントで登録すると便利、別のgoogleサービスもこのGmailアカウントで行える )
・カテゴリを3つ選択できる。
・所在確認のため、登録した住所に「PIN」コードが書かれた書面が郵送され、管理画面でPINを入力し、登録完了となる。
その2:Google Mapsを自社サイトに表示
従来の方法:地図サイトへのリンクを張る。地図画像の作成
googleのWebサービスのひとつ、「Google Maps」のgoogle map APIを利用する。
1)Google Maps APIとは
Googleが公開しているGoogle Mapsから地図情報を直接取得するためのツール、プログラム。
Googleが無料で提供しており、javascriptを用いてアクセスする。このAPIの利用で、さまざまなサービスを展開することも可能
2)Google Map APIの制限
・ロゴと広告が掲載される
マップ左下にGoogleのロゴ、右下に地図のクレジット表記が表示される。
また、将来的に広告が入るようだ。
・詳細が他の地図と比べると一段階くらい少ない。
Googleマップは、他の地図サービスに比べて都市地図の詳細では一段階程度少なくなっている。
・1日あたり5万ページビュー
GoogleMapsAPIの利用条件に1日あたり5万ページビュー(それ以上の場合はGoogleの承諾を得る必要がある)
・文字コードがUTF-8
文字コードがUTF-8という制限がある。そのページと関連するページはすべてUTF-8でなければならない為、共通のJavaScriptやCSS、その他CGIなどが利用できない場合がある。iframeなどで回避できる方法もあり。
3)Google Mapsの導入手順
3-1. ドメインを申請してAPIキーを取得する。
・Google Maps APIキー取得ページ
http://www.google.com/apis/maps/
3-2. 自分のAPI Keyを控えておく。
サンプルが表示されるので、API Keyの部分を自分のものに変更し、エディタやHTMLソフトに貼り付け、FTPでサーバにアップして、表示するか確認する。
3-3. 自分の地図用にカスタマイズ
1.<head>タグにAPIを呼び出す<script>タグを書く
2.地図を貼り付けたい位置に<div>タグを書く
3.<script>タグの中に、地図を呼び出すjavascriptを書く
4.自社の緯度、経度を取得
Google Mapsの設置をわかりやすく教えてくれる参考記事
○Google Maps API -公式ページ(英語)-
http://maps.google.co.jp/apis/maps/documentation/
○表示したい緯度、経度の取得
・Geekなぺーじ
http://www.geekpage.jp/web/google-maps-api/get-xy.php
・google Maps、google earthで取得
○Ajaxを中心とした説明
・Ajax Google Mapsを自サイトに設置する
All About Japan:JavaScript
http://allabout.co.jp/internet/javascript/closeup/CU20051116A/index.htm
・Ajax Google Mapsを自サイトに設置する2
All About Japan:JavaScript
http://allabout.co.jp/internet/javascript/closeup/CU20051130A/index.htm
○ Google Maps APIを利用した地図コンテンツ作成ツール
・Google Maps Editor○ その他詳細なカスタマイズ
・CYBER@GARDEN
http://www.cybergarden.net/blog/2005/11/google_maps_api.html
・webword.jp
Google Maps API2入門
(3)Google Maps APIを利用した事例紹介
・食べログ.com グルメ口コミサイト
・Find Job! 求人情報を地図から検索
・映画生活 映画館の情報と上映スケジュール
・全国ロケ地ガイド ドラマ、映画、特撮番組の撮影があったロケ地を地図と写真付きで紹介
・山手線ぐるぐるぐる 山手線をアニメーションでぐるぐる
・長崎市中央地区駐車場案内システム とむ~で.com リアルタイム満空情報
【関連キーワード】
・マッシュアップ
公開されているWebサービスや独自のデータソースや技術を組み合わせて独自のサービスやコンテンツを生み出す手法のこと。
APIの公開により、新しいビジネスモデルが生み出されている。
~セミナーを終えて~
Web2.0、Google Mapsの導入から APIに関するさまざまな活用事例をご紹介いただきました。
GoogleMapsEditorは、特別なプログラム操作が必要なく、自店の地図を作成できる優れものなのでぜひ挑戦してみてください。
講師の中野治美先生、web2.0の最新動向大変勉強になりました。ありがとうございました。